息子は5歳からイギリスのシュタイナー学校でシュタイナー教育を受けています。
シュタイナー教育とは、哲学者ルドルフ・シュタイナー博士(1861-1925年)によって提唱された教育方式。
現代の多くの国でおこなわれているテストだらけの詰め込み式教育とは異なり、「自分の意思によって行動できる」人間づくりを目指し、幼児期から高校くらいまで長期間における一貫教育が施されます。
私は息子をシュタイナー校へ入れるべきか迷っていたころ、シュタイナー教育についての記事をネット検索や本で調べまくりました。
しかしなかなか「これだ!」と思う記事にめぐりあえなかったのを記憶しています。
シュタイナー教育の体験者ということがすでにレアなのかもしれません。
ということで、、
イギリスで「こどもがシュタイナー教育をうけた経験」を共有すべく、シュタイナーがどういった教育なのか、息子とわたしのシュタイナー教育の実体験の感想をメリット・デメリットも含めて述べてみます。
自分の子供にもうけさせてみたい、シュタイナー教育って何?と興味をもっている方の参考になれば幸いです。
※あくまでも、アルノの個人的見解です!
イギリスのシュタイナー教育事情
シュタイナー学校は、日本もそうであるようにイギリスでもプライベート(私立)学校となり、高額の教育資金が必要になります。
わたしの知り合いの英国人シュタイナー一家は、プライベート(私立)シュタイナー校で高額の学費を払い、常に学校への寄付や親のボランディア活動も必要だったと言っていました。
しかーし!私達一家はごくごく普通の家庭。
プライベート学校に息子を通わせる余裕はありません。
なぜ私達が息子をシュタイナー学校へ入れることができたかというと、、、
英国政府によるシュタイナー教育の公立学校の取り組みによるものでした。
現在イギリスに数校ある「公立のシュタイナーアカデミー」が公立のシュタイナー校となります。
イギリスの一般的な公立校の教育方法は、キーステージと呼ばれるステージ(学期)ごとの教育概要とテストによる詰め込み式とも言える教育体制です。
公立の小学校はYear1(イヤーワン)の6歳から始まります。
普通の小学校は、Year6の11歳で終了
次はセカンダリースクール(日本の中学校)が、Year7の12歳からYear10の16歳で卒業となります。
ところが!
シュタイナー校は、このイギリス流のカリキュラムとは異なる教育体制をとっています。
勉強らしきものがはじまるのがClass1(クラスワン)といわれるクラス、しかし公立校ではYear2の年7歳。
「7歳までは自由に自然のなかで遊ばせる」がシュタイナーの方針なのです。
そして、そのままClass11(16歳)までエスカレーター式でシュタイナー教育を受けていくことになります。
セカンダリー(中学)の時期だからと学校探しをする必要もなく、シュタイナー教育にどっぷりとつかってこどもたちは自然に親しみ穏やかに、そして非常に自由でクリエイティブな雰囲気の中で育ちます。
シュタイナー教育体験、その特徴と感想17項目!
1.クリエイティブな人間に成長
こどもたちは、体も精神も自由を謳歌します。シュタイナー教育で培われた自由な発想は、絵画やクラフト、音楽の創造性の高い場所で才能を開花させます。
私は 週に1度、ハンドクラフトの時間にクラスアシスタントをしていた関係で、シュタイナーのクラスメイト達の絵や編み物や工作品を見る機会にめぐまれました。
シュタイナーのこどもたちが作るのは、天然のビーワックス(蜜蝋)クレヨンをつかって自由に書く想像上の生き物の絵や、にじみ絵とよばれる優しい彩色の水彩画、自然の素材を使った工芸品など、あたたかい温もりを感じる美しい作品です。
そして、日本で教え込むような「はさみの使いかた」「紙の切り方」「あみものの編み図」などのマニュアルらしいものが全くありませんでした。
例えばわたしが折り紙を教えるとき、紙を折れないこどもがおおい。しかし、いちど教えると次には、ぐちゃぐちゃでも自分で考えた作品をつくりだしてくる、そんなことが多かったです。
マニュアルがない分、時間もかかるし教える側は苦労します。たぶん教えられる側も苦労するでしょう。
しかし、「自分の創造で作ったものは、マニュアルをいとも簡単にすっとばす」と、シュタイナーではじめて私は実感しました。
2.五感を使い、すべての教科を関連付けて勉強する
五感を使う。
例えば、シュタイナーではアルファベットを覚えるとき、体を動かしながら(ダンスのように)体全体をつかって覚えていきます。踊るように歌うように、物語をよむようにアルファベットを覚えていくのです。
ふしぎ世界です。
そして、基本的に7歳までは体や手足をつかった遊びが中心、それぞれのこどもが勉強に対して準備が整うとされる8歳から本格的ラーニングが始まります。
そして、科学や算数、英語、フランス語、、、、すべての教科をリンクさせ体とこころ、あたまをつかい、実体験を積み重ねながら学んでいきます。
それぞれのこどもの個性に合わせて調和させていく、それがシュタイナー教育の真髄です。
3.スクールランチはオーガニック
英国の公立学校と同じく、1食2.5ポンドほどで給食(スクールディナー)をオーダーできます。
シュタイナー校では、食材も自然天然を推奨しているため、給食の肉や野菜、フルーツ類などオーガニック素材を使っています。そのため親も安心して子供の食事をまかせることができます。ありがたい!
