ジン&トニックや、マティーニなどカクテルで親しまれてiいる「ジン(Gin)」。
私はイギリスに移住してから、気軽に飲める家庭スタイルでのジン・トニックを楽しむようになりました。
先週末参加したホームパーティでは、イギリス友人宅の手作りバーカーンターに多種類のジンが10本ほど揃えられていて、各ジンのうんちく大会が始まり びっくり!
「イギリス人ってジンに対する情熱がすごい、、!」と実感したパーティでした。
イギリスでは今、若い世代を中心にジンの人気が高まり、蒸溜所の数が急増しています。
それに伴い多種多様なクラフトジンやスーパーの自社ブランドジンも生まれ、イギリスのスーパーの酒類コーナーに並ぶそれは美しいジンボトルに心踊ります。
あなたもこのイギリスを代表する蒸留酒、ジンを深く知ってみませんか?
1.ジンとは?
ジン(英語:Gin)とは、小麦や大麦、ジャガイモなどの穀物を原料とした無色透明の蒸留酒で、ドライな香りを演出するヒノキ科のジュニパーベリーを中心にした香りづけがされています。
ジュニパー(ネズの木)がジンの最大の特徴であり、魅力です。
ジンはドイツやオランダでも造られていますが、イギリスはいまやジンの主流と言われるドライ・ジンの主産地です。
多くの日本人が考えるジンとは、このイギリスのドライ・ジンを指しています。
また、アルコール度数は、銘柄によって異なりますが、だいたい40~48%と高いです。飲み過ぎには要注意ですね。
「ロンドン・ドライ・ジン」って知ってる?
「ロンドン・ドライ・ジン」とは、ひとつの製法によって作られたジンの総称です。これは単式蒸溜器による雑味の多さを大幅に改善する 「連続式蒸留器」の発明によって19世紀に生まれました。この製法によりイギリスのジンの口当たりが軽くなり、今のドライ・ジンにつながります。
現在はある一定の決められた製法に基づいて造られたジンを指しています。
私はロンドン・ドライ・ジンって、てっきりロンドンで製造されたジンのことかな?と勘違いしていました。
ジンの味の特徴は?ゆっくり味わおう
ジンを飲むとき、、そのドライでさわやかな植物系の香りをまず感じます。
すっきりさわやか~!
この植物の独特な香りが、ジンの特徴であるジュニパー・ベリー(ネズの実の種子)です。
この項目の見出しの写真の赤い実ですね。
このジュニパー・ベリーは、酸性老廃物を除去する健康によいハーブだと言われ、痛風やリウマチなどの関節炎を改善薬として西ヨーロッパ各地で浸透していました。
ジュニパーの他にもレモンやオレンジピール、シナモン、甘草なども風味として加えられ、口当たりは「すっきり」しています。
私は、この独特の香りとスーっとした味わいが大好きです。
ジンの歴史を知り、ますます興味を掻き立てられる
※写真はWikipediaより引用しました
先週のパーティのあとから、ジンにますます興味を持ったわたしは、ジンの歴史について調べてみました。
ジンの誕生についてはまだ定かになっていない部分もあるものの、現在の有力説は11世紀イタリアの修道士によって作られたという説。
そういえば、修道士っていつもお酒製造してますよね。ワインも有名です。
そして、オランダへ。1660年にオランダの医学部教授によってジンの起源となる薬酒(解熱、利尿作用)が作られますが、これが美味だっため一般に普及。
1689年、オランダ貴族だったウィリアム公が当時のイングランド国王(ウィリアム3世)として迎えられた際に この薬酒がイギリスへと持ち込まれ、イギリスに広まったとされています。
18世紀には、イギリスではビールやワインは関税が引き上げられたことで高価な飲み物となっていました。
代わりに労働者が手にしたのが、関税が安く すぐに酔える強いお酒のジンです。
ロンドンは安いジンでてっとり早く酔っ払う人で溢れ「ジンクレイズ」(Gin Craze│狂気のジン時代)と呼ばれる不名誉な時代を迎えます。
「ジン横丁」なるものがあらわれ、アルコール中毒患者や泥酔者も激増しました。
上の絵画は、この頃の様子を描いた風刺画「Gin Lane」です。
1721年画家のウィリアム・ホガース (William Hogarth)による木版画には、スラム地区だったGin Laneの絶望、死、腐敗がシーンに広がっています。
この絵が当時の風刺なら、かなり退廃した世の中ですよね。
ジンによって増えた中毒者が犯罪を増やしていることを現しています。 あっちこもっちも飲んだくれだらけ。。
ジンは俗名「Mothers Ruin(母親を堕落させる)」と呼ばれるようになっていました。
当時母親がジン飲みたさに育児放棄、子供を売り飛ばして人を手に入れる、などアル中母親が続出しました。
それから、「ジン法」の成立、「ロンドン・ドライ・ジン」の誕生を経て、ジンは洗練されていきます。
アメリカに渡ったジンは、カクテルベースとして一気に人気を博し、カクテルブームを牽引し、そして世界的な蒸留酒として成長していくことになりました。
現在は、イギリスの若者を中心に洗練された人達がたしなむお酒として流通しているイメージの強いジン。
今は洒落たイメージのジン、昔は労働者階級のための、安くてすぐ酔えるお酒だったんですね!これは驚きでした。
ジンカクテルを楽しむ女王陛下
エリザベス女王(エリザベス2世)は毎日どんなに忙しくてもカクテルやワインを嗜む時間を作り、習慣にしているそうです。
「エリザベス女王のジンの楽しみ方」、それは…?
