・熱帯夜に エアコンをつかわずに熟睡したい!
・酷暑(熱波)対策おしえて!
この記事では、イギリス流の「エアコンを使わない暑い夏の過ごし方」16の工夫を紹介します。
イギリスには2018年から毎年のように熱波(ヒードウェーブ)が到来するようになりました。エアコン設備の整っていない英国では、「いかに涼しく過ごすか?」は死活問題なんです。
この方法は、わたしも熱波(ヒートウェーブ)到来の時期には実施しています。
蒸し暑い日本の夏でも、乾燥した熱波でもつかえる方法なので、ぜひ参考にしてください!
記事は、イギリス在住10年以上、クーラー嫌いのアルノが書いています♪エアコンの送風で体調くずす派です。
暑い夜の原因と対処法
暑い夜で眠れないのは、2つのおもな原因があります。それは、部屋の「気温の高さ」と「湿度の高さ」を調整すること。
この問題には、3つの対処方法が有効です↓
《熱帯夜の対処方法》
①部屋の温度を下げる
②体感温度を下げる
③湿度の調整をする
この3つの対策をすることで、ずいぶんと過ごしやすくなります♪
では、それぞれについて詳しくみていきましょう!
1.部屋に風を通す(換気)
部屋の温度を下げる方法その1が、「換気」です。
家の中に風を通すには、風の入り口と出口をつくることが必要です。
①窓を開け、対角線上のドア(または窓)を開ける
効率よく屋内に風邪をとおすには、こんな裏技があります↓
1)外から呼び込む風(窓)は小さく開ける。
2)外へ出す風は大きく開ける
こうすることで、風が通りやすくなります。
看護師時代に「換気」、「換気」とやかましく考えていたころの技にも共通します。
外気の取り入れ口と排出口が部屋の真反対に位置しているのが理想的です。
②風がないときは扇風機(ファン)を使う
むし熱い日には屋外から熱風が入ってくることも多いものです。
しかし、換気は湿度も一緒に外においやるため重要です。
一日の中で温度が下がる朝や夕方に 換気扇や扇風機を使って、部屋の空気の入れ替えます。なるべく風を家の中に通すことを心がけましょう。
▼一時帰国で「あまりにも暑い!」ので卓上&手持ちOKな「携帯型ファン」を購入。顔や手をぬらしてからすこしだけ風にあたる戦法を実施。これだけでスーっと楽になります。
2.遮光カーテンで日中の太陽をシャットアウトする
部屋の温度を下げる方法その2は、屋内にはいりこむ日中の太陽の光を遮ることです。これだけでもいいくらい重要です。
わたしの場合、暑い日にはほとんどすべての窓のカーテンをしめきります。
カーテンは絶対に遮光&断熱カーテンが効果大です。
日本だと、朝顔やゴーヤでつくる緑のカーテン、すだれがかなり効果的です。
▼こういう「遮光」、「断熱」、「防寒」、「防音」の4つの機能がついたカーテンが手に入るのが日本!イギリスにも「遮光カーテン」がうっていますが、一般的にあまり知られていません。
3.電気のコンセントを抜く
部屋の温度を下げる方法その3が、「電気のコンセントを抜く」ことです。
必要ないのにプラグをさしっぱなしにしていませんか?
コンセントがはいってると、家を熱くしている原因になっています。
特にパソコン、モデム、モニター、プリンター、ゲーム機器、エアコンが待機電力が高く、その分通電による発熱をしています。
夜間にそれらの電化製品を使わない場合は、以下の対策を!
- コンセントから抜く
- タコ足配線(テーブルタップ)を使っている場合は、スイッチオフにする
これらをマメに切るのは、電気代の節約になり、火災予防にもなります
4.照明の電球をLEDに変える
部屋の温度を下げる方法その4は、「電球をかえる」ことです。
部屋の照明や、ベッドサイトに置かれているライトにも注意が必要です。
熱を発生しやすい電球は、、
1)白熱電球(最も熱量が多い)
2)蛍光灯(次におおい)
3)LED(最も熱を発生しない)
特に白熱電球はおどろくほど熱い!
酷暑続きの日本でも海外でも、電球をLEDに変えるのが得策です!