そして、すべて美味しいそうです(息子いわく)!
わたしたち親子にとっては、非常にありがたい「オーガニックの給食」ですが、パックランチという日本でいう「お弁当」を持参するこどもも多かったのが印象的でした。
イギリスでは好き嫌いが多いからなのかもしれません。好き嫌いのあるこども用に学校ではか必ず「ジャケットポテト」がサブメニューにあります。
4.9年間ずっと同じクラスメイト
息子は一人っ子ですが、イギリスの子どもたちは一人っ子より2、3人兄弟がいるのが普通です。(ここがデボンの田舎だからかもしれません)
アルノ家は、一人っ子ですが、シュタイナー校では年齢に関係なく友達をつくってきています。息子の友達に多かったのが2歳年上のお兄ちゃん達。そして、9年間ずっと同じクラスメイトと学ぶため、まるで兄弟のように親密な関係になります。一人っ子の息子にはありがたい、貴重な体験です。
反面、デメリットもあります。
もしクラスの中で友達がつくれなかったり、なじめない場合は、苦痛でしょう。
息子は入学時は英語がまったく話せなかったので、最初友達作りにとても苦労しました。
5.9年間ずっと同じ担任の先生
小学校から高校まで、担任教師が変わることなく一人の先生による一貫した教育がおこなわれます。これは日本ではありえないことですよね?
先生との相性もあるでしょうが、そのこどもの持つ特異性を引き出すには長い期間見守り、成長をサポートしてくれる先生がいるのは非常に心強い。
わたしの息子のクラス担任の先生は、日本文化に理解があり、年に一度日本のお祭りを開催してくれたり、わたしをボランティアでクラスのアシスタントの仲間入りさせてくれたり、折り紙を教える機会をあたえてくれたり、と言葉にはならないほどのサポートを受けました。
しかし、反面 先生とこどもや親の相性が合わない場合は、最悪でしょうね。
6.家族ぐるみの付き合い
「仲のいいクラスメイトとの家族ぐるみのお付き合い」
クラスの一員になれば、親のコンタクトツリーにリストアップされます。
クラスメイトの名前、親の名前、連絡先、住所が誰でもわかるようになっています。また、フェイスブックで親のコミュニティページもつくられ、そこで例えば誕生会の連絡やニュース、質問などを自由に書き込むことができます。
わたしは、息子の友達作りのサポートに、週に一度はクラスメイトのこどもを家によんで「プレイデート」をしていました。
プレイデートをすれば、相手の家からもプレイデートのお誘いがあり、こどもたちはお互いの家の環境や親とのコミュニケーションを持つことができます。親同士も同様。お互いをより深くしることができるしくみの中で育っていきます。
私も、クラスメイトの家庭環境はだいたいわかっていたので、息子を安心してプレイデートへ引き渡すことができました。
公立校でここまでクラスメイトの家族と親密になれるでしょうか??
答えは否。イギリスでは一般的にクラスメイトの名前でさえ、共有することはプライバシーポリシーに反するということで教えてくれない学校が多いとのことです。
また、セカンダリー(中学)で学校が変わる可能性も大きい。シュタイナーの「小学校から高校まで同じクラスメイト」ということがクラスの家族間の絆を強くしています。
7.テストは極力しない
テスト?なんですかそれ。
そんなことしてどうするんですか?
