イギリス式:インフルエンザを自力で治す6つの方法

風邪 ドリンク 健康

 

イギリスからこんにちは。イギリス在住アルノ(@ecerydayuk)です。

先週からずっと風邪を引き、一時は39度まで熱が上がり、咳き込みも悪化して体調を崩していたわたし。前回は、風邪・インフルエンザを予防するための4つの方法を紹介しました。

たとえインフルエンザでも、イギリスのかかりつけ医(GP)に行ったところで、言われることはわかっています。

「パラセタモール(解熱鎮痛剤)を飲んで、しっかり休んでね。」

・・・もし喉の痛みを訴えたら?

「喉の痛みにはハニーよ」

すでに経験済みです。そのため、イギリスでは一般的な風邪やインフルエンザでは病院へは行きません。

でも、私はイギリスで体調を崩すたびに「GPに行ってもしょうがない」というイギリス医療への失望の感覚から、逆の「ある気持ちの変化」が芽生えました。

「確かにイギリスのGPのドクターの言うとおり、あんなにひどかった咳も体調不良も日にちがたてば治っている。自分の中の免疫システムがちゃんと働いている!」

今まで薬!薬!と頼っていた私がおかしかったんでは??

そう思うようになってから、体調の変化を自分でコントロールする術を模索しはじめました。

今では、解熱鎮痛剤の力をかりるなど対処療法としての薬は使いますが、シンプルな方法で自分の免疫力で治癒してしまいます。

風邪には抗生剤は効かないことを理解する

薬 抗生剤

イギリスでは風邪で抗生剤は処方されません。これはイギリスの一般常識。

しかし、抗生剤に慣れきっていた私は、イギリス移住当初、まったく抗生剤を処方しないイギリス医療体制に懐疑心でいっぱいでした。

もちろん薬剤耐性菌の知識もあったし、風邪に抗生剤がきかないということも知っていたにも関わらずです。抗生剤信仰みたいなものです。

すでに常識かとは思いますが、もう一度記載しておきます。

風邪もインフルエンザも、ウィルスによる感染症です。

抗生剤は、細菌に対して殺菌作用の期待できる薬であり、ウイルスには効果がありません

 

抗生剤の大きな問題点

1.薬剤耐性菌の発生は、世界的レベルの問題

抗生物質を使いすぎると、薬剤耐性菌が増え、だんだん効く抗生物質がなくなっていきます。

国境なき医師団」が公開しているYoutube動画がわかりやすかったので、載せておきます。

抗生物質の乱用でいま……【国境なき医師団】

出典「国境なき医師団│

2.体内の必要な常在菌も殺す

抗生物質とは、それぞれの抗生物質が得意とする菌を殺す薬です。抗生物質を使うべき細菌感染症は、細菌性髄膜炎、細菌性肺炎、溶連菌感染症、百日咳、大腸菌などによる膀胱炎、とびひ、マイコプラズマ感染症などがあります。

抗生剤は菌を殺す=善玉菌も(例えばビフィズス菌)悪玉菌も関係ありません。そのため、常在菌のバランスが崩れた結果、免疫力が一時的に下がることもあります。(例:カンジダを発症など)

 

日本でも2017年に厚生省が、全国医師にむけ抗生剤使用の手引書を作成(2017年6月)しました。(「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版」)

抗菌薬の不適切な使用を背景として、薬剤耐性菌が世界的に増加する一方、新たな抗菌薬の開発は減少傾向にあり、国際社会でも大きな課題となっています。
2015年5月の世界保健総会では、薬剤耐性(AMR)に関するグローバル・アクション・プランが採択され、加盟各国は2年以内に薬剤耐性に関する国家行動計画を策定することを求められました。

これを受け、厚生労働省において、薬剤耐性対策に関する包括的な取組について議論するとともに、「 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 」のもとに、「 薬剤耐性に関する検討調整会議 」を設置、関係省庁とも議論及び調整を行い、2016年4月5日、同関係閣僚会議において、我が国として初めてのアクションプランが決定されました。

今後、「適切な薬剤」を 「必要な場合に限り」、 「適切な量と期間」使用することを徹底するための国民運動を展開するなど、 本アクションプランに基づき関係省庁と連携し、 効果的な対策を推進していきます。

出典 厚生労働省│薬剤体制(AMR)対策について

 

