イギリスからこんにちは。スギと芝の花粉症もちのアルノ(@ecerydayuk)です。
いよいよ春が近づいてきました。春といえば「卒業」「花見」「入学」「入社」などわくわくするイベントが目白押しですが、恐怖の「花粉」の季節でもあります。
日本では杉花粉ですが、イギリスでは90%もの人が芝の花粉症アレルギーがあります。
わたしもイギリスの芝花粉症になってしまいました。
この記事では 古くからイギリスに伝わる 民間療法や自然療法の花粉症対策を3つ紹介します。
これが結構効くんです!
今回紹介するのはイギリス式の 薬の副作用に悩まされることのない花粉症対策です。あなたも試してみませんか?
日本の花粉の季節(スギ)
日本では1960年頃からスギ花粉症(国民病ともいわれている)が急増しました。
スギは風媒花であり、その花粉は風に乗って遠距離を飛散するのがやっかい!
このスギ花粉が本格的に広範囲で飛びはじめるのが、毎年2月下旬から5月ごろまで。(地域によって異なります)
日本の花粉情報は、日本気象協会の「tenki.jp」で確認できます。
イギリスの花粉の季節(芝)
花粉症は英語で「ヘイフィーバー(Hay Fever)」と言います。
イギリスの花粉症の原因、その90%がイネ科の芝花粉症(Grass Pollen)だとわれます。
花粉が飛散する時期は5月から8月上旬。
しかも、イギリスは(ヨーロッパ中)どこへいっても芝!芝!芝だらけ!
イギリスでは、古くから花粉症対策として民間療法が浸透しています。
■イギリス花粉症は、芝の他に樹木(Tree Pollen)や草(Weed Pollen)もあります。
総合的な花粉情報は、イギリス気象庁の公式サイトで確認できます。(3月~)
イギリス式 花粉症対策 3つの自然療法
1.ネトル(Nettle)ティー
ネトル(Nettle)は、日本名をイラクサといい、散歩道や公園、森の中などそこら中に生えている雑草です。
ちょっとシソにニてるかな。シソより毛(トゲ)がワシャワシャしてる感じ。
ネトルには、その葉や茎に小さなガラス状のトゲ(シリカ)がびっしりついていて、これが知らずに素足や素手で触れようものなら、チクチク熱い指すような痛みを一日中感じるはめになります。
ひきつけや嘔吐に至ることもある、いわゆる毒草です。
イギリスではこのネトルがそこら中に生えていて、小さなこどもたちを森の中を素足で遊ぶことはさせません。私の住むDevonもネトルだらけ。
このネトルの毒による痛みの正体は、ネトルに含まれるヒスタミンと、神経伝達物質アセチルコリンがともに働くことで起きる症状です。
このネトルに含まれる微量のヒスタミンを摂取することで、「ヒスタミン摂取に身体が慣れ、アレルギー反応が和らぐ」というホメオパシー治療としてネトルが使われます。
【毒をもって毒を制する】ですね。
ネトルティーの作り方
ハーブ研究家(自称)のイギリス人友人に一番効くよ!とおすすめされたのは、その辺に生えているネトルの葉を摘み(毒があるので必ず手袋で)、乾燥させて煮立て「ネトルティー」として飲む方法です。
ヒスタミンティーの出来上がり。
これが、わたしには効いています。共に花粉症である夫と飲んでいます。
しかもこのネトル、他にも美容にいいなど嬉しい成分が入っています。
実際わたしも肌の調子がよくなりました。ちょっとこれにはびっくり。
ネトルティーの作用
・鉄分を含んでいることから、貧血予防にも効果的
・ケルセチンという成分がビタミンCの吸収を高めるため、肌がつるつるになる
味は、緑茶に近いような草っぽい香りがします。緑茶とブレンドしても美味しく飲めます。
日本:ネトルティーどこで入手できるか>
ネットで購入するなら、有機栽培の植物を使用し、ECOCERTなど各種機関からの認証を受けていて安心の「生活の木」がおすすめ。
2.アロマセラピー(精油)
花粉症の不快な症状を緩和するためのエッセンシャルオイルを3つ紹介します。
- ユーカリ・ラディアータ
- ペパーミント
- ローマン・カモミール
アロマオイル(精油)は、イギリスでエッセンシャルオイル(essential oil)と呼ばれ、古くは薬草として医療の場で使われてきました。
この精油をつかって行う病気や外傷の治療、病気の予防、心身の健康やリラクセーション、ストレスの解消を目的とする療法が「アロマテラピー(aromatherapy)」です。
アロマテラピーで使われる精油は、花、茎、幹、根、樹脂、果皮などを水蒸気蒸留することで得られる揮発性の油であり、油脂ではありません。
現在では、イギリスで1,998年に政府公認のNOSの教育水準を有する最初の補完療法(Complememtaly Therapy)となっています。
メディカルアロマセラピーですね。
現在の英国のアロマセラピストは、NHS(国民保健サービス)で働く人材も増えています。
イギリスでは「ドクターが代替療法に患者を紹介」したり、実際に「医院でも代替え療法を実施する」など補完療法に好意的で 有用性を受け入れやすい背景があります。
だから、イギリスで自然療法、代替療法、補完療法が実際に実施されているんですね。
医師から処方された薬を服用している人でも、アロマテラピーやマッサージ、Reiki(レイキ)や鍼、鍼灸などを利用している人の話をよく耳にします。
エッセンシャルオイルの自然豊かな心地よい香りを楽しみながら、花粉の季節を少しでも快適に乗り切ろうではありませんか!