しかし、いくらシュタイナー校といっても公立である限りイギリスの教育カリキュラムに乗っ取る必要があります。
Year 2(6~7歳): Key stage1 SATs (サッツ)
Year 6(10~11歳): Key stage 2 SATs (サッツ)
Year 9 (13~14歳): Key stage 3 SATs (サッツ)
Year 11 (15~16歳): Key stage 4 GCSE (ジーシーエスイー)
しかし、このイギリスで行われる全国統一テストは大きな問題を抱えています。
反対意見としては、「子どもに多大な不安とプレッシャーを与える」、「授業がSATs対策になる」、「先生の負担が大きい」など。
シュタイナー校では、Year2のSATsテストは行われませんでした。まぁまだ本格的な勉強もスタートしてないですしね。
日本人のわたしから見ると、たったこれだけのテスト?と感じなくもないですが、日本とイギリスのテストの違いは、イギリスではその結果が人生においてずっと追いかけてくることです。このシステムにおけるこどものプレッシャーは相当なものだろうし、親も先生も学校も相当な負担になるのです。
だいたい一般のイギリス人のメンタルは弱めですし。(わたし個人の見解です)
シュタイナーはテストに頼らない学力づくりをする、それは、イコール=どうやってこどもに教えるのか?先生の裁量が非常に大きくなります。
8.自然に寄り添う生き方を学ぶ
これは最高に貴重な教えでした。
まずシュタイナー校で使うものが、基本天然素材のものです。
衣料であれば、オーガニックコットンや麻、ウールが準備され、庭のりんごや各家庭から持ち寄った野菜などで収穫祭が行われます。それはもう美味しい世界観。
学校のお祭りも、イギリスによくありがちなキリスト教関連のものではなく、キリスト布教の前のイギリスやヨーロッパに古代から伝わる四季のお祭りが開催されます。
8歳でスクールトリップがありましたが、いきなり2泊のキャンプ。しかもがっつり野性的な本格的キャンプで自然の中で思いっきり楽しんでいました。
それと関連し、パソコンもテレビもポケモンもスマホもネットも電子レンジなども子供に触れさせたくない親が圧倒的に多いのもシュタイナーです。
自然とどう付き合うか、科学的なものをなるべく排除した生き方を家族全員が体現できます。
9.まわりから「奇異の目」で見らる
「なぜシュタイナーに行かせるのか?」「子供のためになるのか?」など批判や疑問視されることも多いのが現実です。
イギリスで「息子をシュタイナー校に通わせている」と言ったとたんに、「あんな学校に」とか「何がいいの?」など、「変わり者」扱いされシュタイナー校に好意的な意見は少なかったように感じます。イギリスでもそうなんですから、たぶん日本で「シュタイナー校にこどもを通わせています」というと世間一般に受け入れられているとは思えません。
シュタイナー校に好意的な意見のある人は、だいたい家庭が自然思考だったり、教育に関心の高い人だったり、、が私の感想です。
10.クラスメイトはシュタイナー一家である場合が多い
私達家族は、シュタイナー教育に詳しいわけでも、どうしてもシュタイナー教育を受けさせたいわけでもない、ごく一般的な家族。
「近くにシュタイナー校があり、もともと興味があったし、いいチャンスだと思いいれてみた」って感じの軽いノリでした。
夫はフランスの公立校卒業、わたしも日本の公立校卒業。そろって詰め込み式教育を受けています。
しかし、クラスメイトの家族は、親もその前の代もシュタイナー教育を受けている家庭が多く、シュタイナー教育を知り尽くしている家族が多かったのです。
また、シュタイナー一家は、医師や大学教授を親にもつ家庭が多く、一般的なイギリス人家庭と比べ、裕福な印象を受けました。田舎の広い庭のある大きな屋敷に住み、テレビなし、にわとりを自宅で飼っている自然な暮らしをしている一家。ボランティア活動も活発に行っている家庭が多かったです。(すべてのシュタナー一家がそうであるわけではありません。)
11.かなりスローな教育
日本の教育を受けて育った人なら誰でもこの壁にぶつかるでしょう。
教育のスピードが かなーーーーりスローに感じるはずです。
他の公立校に通う友人のこどもたちが、英語の本を読めるのに、シュタイナーではアルファベットがやっと始まったところ、といった具合にかなりの差があります。
なぜそんなスロースペースで教育が始まるのか、シュタイナー教育を深く理解していなければ、この壁にぶつかって離れていくことになります。
これを理解し、シュタイナー教育を信頼していれば、7歳まではとにかく からだ・手足を動かし体を育てる時期なのだと感じることができます。この時期に他の学校のこどもたちと比べないことも重要です。
人間の成長の段階を「7年」ごとに分けるシュタイナー教育の考え方
●0~7歳 …「からだ」を育てる時期 :全身運動、手足をうごかす時期
●7~14歳 …「こころ」を育てる時期:豊かな感情をはぐくむ時期
●14~21歳 …「あたま」を育てる時期:思考力を発達させる時期
12.こどもたちの態度が基本的に自由
「自由」とはよい言葉で表現してみましたが、ぶっちゃけ息子のクラスの授業態度は、「そうとう奔放でした」です。
クラスのアシスタント中、「こりゃ学級崩壊レベルだな」と何度思ったかわかりません。
机の上に座る子、先生の指示に罵倒で返すこども、いきなり走り出すこども、授業を全く聞かず机の中にいれているおしゃぶりのようなものを噛み噛みするこども、他のクラスメイトに乱暴をするこども、、、、
これは、低学年の時期に見た光景で、8歳のクラスでは収まっています。
しかし、低学年時のクラスの様子を見たわたしは、とにかく驚きました。
まず、こどもたちが先生を全くリスペクト(尊敬)していない!そして、先生もあまり強く言えない状況。これはイギリスの教育システムにも問題がありますが、シュタイナー校はそれぞれの個性を重んじるあまり、ひとりひとりの悪態に対しての効果的な対応策がとれていないように感じました。
息子は、ひとりせっせと先生のお手伝いをし、クラスを掃除し、おとなしめの子やスポーツが得意でも理知的な子たちと一緒のグループでした。
悪態をつくこどもも、おとなしいこどもも、授業を妨害するこどもも、プレイデートをしてみると、「普通にいいこ」なんです。わたしのシュタイナー7不思議のひとつです。
13.みんなシャイなん?
