・イギリスの元首相ボリス・ジョンソンってどんな人?
英国の首相ボリス・ジョンソンは、イギリスでは人気があり、良くも悪くも常に注目を浴びてきた政治家です。
「ボリス」と名前でよばれ、英国民から親しまれる反面、「嘘つき」、「失言王」、「ろくでなし」、「トランプ大統領の「劣化版」」など批判する人も多いこの人物。
成功の裏には、トラブル、スキャンダルや失言が非常に多く、到底首相になれる人物とは思えないのに、なぜか彼のまわりには人が集まり、話題のネタにこと欠きません。
この記事ではボリス・ジョンソンについての12の雑学を紹介し、記事を読めばボリス・ジョンソン首相の経歴や人物像がわかるようになっています。
1)生まれも育ちも多国籍
ボリス・ジョンソンは、NYで生まれていますが、両親ともにイギリス人です。
フルネーム:Alexander Boris de Pfeffel Johnson
生年月日:1964年6月19日生まれ(和暦:昭和39年)
父:欧州議会議員スタンレー・ジョンソン
母:シャーロット・フォーセット(スタンレーの最初の妻)
父方の先祖にドイツ系イギリス国王ジョージ2世(庶子の血族であるため王位継承家はない)また、祖父はオスマン帝国(トルコ)にルーツを持っています。
母方の先祖はユダヤ系ロシア人!
ボリスのルーツにはキリスト教、ユダヤ教、イスラム教が組み込まれていて、自称『One-man melting pot(人種のるつぼからなる男)』ということばが有名なんです。
イギリスとアメリカの二重国籍で問題となり、現在はイギリス国籍のみを取得してます。
2)トレードマークのボリス・スタイル
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ボリスを語る上でははずせないのが、彼の独特のスタイル!
- ボサボサの金髪(たまに整髪しているとニュースになる)
- 背中にリュックサック
- スーツ姿もどこか野暮ったい
実際は超エリートのボリスですが、どこか気さくでユーモラスなこの風貌が英国民から親しまれているんです。
3)趣味はサイクリング
Vauxhall Bridge, London, 2015#BorisJohnson pic.twitter.com/9X156c4YfS
— nonleggerlo (@nonleggerlo) July 23, 2019
たまに自転車で国会議事堂に通勤。趣味はサイクリングで間違いない!ロンドン市長時代の2013年に、ロンドンの自転車レンタル事業を計画。
これは大成功し、ロンドンの青いシェア自転車は『ボリス・バイク』と呼ばれ、ロンドナーや観光客の足になっています。
4)尊敬するのはチャーチル
首相を狙い続ける執念と、野望。
子供の頃に「世界の王(world king)になる!」と宣言したことも有名。ボリスが尊敬する政治家は、第二次世界大戦で英国を救ったウィンストン・チャーチル首相。
チャーチル愛が嵩じてボリスの視点からみたチャーチル論を書いています。ボリスは文才優れているんですよね。この本はおすすめです。
▶チャーチル首相についてはこの記事が参考になります。
5)ボリス・ジョンソンの卒業校は?
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ブリュッセルのヨーロピアンスクール、アッシュドンハウス・プレップスクール、名門私立のイートン校、オックスフォード大学ベリオール・カレッジを卒業。
特に、イートン校では2年後輩にデービット・キャメロンがいて、ライバル視していたことは有名。
6)妻と子供は?下半身がゆるすぎる
1987年22歳でアレグラ・モスティン=オーウェンと最初の結婚するも、1993年に不倫が原因で離婚。離婚と同年の1993年、不倫相手だった幼馴染で法廷弁護士のマリーナ・ホイーラー(母方がインド系)と2度めの結婚。4子を授かります。しかし、またもや不倫がきっかけとなり2018年離婚。
2018年から不倫相手のキャリー・サイモン(『インディペンデント』紙の創業者の娘)と交際しているが、口論の末警察に通報されたりと、女性関係のドタバタが耐えません。
ボリスの浮気グセはすごい!
2度めの結婚25年の間に、公に不倫が発覚したのが3、4回。2009年にはヘレン・マッキンタイアさんとの間に女児をもうけていたことが暴露されます。
なにこの人。。
「ボリス・ジョンソンの子供は何人いるかわからない」とさえ言われています。
7)ジャーナリスト時代
オックスフォード卒業後、『タイムス(The Times)』のジャーナリストとして働きました。(親のコネといわれている)しかし、考古学関係の記事で引用の捏造で解雇。
その後、『デイリー・テレグラフ(The Daily Telegraph)』の記者となり、1989年から1994年まで欧州共同体(EC)特派員として活躍。
ボリス・ジョンソンはECの首都ブリュッセル駐在中に、反EC色の強い記事を書き続け、ユーロ懐疑的ジャーナリストして躍有名になりました。さらに、週刊誌『スペクテイター (The Spectator)』の編集長まで上り詰め、BBCのニュース風刺番組「Have I Got News For You」の出演者として一般大衆への知名度をあげていきます。
2001年にオックスフォードシャーで初立候補し、下院議員となりました。
8)ロンドン市長時代に一躍有名人!
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2008年から2016年までロンドン市長に就任。
奇しくも市長在任中ロンドン2012オリンピックが開催されたことで、市長だったボリスのパフォーマンスは世界で話題になりました。オリンピックで、ユニオンジャックの旗をもち、ジップワイヤーからぶら下がっているボリスの姿は、多くの英国人のイメージに残っているそう。
ロンドンの自転車レンタルを発案(今ボリス・バイクとして定着)、2011年のロンドン暴動ではカナダでの休暇を続け対処するための帰国をしなかった件は物議をかもしました。
このロンドン市長時代で自分の存在を世界に知らしめたといっもいいでしょう。
9)ボリス・ジョンソンのは失言と嘘が多い?
