・ロイヤルウェディングに憧れる!
エリザベス女王の結婚式から現代まで英国王室で執り行われてきた10組のロイヤルウェディングをまとめました。
ロイヤルウェディングはカップルのためだけのセレモニーではありません。
そこには国家の希望やふたりの強いメッセージが込められています。
こうして一覧でみてみると圧巻!ただ眺めるもよし、あなたのウェディングプランの参考にもなるはずです。
記事を書いているのは、在英歴10年のアルノです。イギリス王室の歴史を調べるのが楽しくてしょうがいないお年頃です♪
①エリザベス女王&フィリップ殿下
エリザベス女王がまだ王女だった1947年11月20日、エリザベス女王とフィリップ・マウントバッテン中尉は結婚式を上げました。
1947年といえば第二次世界大戦終結の2年後。当時はまだ食料や衣料など配給制で女王も配給券をためてウェディングドレスを作ったといいます。
このウェディングには国民の強い希望がこめられていました。
フィリップ殿下はエディンバラ公となり、チャールズ皇太子(1948年誕生)、アン王女(1950年誕生)、アンドリュー王子(1960年誕生)、エドワード王子(1964年誕生)の四子を授かりました。
仲の良いすがたは、現在でもおなじみですよね。ふたりとも美しい!
場所:ウェストミンスター寺院
ウェディングドレス:デザインは王室御用達デザイナー、ノーマン・ハートネル。ユリとオレンジの花をモチーフにしたシルクのドレスには1万ものパールやクリスタルが刺繍され「国の象徴」となるようにデザインされた。トレーンの長さは約4m。
結婚指輪:ウェールズゴールド
ブーケ:白で構成されたカトレア、オドントグロッサムなど3種の蘭とギンバイカの小枝
ティアラ:クイーン メアリーズ フリンジ ティアラ
②アン王女&マーク・フィリップス
エリザベス女王の長女アン王女とマーク・フィリップス陸軍少尉(最初の夫)は、1973年11月14日に結婚式をあげました。
アン王女が選んだチューダースタイルのドレスが個性的です。
残念ながら二人は離婚していますが、二人はピーター(1977年誕生)とザラ(1981年誕生)の兄妹を授かり、英国社交界ではおなじみのメンバーです。
アン王女は現在、ティモシー・ローレンス海軍中佐と再婚しています。
場所:ウェストミンスター寺院
ウェディングドレス:スーザン・スモールのチーフデザイナーであるモーリーン・ベイカーによるデザイン。ハイネックと膨らんだ袖が特徴のチューダースタイルのドレス。
結婚指輪:ウェールズゴールド
ブーケ:白バラ、ゆり、ギンバイカの小枝
ティアラ:クイーン・メアリーズ・フリンジ・ティアラ(母であるエリザベス女王の結婚式と同じティアラ)
③チャールズ王子&ダイアナ元妃
エリザベス女王の長男であるチャールズ皇太子とダイアナ・スペンサーは、1981年7月29に結婚式をあげました。
「世紀のロイヤルウェディング」として未来の王と王妃となる二人は英国のみならず世界中の祝福を浴びました。
ふんわりしたウェディングドレスは、王室史上最長という約7.6メートルのトレーンが豪華さを添えています。なんといってもダイアナの初々しさが伝わるドレスですよね!