インフルエンザの治療薬について

日本でインフルエンザと診断されたら、タミフル(オセルタミビルリン酸塩)、リレンザ(ザナミビル水和物 )、イナビル (ラニナミビルオクタン酸エステル水和物)、ラピアクタ(ペラミビル)などの薬が処方されることがあります。

これらの薬は、抗生剤ではなく、抗ウィルス剤です。

そして、インフルエンザウイルスを殺す薬ではなく、ウイルスの分裂を阻害することで、ウイルスの増殖を防ぐ薬です。抗ウィルス剤の使用は、感染後どれくらい早く抗ウイルス薬を飲むか(感染後48時間以内)が重要で、感染後に時間がたってから服用してもあまり意味がありません。

タミフルが異常行動を起こすとして話題になったこと、未成年への使用が禁止されたこと、再発の危険性もふまえ、もし医師から抗ウィルス剤を処方されたら、服用の注意点をしっかり守ることが重要です。

 

【イギリス式:インフルエンザを自力で治す6つの方法】

休む ねこ レスト

1.初期に解熱薬を使用しない。飲む時はタイミングをはかる

 

人間には、すばらしい自己防御の免疫システムが働いています。免疫システムの流れは以下のとおり。

  1. 細菌やウイルスが口や鼻から体内へ侵入する
  2. 免疫が異物の侵入を察知する(T細胞)
  3. T細胞からの司令により白血球の一種であるキラーT細胞(殺し屋といわれてます)が作られる
  4. キラーT細胞が細菌・ウィルスを攻撃し、死滅させる
  5. T細胞からの司令により、同時に抗体が作られ攻撃を加勢する

このように、身体の免疫システムが働く中で、感染により発熱しているのは免疫細胞がウイルスと戦っている証拠であり、再発を防ぐための大事な「抗体」まで作ってくれてます!

ウイルスに感染すると、免疫を活性化させるために、脳(視床下部)の体温を調整する機能が作用し、脳から身体に発熱指令が出ています。

熱が出る時に悪寒がして震えるのはなぜ?

筋肉を震えさせて熱を生み出しているため。強いウイルスに感染したときほど、体温は高く設定されると考えられ、一般のかぜよりインフルエンザの方が高熱になるのはそのためです。悪寒を感じたら、身の回りを温かく保つことを心がけましょう。

 

もし、体ががんばって体温を上げ、ウィルスを排除しようとしているところに、頻繁に解熱剤を飲んで熱を下げてしまうとどうなるでしょう?

ウィルスはそのまま体内にとどまることができます。その結果、体内のウイルスを駆除することができなくなり、症状が長引く原因になります。

そうはいっても、仕事や学校・家事があると、倦怠感やだるさを取るために解熱剤を飲まない訳にはいかないときもあります。

そこで・・・?

解熱剤をのむタイミングをはかることが重要です

解熱剤の服用は、熱のピークが過ぎてから飲むようにするのです。

解熱剤のタイミングを図ることで、体の免疫システムを崩さず、効果的に体力の回復を調整することができるのです。

私も熱が出きって、そろそろ下がってきたな、頭痛もするし体が動かない、家事ができない!となったら、イギリス人御用達のパラセタモール(Paracetamol)のお世話になります。
このパラセタモールは、日本のアセトアミノフェンですが、私には非常によく効く解熱鎮痛剤です。

 

2.とにかく休む、睡眠をとる

休む目的は?

□他の人にウィルスを拡散しないため
□ウィルスと戦う免疫システムをサポートするため

 

風邪をひいているときは身体がだるくなって、睡眠をとりたくなります。これは体内の免疫システムが、睡眠を誘発しているからだそう。

しかし、実は睡眠中は体内の免疫力を高めると同時に、ウイルスへの抵抗力が弱まる時間でもあります。特に冬場は部屋の中の気温が下がり、乾燥しがちで風邪のウイルスも空気中に増加しやすくなります。

そこで、寝る前に工夫をすることで、良質な睡眠で体をやすめ、ウィルスに対抗することができます。

【良質な睡眠のための工夫】

・ベッドルームの湿度を保つ
・寝る前のスマホは控える
・遮光カーテンできっちり部屋を暗くする
・体のくびれの部分(首、手首、足首)をタオルなどで温めて眠る

 

 

寝室の湿度を適度に保ち、身体を温めてしっかりと睡眠をとりましょう。

イギリス人は、FLU(インフルエンザ)を疑ったら、素直に休んでいます。会社のために絶対くるぞ!なんて人あまり見かけません。「職場や学校を休んで、とにかく安静にする」これが一番です。