ユーカリ・ラディアータ

ユーカリ精油には非常に多くの種類がありますが、ユーカリ・ラディアータは刺激が少なく香りもマイルド。
子どもから高齢者まで幅広く安心して使えるので安心です。
【なぜ効くの?】
主成分である1,8-シネオールには固有の抗炎症作用があり、鼻水や鼻づまり、のどのかゆみなどのアレルギー症状を緩和します。
呼吸器系のトラブル改善にすぐれた作用があるため、鼻水、鼻づまり、去痰、副鼻腔炎や慢性気管支炎などにも効果的。
鎮静作用もあるので、筋肉痛や神経痛のケアにも有効です。
香りは、クリアで爽快感があります。
この香りは気分をリフレッシュさせ、アレルギー症状に伴うイライラや不快感の解消にも役立ちます。
使用の際の禁忌はなく安心して使えます。
ペパーミント
ペパーミントの代表的な有効成に 花粉症に有効な成分が含まれています。
【なぜ効くの?】
ペパーミントには、メントール、ルテオリン、ミントポリフェノールで、アレルギー原因物質のヒスタミンの放出を抑える働きがあり、抗ヒスタミンの成分を含んでいます。
ミントポリフェノールは植物由来の抗酸化作用をもつ成分で、細胞の老化を防ぐ働きがあります。
それ以外にもヒスタミンの生成を阻害する働きがあるのです。
花粉症はヒスタミンが増加することで症状が出るので、そのヒスタミンを阻害することで症状を和らげるのです。
メントールには抗アレルギー作用や抗炎症作用があり、鼻水や鼻づまりなど呼吸器の不快な症状を楽にします。
ルテオリンはポリフェノールで、抗酸化物質の1つです。アレルゲンが体内に侵入しようとした際に、これらの症状の原因である”酵素”を抑える働きがあるのです。
香りは、スーッとして清涼感があります。心に活力を与え、頭をクリアにするペパーミントは勉強や仕事をするときにもいいですね。
禁忌は多いので要注意:妊娠中、授乳中、乳幼児、高齢者、てんかん、高血圧
ローマン・カモミール(抗アレルギー作用)

ローマンカモミールは古くから薬草としてつかわれてきました。
症状は数分で緩和し、神経系を落ち着かせる作用もあります。
禁忌:キク科アレルギーの方は注意!妊娠初期の方は使用を控えます。
3.アロマオイルの使い方
1.蒸気吸入
鼻づまりやのどがかゆいときには蒸気吸入が効果的。
蒸気吸入の方法
①耐熱性のボウルや大きめのマグカップにお湯を入れ、アロマオイルを1〜2滴たらす
②5分くらいを目安に、必ず目を閉じて、ゆっくり呼吸して蒸気を吸入
(頭からバスタオルをかぶるとさらに効果的)
※咳がひどいときや喘息の場合は蒸気吸入は避けてください。
2.毎朝のクリームやローションに加える(香料ナシのもの)
イギリスですすめられた方法です。
【アロマオイルローションの作り方】
①香料がはいっていないベースとなるクリームやローションを用意
②ローション30ml毎に5滴のエッセンシャルオイルを加える
つくったローションを毎朝使用する、というスキンケア&花粉症対策ができるすぐれもの。
3.マッサージ
キャリアオイルの中にアロマを混ぜ、鼻、額、こめかみと首の後ろをマッサージすると快適な心地よさがもたらされます。
特に鼻の周りの穏やかなマッサージ作用は、目や粘膜の流れをスムーズにします。
4.マスクで吸入
マスクにアロマオイルを1~2滴垂らします。
また、便利なのは「マスク用のアロマスプレー」。必要なときにシュッとひと吹きするだけでOK。マスクの内側にスプレーしますが、肌が敏感なかたは外側からスプレーします。
【マスク用アロマスプレーのレシピ】
■材料
エッセンシャルオイル(ユーカリ・ペパーミントなど):6〜12滴
無水エタノール:5ml
精製水:25ml
スプレー容器:1個
※精製水(30ml)のみでもOKです。
■作り方
無水エタノールとエッセンシャルオイルを混ぜる。