照明器具の消費電力量も実は非常に高く、エアコン→冷蔵庫に次いで、家庭全体の15%程度を占めています。
白熱電球や蛍光灯は、熱を光に変換して利用する発光原理であるため、照射される光が熱くなります。
白熱電球は電力消費が多く、2008年に日本政府は地球温暖化防止のため2012年を目指しメーカーへの白熱電球の製造と販売の中止を要請しました。
また、2030年を目指し家庭やオフィス、工場などすべての照明のLED化を測る方針を打ち出しています。
電球のエコ化は日本のほうが先進しているようです。
イギリスは未だに白熱電球やハロゲンランプという発熱量の高い照明器具が使われている家が多い。古い家が多いことも一因でしょう。
我が家は、もともと取り付けてあったハロゲンランプを徐々にLEDに徐々に変更しています。
イギリス在住で節電したい方へ
LED、蛍光灯(CFL)など電球を購入する場合は、「energy saving」や「ECO」の文字を確認しましょう。これは「EU基準のエネルギー効率グレード」です。
グレードはA~Gにランキングされ「A」が最もエコで、「G」が一番効率がわるい電球です。電球選びの際に参考にしてください。
5.打ち水をする(庭への散水)
Photo by Nine Köpfer on Unsplash
部屋の温度を下げる方法その5が、「庭への打ち水」です。
イギリスで暑い日の夕方に行われているのは、庭へのスプリンクラー、シャワーです。
大切なガーデンを 暑さや乾燥から守る意味合いがありますが、打ち水効果も高いこの方法をイギリス人は知っているようです。
また、日本で注目されている「打ち水」は、夏の暑さを和らげる先人の知恵です。
この打ち水は科学的に立証されていて、「打ち水をすると気温がおよそ【2度】下がる」と言われています。
原理は気化熱です。気化熱とは、水が蒸発するときに周囲の熱をうばう現象。まいた水が蒸発し、周囲の空気を冷やすというわけです。
この打ち水、日差しが強い昼間にすると、効果がありません。(一瞬で水が乾いてしまうか、水蒸気が発生するためさらに不快指数があがる恐れあり)
効果的な打ち水で、涼しさをつくりましょう↓
■打ち水するタイミング :夕方や早朝の気温が下がっている時間帯
■打ち水する場所 :日陰部分、庭、ベランダ、壁面、植物、など広範囲にまく
6.スプレーで霧吹きをする
部屋の温度を下げる方法その6は、「屋内への霧吹き」です。
イギリスでわたしもよくやっています。
スプレー容器に水をいれて、部屋全体をシュッシュと霧吹きするだけ
特に窓側のカーテンに霧吹きをします。水を霧吹きなどでかけると打ち水と同様に気化熱の効果で気温が下がります。
むし熱い夜、乾燥した夜どちらにも効くのは、自分の手足にシュッシュ!体感温度は確実に下がります。そこへ自然の風や扇風機の風を受けるといい感じ!
7.階下で寝る(階上のほうが暑い!)
部屋の温度を下げる方法その7が、「階下で寝る」ことです。
この方法は、2階建て以上の家の人にぜひ実践してほしいです。
熱い空気は上の方に溜まりやすいため、階上の部屋の気温が高くなります。
さらに、屋根からうける太陽光線の輻射熱(ふくしゃねつ)もあります。
つまり階上の部屋は、上からと下からのダブルで熱されるのです。
2階の暑さを取り除く根本的な方法は、換気と断熱材の工夫です。どうしても2階が熱くて眠れないときは、1階で寝てね。
8.一人で寝る、またはなるべく離れて寝る
体感温度を下げる方法その8が、「ひとり寝」です。
隣のあなた、暑いんです!
例えば同じ温度の中にいても、体感温度は人それぞれ異なり、特に男女差は大きいもの。
一般的に男性=暑がり、女性=寒がり。男女の体感温度は筋肉量に関わるようで3~5度もの差があるといわれています。
子供と一緒に寝ている親も、子供の体温の高さに寝苦しい夜を過ごすことになります。
・特に男性、乳児の体温が高い
・日本人と比べると欧米人の平均体温が高い(1℃ほど)
・日本人の平均体温:36.6℃~37.2℃(日本人の7割くらい)※テルモ調べ
暑い夏の夜には、カップルでもなるべく離れて寝たほうがよさそうです
9.首を冷やすと、体感温度が下がる
体感温度を下げる方法その9が、「首を冷やす」ことです。
首には脳を流れる太い血管が通っています。
頭を冷やすことによって、この太い血管を流れる血液が冷やされます。それにより 体の中を冷やされた血流が循環するため、体感温度が低くなったように感じられます。
しかし、首の後ろを急激に長時間冷やすのはNGです。頭痛の原因となったり、血流の流れを阻害します。
あたまを冷やす時は、首の横左右斜め前の太い血管(頸動脈)を穏やかに冷やすようにしましょう。
■この冷感まくらカバーほしいです。一面がパイル地になっていて冬もOK、もう一面が冷感素材になっています。
もしクールピローやアイスノンがなければ次の方法があります。
①冷水でしぼったタオルを頭や体にのせる(持続力に問題あり)
②枕を裏返す(裏返した側は冷たい→これを繰り返す)
10.寝る前に冷水シャワーを浴びる
体感温度を下げる方法その10は、「就寝前に冷水シャワーをあびる」です。
イギリスのように乾燥した夏の夜では、体が少し濡れたままでも大丈夫。
そのまま窓からの自然の風や扇風機からの風が体にあたったとき、さらに体感温度がさがります。
注意点は、シャワーを浴びる水があまり冷たすぎないこと。冷たすぎると刺激が高すぎて眠れなくなっちゃいます
11.動脈の部分を冷やす
体感温度を下げる方法その11が、「動脈を冷やす」です。
水と氷をいれたペットボトルかアイスノンを用意し、動脈部位を冷やします。
私は看護師だったこともあり、体を冷やす方法は一通り習得しました。これを冷罨法(れいあんぽう)と呼びます。
体を効果的に冷やす部位は?=体表近くを走行している太い動脈部位がベスト!