そして、「フレッシュエア!フレッシュエア!」とよく言っています。つまり部屋の換気をこまめに行い、少しなら外出し、外気にふれるようにしているようです。

 

3.こまめに、十分な水分をとる

体力が弱っている時、温かい飲み物がいいか、常温の飲み物がいいか?イギリスの大学でも研究されていますが、確かなエビデンスはまだないようです。
温かい飲み物にはプラシーボ効果があるが、症状の改善に対しては証拠がない。とのこと。確かなことは、どちらにしても、自分の体が欲するもので喉を潤します。
熱で蒸発する水分を補い、身体があたたまり、こころがほっこりできるもの。イギリスで風邪をひいたらよく飲まれているものを紹介します。

1.はちみつレモン(honey and lemon)

ハニーとレモン!これはイギリスでも伝統的な風邪をひいたら飲むドリンクです。
「これがもし治療に役立たないとしても、君を幸せな気分にしてくれるよ」と夫からの一言。
私は喉の痛みが強いとき、はちみつ(マヌカハニーがベター)を舐めてから、レモンとはちみつをいれたホットドリンクを持ってベッドへ直行。わたしの場合、喉の痛みは確実に和らぎます。

2.生姜レモンティー(Ginger & Lemon)

こちらも王道の風邪ドリンク。
体を温め、炎症を抑える作用があり、喉の痛み、鼻づまり、咳にも効果があると言われています。

一番シンプルな飲み方は、スライスした生姜とレモンにお湯をそそぐだけ。かなり刺激的。
私は、面倒なこともあり、生姜ティーのTバックにレモンを絞りはちみつで甘さを調整します。さらに体を温めるには、クローブ、シナモン、唐辛子などの香辛料を入れます。ファイヤー!

イギリス人は、ジンジャーエールを飲んでる人もいます。確かにジンジャーエールを飲むと体の中が一瞬「カッ!!」となります。高熱のとき、冷たいドリンクがほしいときにはよいかな。

3.チキンスープ(Chicken Soup)

イギリス人は、風邪をひいたらよくチキンスープを飲んでいます。
イギリス人の友人は子供のころ風邪をひいたら、お母さんがチキンスープを作ってくれてハグしてくれるのが嬉しかった、と話してました。確かに、体はあたたまるし、滋養がつく気がします!
私は風邪をひくと、長時間キッチンにたてなくなるので、必ず一度は丸ごとチキンのオーブン焼きにお世話になります。チキンをオーブンにいれるだけという簡単さ。その残りのチキンの骨をメインにチキンスープを作っています。野菜もたっぷりいれて圧力鍋で簡単。

イギリスで風邪をひいたとき、チキンさま、さま!なのです。

 

4.LEMSIP(レムシップ)

ホットドリンクにして飲む、イギリスでは有名な総合感冒薬です。
味は、レモン味やブラックカラント(カシス)味があり、甘苦い独特の風味があります。これもパラセタモール配合で、よく効いてくれます。

 

他にも、水でもお茶でも頻繁に口にするようにします。
例えばトイレなどに起きた時は、ついでに水を飲んでのどを潤す、など。水分をこまめにとることを心がけるだけで、喉のダメージを和らげ、鼻のつまりも改善することができます。

4.食べ物は無理せず、食べられるものを

インフルエンザウィルスが体の中に侵している時は、身体の消化機能も低下しています。

そんなときに栄養をつけなきゃ!と無理に食べないようにします。消化機能も弱っているため、悪心、嘔吐、お腹を下すなどの症状がでる場合があります。

食べ物の条件としては、まず身体に負担をかけない消化のよいもの、栄養があり、炎症に効果があるものを目指しますが、結局はその時「食べたいと思うもの」が一番。わたしはオレンジなど柑橘類しか食べれなくなります。

ちなみに、風邪をひいた時、特に必要とされる栄養素は、だいたいこの3つになります。

 【タンパク質】
タンパク質は、体が活動するための必要不可欠なエネルギーとなります。
肉、魚介類、乳製品など。

【ビタミンA】
のどや鼻水の粘膜を作る働きがあるとされる。うなぎ、レバー、牛乳、卵など。

【ビタミンC】
たんぱく質を代謝するため、ビタミン摂取は大事。抗ストレス効果、免疫力を高める効能があるとされる。みかん、いちごやキウィなどのフルーツ、レモン、赤・黃ピーマンなど