その後精製水を加える。スプレー容器にいれて出来上がり。
※1週間〜2週間以内に使い切りましょう。
5.ハンカチやティッシュで吸入
ハンカチやティッシュにアロマオイルを1~2滴垂らします。
頻繁に香りの助けを得られるため、おすすめ。
3.花粉症にワセリン大活躍
このワセリン療法は、イギリスの国営医療サービスNHSサイトの「NHS Choices」でも紹介されています。
ワセリンの花粉症効果
1.粘膜を保護する
鼻の中に直接ワセリンを塗ることで、鼻の粘膜を保護し、花粉の接触を防ぎます。
2.花粉をキャッチし体内へ侵入させない
鼻や目に入ってくる花粉は、皮膚に当たってから入ってくることが多いので、鼻や目の周りにワセリンを塗っておくことで、花粉をキャッチして体内への侵入を防ぎます。
3.保湿効果で炎症を和らげる
花粉症の症状とは直接は関係ありませんが、鼻水などで鼻の下などが赤くなるのを防ぐ効果があります。
ワセリンの塗り方
1.鼻の中に塗る
綿棒を使い、鼻の穴から約1センチほどを目安に塗ります。
よく「たっぷり塗らないと効果なし」とありますが、大量に、かつ長期にわたって塗っていると、その成分が肺に流れ込むことによって、特殊な肺炎の原因にもなり得るという説もあります。
うすく膜を張る程度が目安。
4.こまめに塗る
長時間塗ったままだと塗った部分が薄くなってきて効果も薄まってしまうので、3時間おきくらいで塗りなおしましょう。
もし塗りなおすのが難しい場合は、朝と夜だけか、外出の際だけでも塗っておきましょう。
2.鼻の周り・目の周りに塗る
鼻の周りは、花粉の侵入を防ぐ効果と鼻のかみすぎで鼻の下が赤くなることを防ぎます(保湿効果)。
目の周りは、やはり目への花粉侵入をある程度防いでくれる効果が期待できます。
ワセリンって、固くてベタベタするのが苦手!って思ってませんか?
日本の一時帰国で評判の良さからポチったこのチューブ式ワセリン、伸びがよくてすごく塗りやすいです。安いしこれはおすすめ!
ローカルハニーの真実
「地元で作られた蜂蜜には、その地域で飛散している花粉が入っていて、そのローカルハニーを一日1スプーンとることで花粉症に対する耐性をつくることができる」
これで治ったという話を聞いたので、ローカルハニーで本当に花粉症対策になるのか調べてみました。
しかし、残念ながらプラシーボ効果は期待できるものの、ローカルハニーを摂取することが花粉症の症状改善につながるという医学的証拠はない、という結果に。
原理としては間違っていないとのことですが、ローカルハニーに含まれる花粉は大きく、通常空気中に飛散している花粉とは異なるようです。
私は、ローカルハニーが好きだし地元BeeKeaperを応援したい気持ちからだいたい一日にスプーン1杯はティーにいれて飲んでいます。
美味しいし、科学的証拠はどうあれ万が一花粉症に効くのであれば一石二鳥くらいの軽い気持ちで飲んでいます。
まとめ
以上、「イギリス式:花粉症を自然療法でのりこえる 3つの方法」について紹介しました。
紹介したのは、ネトルティー、エッセンシャルオイル(精油)、ワセリンの3つの方法です。
アロマオイルは、禁忌のない【ユーカリ・ラジエーター】を一家に一本置いておくと役立ちます。
なるべく薬を使いたくない、自然療法にしたい、という方は試してみてはいかがでしょうか?
自然療法で抑えられないとき、重要な用事があるとき、特に花粉飛来の多い日、という場合に、市販薬を頼っています。
イギリスの花粉症・アレルギーの市販薬の詳しいまとめ記事はこちらです。
「イギリスで花粉症とアレルギー対策:市販薬まとめ┃毎日イギリス生活」

自然のちからを借り、つら花粉症の症状を抑えて春を楽しみましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。アルノ