イギリスには春から秋にかけ、樹木系・芝・雑草系の花粉症シーズンがあります!
私は、この長い季節にさまざまなアレルギーを発症しているため、自然療法や市販薬でつらい症状をコントロールしなくてはなりません。
花粉の量がすくないときや、症状が軽いときはイギリス式の自然療法で対処。
しかし大量の花粉がまっている日や、仕事や勉強、大事な用事でくしゃみなどの症状を取り去らなければならないときは市販薬に頼っています!
イギリスで生活の質をあげるために実際にどんな花粉症・アレルギー対策の市販薬があるのかをまとめました。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
イギリスの花粉のシーズンと花粉予報
イギリスの花粉症薬はどこで買えるのか?
花粉症薬の種類と効果、注意点と副作用
イギリスの花粉シーズン
3月~5月(樹木)
樹木の花粉のシーズンです。
イギリスでは25%の人が罹患しているといいます。
私は喘息もちで、春先に発作が起きます。樹木系の花粉症は喘息につながる危険性があるとGPドクターより聴きました。喘息持ちは注意を。
1月~4月:ハンノキ、イチイ、セイヨウハシバミ
2月~4月:柳、ニレの木
3月~4月:ポプラ、カバノキ、セイヨウトネリコ、スズカケノキ
4月~6月:オーク、松
5月~8月上旬(芝)
イギリスでもっとも多い 芝花粉のシーズンです。
イギリスの花粉症の90%がこの芝花粉で苦しんでいます。
イギリス全土、都会の公園でも家の庭にも田舎の牧草地でもあらゆる場所に青々と茂り、花粉を避けて生活することはできません!
6月下旬~9月(雑草)
雑草系の花粉シーズンです。
ブタクサ、よもぎ、ネトル、オオバコ、ヨモギの花粉も飛来します。
花粉症の市販薬はどこで買えるのか?
イギリスでは花粉アレルギーの他にも、ホコリやペットによるアレルギー患者も多いため、一年中ドラッグストアには花粉症・アレルギーの薬が並んでいます。
アレルギー市販薬はどこで買えるのか?
- 大型ドラッグストアのBoots
- ファーマシー(薬局)
- TESCOをはじめとするイギリスチェーンのスーパー
- AmazonUKなどネット利用
【アレルギー用の薬の種類:おおまかに次の3種類】
1.飲み薬
2.点鼻薬
3.目薬
1.イギリス 花粉症の飲み薬
花粉症の薬は治療薬ではなく、症状をコントロールするためのものとして、主に抗ヒスタミン薬の錠剤が販売されています。
イギリスで抗ヒスタミン薬として販売されている代表的な2つの種類があります。
・ロラタジン(Loratadine)
・セチリジン(Cetirizine)
この2つにアクリバスチン(Acrivastine)が加わります。
日本でロラタジンは「クラリチン」。
セチリジンは「ジルテック」の名前で広く知られています。
どの飲み薬も、鼻の症状(くしゃみ、鼻水、かゆみ)、目の症状(かゆみ、涙目)、皮膚(湿疹など)を抑えてくれる薬です。
では、どちらを購入すればいいのでしょう?
それぞれの種類や違いなど詳細をみていきます。
体内にアレルゲンが侵入することに反応して細胞から放出され、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどのアレルギー症状の原因になります。
抗ヒスタミン薬とは?
アレルギー症状がでたとき過剰に分泌されるヒスタミンをブロックすることで、アレルギー症状を抑える薬です。
ロラタジン(Loratadine)
(裏)
ロラタジンは第2世代の抗ヒスタミン剤・アレルギー性疾患治療剤です。
また、Clarityn AllergyおよびClarityn Rapide Allergyというブランド名でも呼ばれています。
【ロラタジンの効果】
・花粉症
・アレルギー性結膜炎(赤、かゆみ)
・湿疹および蕁麻疹
・虫刺されや
・食物アレルギーなど
【ロラタジンの特徴】
・第1世代の抗ヒスタミン薬やその他の第2世代抗ヒスタミン薬とくらべて、眠気や口の渇きなどの副作用が少ない
・持続性があり1日1錠(10mg)の摂取ですむ。
・比較的速効性があり、服用後30分から1時間で効果がでる。
・体内で活性代謝物に変化してヒスタミンを抑える
【ロラタジンの対象者】
・成人、2歳以上のこども(注意!子供用があります!子供用の項目参照)
【ロラタジンの注意点】
・以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。
・肝障害、腎障害がある。
【主な副作用】
・眠気、けん怠感、腹痛、口渇、吐き気、嘔吐、発疹など
セチリジン(Cetirizine)
(裏)
セチリジンは第2世代の抗ヒスタミン剤・アレルギー性疾患治療剤です。
またBenadryl Allergy、Piriteze、Zirtekというブランド名でも呼ばれています。
【セチリジンの効果】
・花粉症
・アレルギー性結膜炎(赤、かゆみ)
・湿疹および蕁麻疹
・虫刺され
・食物アレルギーなど
【セチリジンの特徴】
・第1世代の抗ヒスタミン薬より眠気や口渇などの副作用は少ない
・ロタラジンより強い
・持続性があり、1日1回(10mg)の内服で済む
・眠気が強いため、運転は控える
【セチリジンの対象者】
・成人、6歳以上のこども(2歳以上はシロップがある)
【セチリジンの注意点】
・セチリジンをのんでいる間はアルコールを控えたほうがよい
・ピーナツ、大豆にアレルギーがあるひと