 

5.加湿しまくる

空気中に浮遊しているウイルスは、低温と乾燥を好み、高温と湿気の状態では活動できなくなります。そこで、部屋の温度20〜23℃を目指し、湿度を50~60%以上に保つことで、ウイルスを減少させることができるのです。

わたしはリビングルームには加湿器を置き、ベッドルームには「お湯をいれたカップを置く」、「濡れタオルをかける」、「窓を少し開けておく」で換気と湿度の調整をしています。
これを忘れて寝てしまうと、次の朝に喉がヒリヒリ、ガラガラになっています。

湿度さえあれば、ウィルスを抑えられます。湿度調整をがんばりましょう!

 6.対処療法として薬を使用する

高熱・頭痛・喉の痛みは、体の中にはいったウィルスと戦うために炎症がおこります。その結果体温調節中枢を刺激し、発熱。また、のどの痛みは炎症によるものです。

 イギリスで解熱鎮痛剤といえば、パラセタモール。これがよく効きます。日本でアセトアミノフェンと呼ばれるこの解熱鎮痛剤、副作用がほとんどなく、医学的にもとても安全性が高いことがわかっている成分です。

スーパーや薬局などで簡単に購入でき、しかも日本円にして50円ほどと安すぎる価格設定です。わたしは「魔法の薬」と読んでいます。この薬のお陰で家事ができるんです。

咳やたんは、体内で増殖したウィルス、体が異物(ウィルス)を外に出そうとしている結果です。咳もたんもできるだけ我慢せず、体外に排出できるようにしたほうがよいのですが、咳が続くと、のどへ大きな負担がかかります。寝る前に咳止めを飲んでよく眠れるようにする、などの工夫が必要です。

鼻づまりは、 体の中にはいったウィルスと戦うための、腫れによる炎症が鼻づまりです。鼻がつまっていたら眠れません。寝る前に薬で鼻づまりをよくしてからぐっすりと眠れるようにします。

こういった薬を飲むのは、「身体を休めるため」「痛みや不快感を取り除き、身体を動かしたいため」「十分な睡眠をとるため」といったことが目的です。これらの薬が治療薬ではないことを十分に認識しておく必要があります。

サプリメントは亜鉛(Zinc)が効果あり

イギリスではビタミンCやエキナセナ(欧州に昔からある風邪対策のハーブ)の風邪ウィルスに対する効果は 「ほぼナシ」と言われています。実際すすめられていません。

ただ「亜鉛(Zinc)」は効くことが立証されているようです。この亜鉛は、免疫疫機能にも重要な働きをもっていることがわかっており、 DNAなど細胞の修復にも関わっているため、放射能対策にも、話題になりました。

しかし、亜鉛には、悪心や味覚障害などの副作用を起こす場合があります。亜鉛をサプリメントでとる場合は、必ず容量や飲むタイミングを守りましょう。

この亜鉛については、イギリスの風邪・インフルエンザ対策の記事で唯一効果があるサプリメントとしてよくすすめられています。わたし自身は、まだ亜鉛のサプリを試したことはありません。

それでも病院に行く場合とは?(イギリスの場合)

 NHSでは、次の要な場合に病院を受診すべきだと言っています。

7日たっても症状が改善しないとき、
・子供の症状が心配なとき、
・65歳以上のとき
・あなたが妊娠しているとき
・糖尿病や心臓、肺、腎臓、神経疾患などの長期の病状がある場合
化学療法やHIVのために弱い免疫系疾患を患っている場合

 まとめ

 

日本では風邪を引いたら、早く治すために薬を飲む人が多いと思います。

イギリスにはチキンスープやエキナセアのハーブ療法など昔からつたわる風邪を治す方法もありますが、科学的に立証されたことをより実践しているように感じます。人や年代にもよるかもしれません。

私は、イギリスでインフルエンザにかかると、これら6つの方法を実践しています。

 

1.初期に解熱薬を使用しない。飲む時はタイミングをはかる

2.とにかく休む、睡眠をとる

3.こまめに、十分な水分をとる

4.食べ物は無理せず、食べられるものを

5.加湿しまくる

6.対処療法として薬を使用する

 

これが、今までで最も早くインフルエンザを治療するための方法です。イギリスで健康雑誌をチェックしつづけ、人から対策方法を聞いたり、自分で工夫した方法です。

インフルエンザを早く治したい場合に、試してみてはいかがでしょうか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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