まず昼食前のアペリティフに、ジンで割ったデュボネ(ワインがベースのお酒)のカクテルを1杯。
そしてディナーの前にはドライ・マティーニを一杯。
ちなみにエリザベス女王が王室御用達として認定しているのは「ゴードン&タンカレー」です。
女王陛下はお酒強いんですね!なんだかかっこいいです。
また、イギリスの首相だったウィンストン・チャーチル、アメリカの大統領だったフランクリン・ルーズベルトがジンを愛飲していたことでも有名です。
イギリス人が実際に飲んでいるジンのおしゃれで簡単なカクテルのつくりかた(ジン&トニック)
ジン&トニック レシピ
ジンベースのカクテルは私が好きなものだけでも…
- 通称カクテルの王様「マティーニ」
- ピンク色がかわいらしい「ピンク・レディ」
- シンガポールで生まれた「シンガポール・スリング」
- オレンジジュースでつくる「オレンジ・ブロッサム」
- 紅茶がはいっていないのに紅茶の風味がくせになる「ロング・アイランド・アイスティ-」
- ジンジャーエールでつくる「ドラゴンフライ」
…など、かなり多くの種類があります。
その中でも、ひときわ知名度が高く、自宅で気軽に楽しめ、かつアレンジがしやすいカクテル。それが「ジン&トニック(Gin and Tonic)」です!
これさえ抑えれば、自宅で気軽にジンを楽しめます。
美味しく飲むためのコツだけが必要です。コツを抑えて、自宅で気軽に思い思いのアレンジで楽しめるのが、ジン&トニックの素晴らしさ!
<用意するもの:基本>
■グラス:お好みで
■柄の長いスプーン
<材料>
■お好みのドライ・ジン
■トニックウォーター(冷えていること)
■氷
※量は (ジン1✕トニックウォーター3)が目安です
上記の基本のレシピに、さまざまなフルーツやハーブを加えてあなたらしい一品を。
<もうひと手間でさらに美味しくのむ方法!ジントニックカクテル>
■ライム(レモン)とミント
切ったライム(レモン)を最後に飾るのは、王道の美味しさ。ミントでリフレッシュできます。
■ローズマリーとベリー類をくわえる
しそ科のローズマリーのフレッシュで強い香りが刺激的で、ベリーの甘くて華やかな見た目がパーティにもおすすめです。
■きゅうりの輪切り
意外にすごくGinときゅうりが合います。うちではしょっちゅうコレです。Ginの種類にもよりますが、試す価値あり!
■キウイ
キウイの角切りを入れます。キウイの甘酸っぱさがジンと合う意外な美味しさ。
<ジントニックの美味しい作り方とコツ>
①まず最初にグラスに氷をいれ、それからジンを注ぎます。
(量はジン1/トニックウォーター3が目安)
②冷えたトニックウォーターを注ぎ、1回軽く混ぜます。
この時のコツ! かき混ぜすぎは炭酸の気が抜けるのと氷がとけてしまうため厳禁です。バースプーンがなければ、柄の長いスプーンで軽く一度だけ回します。
まとめ
以上、私がイギリスで暮らしてからすっかり常備酒となった「ドライ・ジン」についてその特徴や歴史、イギリス人が実際に自宅飲みしているレシピなどを紹介しました。
元沖縄でバーテンダーをしていたこともあり、お酒の歴史や秘められた物語を知ることは 本当にたのしい。
イギリスに来たら、バーに立ち寄り、ぜひ多種多様なドライ・ジンを飲んでみてください。
また旅行のお土産にジンのうんちく話とともにプレゼントしても喜ばれます。
▼イギリスで実際に人気があるジンTOP10についてこちらの記事で執筆しています。ジン・トニックを家庭でのめるしあわせ♪(別サイトの「英国良品」に移動します)
今イギリスで熱い人気のイギリスのドライ・ジンについて、この記事で興味を持ってもらえると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
「チアース(Cheers)」!!