・以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある
・腎障害、肝障害がある
・てんかんなどの痙攣性疾患またはこれらの疾患の既往症がある。
【主な副作用】
・一般的な副作用には、頭痛、口渇、病気、めまい、おなかの痛みおよび下痢
アクリバスチン(Acrivastine)
(裏)
アクリバスチンは日本未承認の抗ヒスタミン剤・アレルギー性疾患治療剤です。
また、Benadryl Allergy Reliefというブランド名でも呼ばれています。
【アクリバスチンの効果】
・花粉症
・ペットアレルギー
・ダストアレルギー
・アレルギー性結膜炎(赤み、かゆみ)
・湿疹および蕁麻疹
・虫刺され
・食物アレルギーなど
【アクリバスチンの特徴】
・眠気を感じにくいとされるが個人差あり
・カプセル(8mg)を一日3回
・一般的な副作用には、口渇やめまい
・飲んでいる間はグレープフルーツを取らないようにする
【アクリバスチンの対象者】
・12歳以上、65歳未満の成人
・禁止:65歳以上の成人(この年齢層では未研究のため)と12歳以下のこども
【注意点】
・以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある
・腎障害、肝障害がある
・てんかんなどの痙攣性疾患またはこれらの疾患の既往症がある。
2.イギリス 花粉症の点鼻薬(Nasal spray)
イギリスの鼻スプレーには、成分にベクロメタゾン(Beclometasone dipropionate)を使用したステロイド系抗炎症薬が市販されています。
「ステロイド」と聞いただけで使用をやめたくなりますが、鼻スプレーのように局所投与で使用する場合は、粘膜から吸収されても血中への移行が少なく、全身性の副作用が少ない比較的安全な医薬品だとされています。
花粉の時期のだいたい1~2周間前から定期的に使うか、必要時に使うことをすすめられています。
【効果】
・鼻炎
・副鼻腔炎
・鼻ポリープなど
【対象者】
・12歳以上、65歳未満の成人
・禁止:65歳以上の成人(この年齢層では未研究のため)と12歳以下のこども
【注意点】
・必要ないと思ったら使用をやめること
・1ヶ月以上の使用は✕(ドクターに要相談)
・過去にステロイドでアレルギーを起こした
・こどもに使用したい場合ドクターへ要相談など
【副作用】
・鼻や咽の乾燥
・味覚の変化
・鼻の赤み、腫れ、かゆみ
・鼻血など
3.イギリス 花粉症の目薬
(裏)
イギリスの花粉症用の目薬には、成分に クロモグリク酸ナトリウム(Sodium cromoglicate)が入っています。
これは、ヒスタミンなど化学伝達物質の放出を抑えることにより、アレルギー症状の発現をおさえる成分です。
花粉症で起こる目の充血やかゆみ、痛み、涙目に効果があります。
使用できるのは6歳以上で、16歳以上でないと購入できません。
4、子供用の花粉症薬(2018年6月追記)
小児用ロラタジン(Loratadine)
(裏)
(サイド)
子供用の花粉症飲み薬は、まず通常の薬コーナーに陳列されていません。
購入したい場合は、Bootsの薬専用カウンターで薬剤師に小児用のアレルギー薬がほしいことを伝えます。
レジ奥の薬棚から小児用薬を販売してもらえます。
この製品は2歳以上が対象であり、顧客が間違って2歳以下の子供に飲ませてしまうことを防ぐためであると、Bootsの薬剤師から教えてもらいました。
2歳以下の子供にのませないよう、注意しましょう。
ロラタジンは第2世代の抗ヒスタミン剤・アレルギー性疾患治療剤です。
効果、特徴など大人用ロラタジンと同様です。
写真で紹介したBootsオリジナルブランドの薬は、一日一回の服用。甘苦い味の液体で、付属の5mlスプーンで飲みます。12歳以下は体重によって飲む量が変わるので、これも要注意です。
●2歳~12歳以下で30Kg以下の子供: 5ml(スプーン1杯)
●2歳~12歳以下で30Kg以上の子供: 10ml(スプーン2杯)
●12歳以上~大人: 10ml(スプーン2杯)
まとめ
イギリスでの花粉症対策の飲み薬についてはロラタジンとセチリジンの2つが主流で販売されています。
わたしは大事な用事があるときは、眠気が少ないロラタジンを服用します。
わたしの夫もさらにひどい芝花粉症もちですが、彼はロラタジンが効かないといい、セチリジンを服用して仕事にいきます。
よくわからない場合は、まずは副作用の少ないロラタジンを試してみて、効き目を感じない場合セチリジンを試すなど段階的に試してみるのがいいかもしれません。薬の有用性は個人差があるようです。
この記事は、イギリス在住者の花粉症のかたと、日本で花粉症やホコリなどアレルギーがある方がイギリス旅行の際に症状がでてしまった場合に困るだろうな、、との思いからまとめました。
イギリスのどこでも手に入る市販薬です。
写真はすべてイギリス中どこにでもあるドラッグストア大手の「ブーツ(Boots)」オリジナルブランドのものです。
薬の値段は、Tescoなどの大手スーパーの自社ブランドのほうが安めです。
この記事が花粉症で困っている方の助けになれば幸いです(^^)
なるべく薬をつかわず自然療法で花粉症対策をしたい方は、こちらの記事が参考になります!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。アルノ