■頸動脈(けいどうみゃく)=首のよこ
■腋窩動脈(えきかどうみゃく)=わき
■大腿動脈(だいたいどうみゃく)=足のつけね(鼠径部)
12.冷たいことを想像してみる
体感温度を下げる方法その12が、「冷たいことや、怖いことの想像」です。
はい、さぶい!↓
「あたまがキーーーン!」
「ひーーー!」
※「冷たいものを食べて頭がキーン!」
これは日本人特有の感覚のようです。イギリス人やフランス人に言っても理解されませんでした。
※「暑い夏にホラー映画で納涼」。
これも日本だけの風習のようです。イギリスでホラーはなんといってもハロウィンのころ!
あんがい効きます♪
13.ナイトウェアはコットン!
体感温度を下げる方法13が、「綿素材の服で寝る」です。
寝苦しい夜に何を着て寝ますか?
キャミソールやランニング?・・もしかして裸!?
しかし、睡眠中にかく汗の量は(コップ1杯分)といわれています。
裸など肌の露出が高いと汗を吸いとるためのクッションがなくなり、汗は直接シーツへ。ベタベタになったシーツが余計に不快で眠れなくなったりもします。これでは逆効果!
コットン(綿)は、通気性に優れ、吸水、保湿効果も高く、夏のナイトウェアに最適の素材。
風通しが良いガーゼ素材だとなおよし。ゆったりした体を締め付けないものを選びましょう。
日本では涼風素材のパジャマの品揃えが半端ないですよね。イギリスはコットン100%のパジャマは手に入りやすいです。
14.寝る前にシーツを冷やす・冷感シーツを使用する
体感温度を下げる方法その14が、「シーツを冷やす」です。
イギリス人に強くすすめられたのが「シーツをまるごと冷凍庫で冷やす」という方法。
イギリス人にとっては快適な夜のためにベットシーツをまるごと冷凍庫で冷やすことは容易なのかもしれません。
冷凍時間は、約10分ほどで十分だそう!
■日本なら、接触冷感シーツが充実しています♪
丸洗いOK、防ダニ、防臭加工、抗菌、いたれりつくせりの接触冷感シーツは、夏の必需品。いろいろみましたが、この商品がコストパフォーマンスがいいですね。
15.冷たい飲水をベッドサイトに準備
体感温度を下げる方法その15が、「冷たい飲料水を近くにおいて寝る」ことです。
暑い夏の夜には夜中に何度か目を覚ますことがあります。
ベッドサイトに水を用意しておけば、急に目覚めても水を飲むことで口の中と体の乾きを癒やし、冷静さを保つのにも役立ちます。
さらに暑いと感じたら、その水をパシャパシャ!と少し自分の体にかけてしまいましょう!
吐き気や頭痛、ひどい倦怠感など熱中症のような症状があれば、水分にくわえ、塩分が必要です。
16.ペットボトルを凍らせる
体感温度を下げる方法その16が、「凍らせたペットボトル」です。
これは、部屋の湿度を下げるために有効です。
扇風機(ファン)と凍らせたペットボトルをで湿度を下げる方法
準備するものはこちらです。
・凍らせたペットボトル(1~2リットルで8分目の水量)
・うけ皿(水滴が落ちる)
・扇風機(ファン)
②扇風機の前に 凍らせたペットボトルを置き、スイッチON!
③ペットボトルに水滴がつく(=部屋の湿度)ので、定期的に拭き取るか受け皿に水が溜まってきたら定期的に捨てる。
(水滴をそのままにすると空気中に蒸発してまた湿気の原因となります)
例えば、冷たい飲み物のグラスに水滴がつきます。これが空気中の水分(=湿気)なんだそう。
なんか、、書いてて面倒くさってなりました。簡単な方法だと、凍らせたペットボトルをウケ皿の上においておくだけでもOK。
※海外の乾燥した暑さでは?
日本とちがって、乾燥でのどがヒリヒリして眠れません。
逆に、「水をいれたコップを置く」「濡れたタオルを部屋にかける」「洗濯物などを屋内に干す」など、乾燥を防ぐ方法が有効です。
まとめ
以上、「熱帯夜にエアコンを使わず熟睡する16の方法」を紹介しました。
今回紹介したクールダウンの方法は、古来から伝わるものと、科学的根拠や医療、電化製品会社の研究に基づいたものを選びました。
日本のむし暑い熱帯夜、海外の熱波による乾燥した暑さ。。
どちらの夜も、暑くて熟睡できないのは同じです。
また、どちらも一番心配されるのが、熱中症です。
熱中症は 気温が高い場所に長時間いることによる健康被害です。体内の水分・塩分バランスが崩れ、体温の上昇、めまい、吐き気、頭痛、体のだるさ、けいれん、意識障害などを引き起こす大変危険な病態です。
この記事が熱帯夜のクールダウンの参考になれば嬉しいです。
快適なリモートワーク環境をつくるためのアイデアも参考になります。すこしでも快適にすごせる工夫をしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。