・イギリスのケーキやお菓子ってどんなもの?
最近「イギリスのスィーツが気になる」あなたへ。
以前に英国で人気のある珍しいお菓子を10種類紹介しました。
今回の記事は、イギリス人なら誰でも知っているポピュラーな英国発のお菓子をドドン!と32種類紹介します。
英国のデザート選びで困らないための図鑑のようなイメージでこの記事をまとめました。
この記事を読むことで、アフタヌーンティーで出すお菓子や、英国のカフェやティールームで選ぶスィーツの参考になるはずです。
美味しそうだな、トライしたいな、と思うお菓子があったらぜひ挑戦してみてほしい。
記事を書いているのは、在英歴10年のアルノです。ケーキ → プディング → 焼き菓子 → 冷たいデザート の順になっています。
1)ビクトリア・スポンジ・ケーキ(Victoria sponge)
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イギリスでは大定番のヴィクトリアケーキ。「ビクトリアスポンジ」ともいいます。
サンドされているのはベリー系のジャムとバタークリームで、スポンジは粗くボソボソしています。。
日本のようなフワフワケーキをイメージせず、別物のケーキと思って一口食べてみてください。ミルクティーとよく合います。
ビクトリアケーキは、ヴィクトリア女王が紅茶のお供に好んで食べていたことから人気に火がつきました。
2)レモン・ドリズル・ケーキ(Lemon drizzle cake)
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レモンドリズルケーキは、レモンケーキの上からアイシングをドリズル(霧雨)みたく垂れ流してキメた シンプルなパウンドケーキ。
簡単レシピなので家庭でつくるイギリス人も多い。
レモンがたっぷり!日本人にもとっても人気のケーキです!
3)コーヒー&ウォルナッツケーキ(Coffee and walnut cake)
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コーヒー&ウォルナッツケーキは、ほろ苦さが癖になるコーヒーとくるみ(ウォルナッツ)のケーキ。
イギリスでは定番菓子で、コーヒー風味のバタークリームとくるみのトッピングはマストです。
おすすめ。ほろ苦さと強い甘さがマッチしてます。
4)チョコレートファッジケーキ(Chocolate fudge cake)
いわゆるチョコレートケーキです。英国の子供が大好き!
粗くてボソボソしたケーキの多い英国菓子の中で、このチョコレートファッジケーキはしっとりなめらかなものも多いです。
ココアバタークリームをサンドした、甘くてどっしりしたチョコレートケーキ。甘さにびっくりするかも。
5)イングリッシュ・フルーツケーキ(Fruit Cake)
英国のフルーツケーキは、かなりどっしり、ずっしり!
由来は中世時代にまでさかのぼり、長期間保管できるようアルコールとドライフルーツを防腐剤として使われていました。
フルーツケーキ好きにおすすめ。お腹いっぱいになります。
6)キャロットケーキ(Carrot cake)
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その名のとおり、スポンジ生地に人参のすり下ろしをたっぷりいれて焼き上げているのがキャロットケーキ。
中世時代から続く伝統菓子で、英国ではポピュラーなケーキのひとつ。英国風だと上にたっぷりの甘いアイシングをのっけてます。
また、英国に多いヴィーガン達もこのケーキがお好きです。(ヴィーガンレシピあり)
私よく上のアイシングをとっぱらって食べてます。これも魅力ですが、、なんせ甘い!