彼の失言や暴言、嘘は、長いキャリアの中で多くの論争を引き起こしています。
ボリス・ジョンソン│過去の問題
- 2011年ロンドン暴動中のホリデー休暇
- 人種差別発言
- ホモセクシャル差別(以前は支持、そして撤回)
- 排外主義的発言
- ブレクジット運動の際のNHS資金の割当(主張を撤回)
- かずかずのパリピ事件(ロックダウン中のコロナ禍で自身は公邸でパーティ)
愉快なパフォーマンスや、おどけた態度、ユーモアのあるトークとは裏腹に、これらの立場をころころと変える態度や嘘、失言の多さは、多くの知識階級の英国人から批判を浴びているのです。
具体的な例をあげると、、、
- ヒラリー・クリントンに対し『精神病院のサディスティック看護師』と発言(2007年)。
- 日本では東京で行われた非公式のラグビー試合で、10歳の子どもに本気のタックル。(2015年)
- アルコール禁忌のシーク教徒に対し、スコッチ・ウィスキーについてスピーチ。(2017年)
- イスラム教徒のブルカを身に着けた女性を「抑圧的で、郵便ポストのようだ」と言った後に、イスラム恐怖症(イスラモフォビア)として批判される(2018年)
差別的発言が特に多い人物。失言や他人を不快にさせる発言は調べるほどでてきます!
10)ブレクジットで世界に踊りでる
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2016年6月、キャメロン政権下にて行われた【EU(欧州連合)離脱を問う英国の国民投票】において、ボリス・ジョンソンはEUから離脱するブレクジット(Brexit)派の顔として活躍。国を二分した離脱派と残留派の中にあって、離脱派運動”ボート・リーブ(VOTE LEAVE)”を率いました。
当時ボリス・ジョンソンは、「英国NHSは、EUに毎週3億5000万ポンドを支払っている」と主張し、この「£350Million」という強烈な数字が繰りかえし宣伝されました。
しかし、実際とは違う虚偽の情報だったことがわかり、他にあわせて3件の「公職における失当行為」の疑いで提訴されています。
2016年の離脱キャンペーン中は、英国が本当に二分したかのような異様な雰囲気につつまれていました。EU圏の友人家族は続々と自国へ帰っていきました。
2016年の国民投票の結果、離脱派の勝利となり、ライバルだった残留派のキャメロン首相は辞任。ボリス・ジョンソンは「ポスト・キャメロン」として注目され、次期保守党首の最有力候補とされていましたが、離脱運動をともにしたゴーブ司法相の立候補を受け断念。
テリーザ・メイ首相の誕生とともに、「保守党はブレクジット(Brexit)を実行する」とう約束の元、メイ内閣において外務・英連邦大臣(外相)に任命されます。
しかし、ボリスはメイ首相が目指す「ソフトブレクジット」と、一向に進まない離脱に抗議し、2018年5月にその役職を辞任。
11)英国首相となりEU離脱を実現する
テリーザ・メイ首相のもと、英国議会の混乱がつづき、EUからの離脱(ブレグジット)は行き詰まります。
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2019年6月にテリーザ・メイが党首辞任を表明。
ボリスは、保守党党首選挙に出馬し、対立候補のジェレミー・ハント外相との決選投票で勝利、ボリス・ジョンソンが新たな保守党首に選出されました。
2019年7月24日、ボリス・ジョンソン英首相が誕生。
迷走するブレグジット、国内外の外交や経済問題も山積するイギリスの舵取りをしたのがこのボリス・ジョンソンです。
2020年1月31日、EUを正式離脱に成功しました。
12)新型コロナウィルス対策
2020年世界覆い尽くす新型コロナウィルスの感染拡大を抑えるための政策が注目され、そのリーダーシップが問われています。
ボリスは3月16日、最高医療責任者のクリス・ホィッティ、主任科学顧問のパトリック・ヴァランスらと共に、新型コロナウイルスへの対策を発表。
その内容は、「集団免疫戦略」と呼ばれ、まず国民の多くをコロナウイルスに感染させ免疫をつける。一方感染のピークとスピードを下げ医療崩壊を防ぐ、という内容でした。
この戦略は「非人道的」と内外から批判をあびました。
しかし、イギリスはすぐに方向を転換。
「ステイ・アット・ホーム」を合言葉に、社会的距離戦略、学校閉鎖、ロックダウンへと厳しい自主隔離を国民へ呼びかけています。
しかし、ボリス自身も新型コロナに感染。自宅で執務ととっていましたが4月5日に計画入院、翌日4月6日には集中治療(ICU)へ搬送されています。
ボリスが新型コロナウィルスを乗り越えて、笑顔で返ってくる日をこころから待っています。
まとめ
以上、「ボリス・ジョンソン英首相がどんな人かわかる12の雑学【EU離脱】」の記事を紹介しました。
2016年の国民投票後、メイ政権下で3年もの混乱を見せた「英国の欧州連合からの離脱(ブレクジット)】。
ボリス・ジョンソンが首相となり、現在は新型コロナウィルスに対する政策の手腕が問われ、、さらにはアイルランドの統一問題、スコットランドの独立の問題も控えています。
その知名度やカリスマ性、二枚舌による問題の交わし方、独特のファッション、パフォーマンスは他の英国の政治家には見られない、特別な存在であることは確かです。
ボリス・ジョン首相がどんな人物なのか、この記事でイメージできれば幸いです。
▶ボリス・ジョンソンの政治的な考えは、彼の執筆した本が参考になります。
英国南西部デボンのエクセターよりお届けしました。 この記事があなたのお役にたてばうれしいです。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