シュタイナー校で、すごくびっくりしたことがあります。
それは、「あいさつをしない」ことでした。
親もこどもも、挨拶をしてくれません。笑顔さえなかなか見られません。。
日本での息子は「大きな声であいさつのできる すがすがしい子」と言われていて、本人も挨拶をするのが大好きでした。
しかし、はじめての登校で会う人、会う人に大きな声で母子で挨拶をしても、「し~ん」。。
「え?聞こえなかった??」
まわりを見渡せば、みんな挨拶をしあっています。「この挨拶をしない」不思議はずっと続きますが、わたしの出した答えは、
「めちゃくちゃ気持ちが通じている人だけに、挨拶や笑顔をむける」
のが、シュタイナー式だと今は考えています。
だって、イギリス人に「イギリス人は学校で挨拶しないのか?」と聞いても「挨拶はだいじでしょ」と返答が帰ってくるし、夫に聞いても「イギリス人は、シャイだから」とか「イギリス人は知らない人にむやみに挨拶はしない」と言われます。でも本当にそうでしょうか??
イギリス人でも人間ですよ。っていうのが私の見解。
相手が挨拶や笑顔をむけてくれなくても、「何あのアジア人へらへらして」と思われようとも、わたしたち母子は積極的に挨拶しまくっているのでした。
挨拶の押し売りですね。。
とにかく、シュタイナーは開放的である一方で保守的な一面をもっています。
14.ポケモンカードは禁止、スマホも禁止
息子は、ポケモン大好き!
家の中は日本とフランスの祖父母からもらったポケモンのおもちゃやカードであふれています。
しかし、シュタイナーではポケモンカードを学校に持っていくことは禁止(どの小学校でもそうなのでしょうか?)、親もポケモンを嫌がります。
また、テレビがない家が一般的で、ポケモンも他のこども番組もみたことがない、という家庭が多いのです。
また、パソコンやスマホもNGです。
「学校全体でネット回線がつながる」、というニュースが流れたときも、「学校にネットはいらない!」「こどもの健康に悪影響がでる」などの反対意見が出されていました。
でも、そんな反対意見をいう人にかぎってフェイスブックの更新頻度が頻繁だったりするのがわたしにとっては不思議でした。
どういうことーーーー!??
15.身につける服やバックは超シンプル
シュタイナーに入るときにとても困ったのが、服やバック。
服にキャラクターやブランドロゴ(小さいものはOK)や英文字が入っているのはNGです。
しかし、イギリスであっても服にキャラクターやロゴが入っていない服を探すのがむずかしかった!