その後のふたりは、ウィリアム王子(1982年誕生)とヘンリー王子(1984年誕生)の兄弟を授かります。
しかし王室を揺るがすほどの不倫スキャンダルのあと1996年に離婚、1997年にダイアナの不慮の事故死というかたちで二人の関係は終わりました。
場所:セントポール大聖堂
ウェディングドレス:デヴィッド&エリザベス・エマニュエル夫妻のデザイン。アイボリーのシルクタフタのドレスには、1万個の真珠やクリスタル、アンティークレースで飾られていました。
結婚指輪:ウェールズゴールド
ブーケ:クチナシ、ステファノティス、オドントグロッサムラン、スズラン、アールマウントバッテンローズ、フリージア、ベロニカ、ツタ、トラデスカンティア、ギンバイカの小枝
ティアラ:スペンサー・ティアラ(スペンサー家の女性だけが身につけられる家宝)
④アンドリュー王子&セーラ・ファーガソン
エリザベス女王の次男であるアンドリュー王子とサラ・ファーガソンは、1986年7月23日に結婚式を挙げました。
ふたりのウェディングで有名な逸話は、セーラのティアラ。彼女は最初花冠をしていましたが結婚証明書への記帳の後に、花冠をはずしティアラを披露しました。それは王室へ入ることの意味が込められていました。
この結婚でヨーク公爵となったアンドリュー王子。その後のふたりは夫婦のスキャンダル、離婚と波乱万丈。2019年11月に王子自身のスキャンダルからアンドリュー王子が公務を離れることが発表されました。
ベアトリス王女(1988年誕生)、ユージェニー王女(1990年誕生)の姉妹を授かりました。
場所:ウェストミンスター寺院
ウェディングドレス:新進気鋭のデザイナーリンカ・シエラクがデザインした、アイボリーのシルクのウェディングドレスで、自身の家紋からマルハナバチとアザミのビーズ刺繍が施されていた。5メートルの長いトレーン
結婚指輪:ウェールズゴールド
ブーケ:S字型で、クチナシ、クリームユリ、黄色いバラ、スズラン、ギンバイカの小枝
ティアラ:ザ・ヨーク・ティアラ(エリザベス女王からの贈り物:ガラードから購入とみられている)
⑤エドワード王子&ソフィー・ヘレン・リース=ジョーンズ
エリザベス女王の三男であるエドワード王子とテレビ業界の経営者ソフィー・ヘレン・リース=ジョーンズは1999年に結婚式を挙げました。
「国家や軍事色のない式」になるように配慮され、家族を中心とした控えめな式でした。
ウェセックス伯爵の爵位を与えられ、ルイーズ(2003年誕生 )と、ジェームズ(2007年誕生 )の1男1女を授かりました。
エリザベス女王の子どもたちのなかで、唯一離婚していないのがエドワード王子です。
場所:ウィンザー城、聖ジョージ礼拝堂
ウェディングドレス:サマンサ・ショーがデザイン。長い袖が付いた長めのフィットしたコートと、手染めのシルクオーガンジーが特徴
結婚指輪:ウェールズゴールド
ブーケ:アイボリーの庭のバラ、ステファノティス、スズラン、フリージア、ギンバイカの小枝
ティアラ:エリザベス女王から贈られた新しいティアラ(女王のコレクションから作られたものと推測されている)
⑥チャールズ王子&カミラ夫人
チャールズ皇太子とカミラ・パーカーボウルズは、2005年4月9日に結婚式を挙げました。
ふたりのウェディングは、宗教色のない民事婚で華やかな挙式ではありませんでしたが、新郎の介添人をウィリアム王子が務め、家族に囲まれた穏やかな式でした。
出会いから約30年の時を経て結ばれたのです。
カミラ夫人はウェールズ公爵夫人を名乗らず、コーンウォール公爵夫人となりました。(ダイアナ元妃、国民への配慮といわれている)
チャールズ国王とカミラ王妃について興味がある方はこちらの記事が参考になります。
場所:ウィンザー城下のギルドホール、その後セントジョージチャペルで礼拝
ウェディングドレス:刺繍が施された淡いブルーとゴールドのコート
結婚指輪:ウェールズゴールド
ブーケ:ピンクとクリーム色のユリ、月見草、ジャスミン、スズラン、アジサイ、プリンスオブウェールズのバラ、ギンバイカの小枝
ティアラ:グレヴィル ティアラ、金色の羽スプレーのファシネーター
⑦ウィリアム王子&キャサリン妃
チャールズ皇太子の長男であるウィリアム王子とケイト・ミドルトンは2011年4月29日にロンドンのウェストミンスター寺院で結婚式を挙げました。
イギリス王位継承順位第2位であるウィリアム王子のウエディングは英国民が長らく待望んでいたことであり、大フィーバー!私もTVで中継を眺めていました。
アレキサンダー・マックイーンのデザイナー、サラ・バートンがデザインしたウェディングドレスは、クラッシックで品格を感じます。
美しいレースがキャサリン妃の華奢な体を可憐にみせていました。
ウィリアム王子はケンブリッジ公爵を名乗り、ジョージ王子(2013年誕生)、シャーロット王女(2015年)、ルイ王子(2018年誕生)の3子を授かります。
ふたりの公務の安定感と思慮深さは半端ない。英国民は二人を信頼していると私は感じています。