今では、だいたいキャラやロゴなしのブランドがだいたいわかってきたので、それらを選べばOKです。日本だと、シンプル路線のオリジナルブランドやユニクロ、無印良品の服などがOKですね。
最初は苦労したロゴなし服やバックですが、いざそれらを身につけると、いかに自分たちの以前の生活がブランドロゴだかけだったのかわかりました。
キャラクターやロゴや文字が入っていない服を身に着けているこどもは、とてもかわいらしく美しく見えます。おすすめです。
※シュタイナーの指すNGキャラクターとは、例えばポケモン、ミッキーマウス、アナと雪の女王などの一般的に知られる人気キャラクターのことです。
普通の動物の絵や恐竜、フルーツや女の子の絵柄などはOKです。
16.イギリス人家庭が圧倒的に多い
イギリスは、多民族国家です。
ここ、イギリスの田舎デボンでも アラブ系、インド系、中国系、他のヨーロッパ系(最近多くなってきたのがルーマニアやブルガリアなど東ヨーロッパ人)は特に目立つ存在で、生活の中で普通に多国籍な国だなぁと感じます。
そんな国なので、公立校にいけば、よほど田舎でないかぎりクラスメイトに一人や二人や三人、いやそれ以上の「イギリス以外」の国の家庭のこどもと一緒になります。
しかし、シュタイナー校においてはそれらの他民族感がぐっと減少します。
例えば息子のクラスでは、アジア系は息子一人、他の子も片親が他のヨーロッパ(ドイツやスペインなど西ヨーロッパ人)という子がいても、多くはイギリス系の家庭でした。
学校全体をぐるりと見渡しても、アラブ系はまったくいないし、インド人家族や中国人家族も全校で1家族ほどの割合で、希少的存在になります。
圧倒的多数のイギリス人家族、わたしは正直さびしかったです。
息子は入校当初はまったく英語がはなせず、友達作りにとても苦労しました。
徐々に友達と信頼関係をつくり、クラスの中心的存在になるまでになりましたが、そこに到達するまでには 「息子の英語の上達」「わたしがクラスアシスタントになる」「日本の文化を知ってらうために日本祭りをする」「折り紙を教える」「頻繁にプレイデートに誘う」「友達からさそわれた誕生会はほぼ毎回参加する」、などの努力をしました。
楽しくもあり、精神的につかれることでもありました。
17.シュタイナー校の卒業生
シュタイナーを卒業したら、その後はどうなるの?みんなどんな人生を送っているの?
これは、わたしも非常に気になることでした。
わたしが知っているシュタイナー校の卒業生の姿を紹介します。実際に出会った人、卒業性からクラスメイトの職業を聞いたりしたもの、有名人などの職業リストです。
●イギリスで公立小学校の先生
●ジャーナリスト
●作家
●シュタイナー校の先生
●NASAで働いている
●ジュエリーデザイナーとなり自分のお店を経営
●ハリウッドの有名人ではジェニファー・アニストン
●日本の俳優では斉藤工(さいとう たくみ)
シュタイナー卒業生の友人の言葉をつづります。
「シュタイナーの卒業生はみなクリエイティブな道をすすむ。クラスメイトで普通のサラリーマンになった人はひとりもいない」
シュタイナー関連のおすすめ本
シュタイナー教育を芯に理解するのは難しいです。
ルドルフ・シュタイナーの提唱した『神智学』を理解しなければ先にすすめないし、心理学や超感覚、神秘思想などの理論もあたまにいれておかなければ、途中からシュタイナー教育についていけなくなってしまいます。
最初は、すこし難しくてもぜひシュタイナー自身が書いた本を読んでほしい。実際にわたしがたくさんのシュタイナー関連本を読んだ中で、おすすめの本を紹介します。
■
■シュタイナー教育で重要視されている『アート』。この本はお絵かきを通してこどもの完成を磨く方法、手法がわかりやすく解説されています。おすすめ。
■
このクレヨンで描く絵は、本当に、なんというか、、なんともいえず柔らかい独特の色味で表現されて、ただグルグル書くだけでも美しくなるんです。私たち親子もずっと愛用しています。
まとめ
シュタイナー教育を実際に体験したことのある人物のブログがなかなか見当たらなかったので、今回は実体験をもとにシュタイナー教育の特徴と感想を記事にしてみました。
この体験や感想は、もちろんシュタイナー校や同じ学校であってもクラスによって意見が異なるはずです。あくまでも わたしの息子の学校の・息子のクラスの・アルノ個人が感じたこととして気楽に読んでください。
ちまたでは「あやしい」だの「うさんくさい」だのいわれるシュタイナー教育ですが、実際にその教育を息子に受けさせてみると、こどもの自由意思を育てる教育理念だということを理解することができました。
「テストで良い点がとれるこどもづくり」ではなく、
「こどもが自分で自由に行動できる人間づくり」がシュタイナー教育です。
また、アートや音楽、演劇など芸術的な面が秀でているこどもに非常にあっている、とわたしは感じます。
シュタイナー教育を熱く推奨するわけではありませんが、もしこの記事を読んだかたで、シュタイナー教育に興味がある方がいれば、シュタイナー学校のオープンデーやクリスマスフェアなど学校が開放される時に家族で出かけ、こどもと一緒にその学校全体の雰囲気を見て感じることをおすすめします。
シュタイナーの世界観を理解するには一番の方法です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