場所:ウェストミンスター寺院
ウェディングドレス:アレキサンダー・マックイーンのサラ・バートンがデザインした2.7mの短めトレーン。
結婚指:ウェールズゴールド
ブーケ:スズラン、スイート・ウィリアム(ナデシコ)、ヒヤシンス、アイビー、ギンバイカの小枝
ティアラ:ヘイロウティアラ
⑧ヘンリー王子&メーガン・マークル
チャールズ皇太子の次男であるヘンリー王子(英国ではハリー王子)とメーガン・マークルは、2018年5月19日にウィンザー城内のセント・ジョージ礼拝堂で結婚式を挙げました。
二人の結婚が世界から注目されたのは、彼女が「黒人系プリンセス」ということにほかなりません。
結婚式はもロイヤル・ウェディングの「説教」に黒人であるマイケル・カリー米国聖公会総裁が選ばれるなど、黒人文化への配慮があちこちに見られました。
シンプルなジパンシィのドレスが彼女自身の美しさを際立たせています。
結婚後ヘンリー王子はサセックス公爵となり、一男アーチー(2019年誕生)を授かっています。
その後のふたりは王室離脱を選び、英国からカナダへ生活拠点をうつしています。
当時わたしの住む英国田舎の教会でイギリス人とともに二人のウェディングをお祝いしました。当時の英国民の喜びの顔を思い出すたびに、ふたりの英王室離脱はなんともいえないニュースです。
場所:ウィンザー城内、セント・ジョージ礼拝堂
ウェディングドレス:イギリスのデザイナー、クレア・ワイト・ケラーがジバンシィの下でデザイン。シルクのボートネックスタイル。トレーンには英国連邦の53の花を刺繍。その長さ約4.9メートル
結婚指輪:ウェールズゴールド
ブーケ:スズラン、スイートピー、アスチルベ、ジャスミン、アストランティア、ハリー王子が自ら手摘みしたギンバイカの小枝
ティアラ:バンドー・ティアラ
⑨ユージェニー王女&ジャックック・ブルックスバンク
ヨーク公アンドリュー王子とセーラの次女であるユージェニー王女は、2018年10月12日に社交界の名士と言われるジャックック・ブルックスバンクと結婚式を挙げました。
ユージェニー王女のウェディングドレスの特徴は、なんといっても大きくV字に開いた背中のデザイン。これは12歳で受けた、脊柱側弯(せきちゅうそくわん)症の手術跡をみせるための特別なデザイン。
当時助けてくれた人々への敬意と、同じ病の人たちへ勇気を与えたいというのがその理由。「そのままで美しい」という気持ちがドレスに込められています。
場所:ウィンザー城、セント・ジョージ礼拝堂
ウェディングドレス:ピーター・パイロットとクリストファー・デ・ヴォスによるデザイン。生地にはバルモラル城のアザミ、母セーラの出身地アイルランドのシャムロック、ヨーク・ローズ、新居にちなんだアイビー
結婚指輪:ウェールズゴールド
ブーケ:スズラン、マダガスカルジャスミン、ベビーブルーのアザミ、スプレーバラ、ツタ、ギンバイカの小枝
ティアラ:グレヴィル・エメラルド・ココシニク・ティアラ
⑩ベアトリス王女&エドアルド・マペッリ・モッツィ
ヨーク公アンドリュー王子の長女であるベアトリス王女と婚約者のエドアルド・マペッリ・モッツィ氏は2020年の7月17日に挙式しました。
セント・ジェームズ宮殿のチャペル・ロイヤルで結婚式を挙げ、バッキンガム宮殿で披露宴を行う予定でしたが、ロックダウンでウィンザー城内のオールセインツ・チャペルに変更。
王室の結婚式としては異例の20名の招待客の中での結婚式、披露宴でした。
このつつましい結婚式で注目されたのが、ベアトリス王女が身につけたクラッシックなウェディングドレスです。エリザベス女王の伝説的なドレス(ノーマン・ハートネルがデザイン)をリメイクされて作られました。
ティアラは、1947年のエリザベス女王の結婚式でつかわれた「クイーン・メアリー・フリンジ・ティアラ」。アン王女も身につけたものです。
豪華なティアラですが、ドレスのクラッシックさと絶妙なバランスがベアトリス王女に素晴らしく似合っていました。
まとめ
以上、「【ロイヤルウェディング】華麗なるイギリス王室10組の結婚式をウォッチ」の記事を紹介しました。
1947年第二次世界大戦後のエリザベス女王のロイヤルウェディングから、2020年まで73年分のロイヤルウェディング。
英王室の結婚式には大きな2つの伝統があります。
ひとつは、花嫁のブーケに使われる「ギンバイカの小枝」。もうひとつの伝統は、結婚指輪につかれる「ウェールズ産のゴールド」です。
国家を背負うロイヤルウェディングは、ひとつひとつに物語があり、強いメッセージが込められています。
多くの花嫁が花婿の好きな花や、住む場所の花をブーケにいれたり、ドレス生地に刺繍しています。また出身の家の家紋をとりれたり、最初のデートで身につけたものをドレスに縫い込んだりしています(メーガン妃)。
この記事があなたのお役にたてばうれしいです。 イギリス南西部の田舎町からお届けしました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