7)アップル・クランブル(Apple crumble)
クランブルケーキは、英国の季節を味わえる家庭的なケーキ。
伝統的に季節ごとの果物で作られています。夏にはルバーブ、秋にはアップルなど。
素朴で、英国菓子にしてはそこまで甘くない。トッピングのクラングルがサクサクして美味。おすすめです。
8)マディラ・ケーキ(Madeira cake)
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マディラケーキとは、古くから伝わるイギリスのプレーンなパウンドケーキ。
レモン風味が伝統的で、しっかり固めのケーキ。
18世紀ごろからレシピがお目見えし、ケーキはスペイン産のマディラワインとともに食べていたことが名前の由来とされています。
日本のスポンジケーキと比べると、しっとり感は少ないです。ドライなケーキというイメージ
9)ベイクウェル・タルト(Bakewell tart)
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ベイクウェルタルトもイギリスの定番菓子。
タルト生地の底にラズベリージャムをひき、アーモンドクリーム(フランジパ-ヌといいます)、その上からアーモンドスライスをトッピングしてオーブンへ。
小さな丸いタルトに真っ白いアイシングとドレンチェリーの一口タルト「チェリーベイクウェル」も人気 ↓こんなものです。
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しっとりとしたアーモンド生地とジャムがベストマッチ。わたしも好きなケーキです。
10)スイスロール(Swiss roll)
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スイスロールとは、日本でいうロールケーキのこと。
イギリスのスイスロールは、日本のロールケーキと比べるとスポンジのキメが粗く、中に詰めるクリームの関係でちょっぴりぺシャッとなっています。
中のクリームは、ジャムやバタークリームが多いかな。
11)ダンディーケーキ(Dundee Cake)
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ダンディーケーキは、スコットランドの小都市ダンティで生まれたリッチで濃厚なフルーツケーキ。
最古のレシピは350年前にさかのぼる伝統的なケーキです。
その特徴は、スコットランド名産のマーマーレードがはいっていることと、ケーキの上に飾られたアーモンドの放射状のトッピング。
エリザベス女王のお気に入りケーキだったそう♪
12)バッテンバーグ・ケーキ(Battenburg cake)
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バッテンバーグケーキとは、英国菓子にしては手のこんだ可愛らしいケーキ。
カットしたピンクとイエローのスポンジケーキをチェック模様になるように組み合わせ、それぞれをアプリコットジャムでつつみ、最後にマジパンで包むという頑張り。
1884年にヴィクトリア女王の孫娘とマウントバッテン家との結婚を記念して名付けられました。
13)パーキン(Parkin)
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パーキンは、イングランド北部生まれ(リーズやヨークシャーなど)のジンジャーケーキです。
11月5日の国民的イベント、ガイフォークスデーに食べるお菓子として有名。
オートミールと糖蜜たっぷりのパーキンは、濃い茶色と、高い保存性、ねっとりとした食感が特徴。
14)ブラックフォレスト・ガトー(Black forest gateau)
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ブラック・フォレスト・ガトーとは、ココアスポンジに生クリームとシロップ漬けブラックチェリーをたっぷり挟んだ、イギリス菓子にしてはゴージャスなケーキ。
もともとはドイツ発祥のケーキですが、イギリスでも人気が高いので紹介します。
やっとケーキに生クリームがでてきました。美味しいです。おすすめ。
15)シムネルケーキ(Simnel cake)
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シムネルケーキはイースターに食べられるケーキで、中世時代から続いている伝統菓子。
フルーツケーキのトッピングに、11個のマジパンボールをのせているのが特徴。
これは、「イエスを裏切ったユダ」を除くキリストの11人の使徒を表しています。
16)フェアリー・ケーキ(Fairy cake)
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フェアリーケーキとは、いわゆる「カップケーキ」です。
上からたっぷりアイシングがかかっているもの、こってりどっしりのバタークリームがとぐろをまいているもの、カラフルなマジパンものなど、トッピングが華やかなケーキです。
こどもの学校でケーキスタンド(バザー)があるときに、お母さんたちがド派手でド甘のカップケーキを持ってくるのが風物詩。
17)イングリッシュマフィン(Muffin)
マフィンはイギリスで最もポピュラーなケーキかもしれません。
どのスーパーでもカフェでも置いています。簡単につくれるためお母さんが手作りするケーキの一つ。わたしもよく作ります。
プレーンマフィン、チョコレートマフィン、ブルーベリーマフィン!これがもっとも人気のフレーバー。
~次からは「プティング」のお菓子を紹介します。~
18)スティッキー・トフィー・プティング(Sticky toffee pudding)
イギリスではおなじみの「ねっとりとした食感のどっしりケーキ」がスティッキートフィープティングです。
なつめやし(デーツ)を使った蒸しケーキの上から、甘いトフィーソースをかけていただきます。
イギリス人は、さらにカスタードソースかバニラアイスクリームを添えて食べます。
甘い!一口食べると、がつんと脳天をノックされますよ。
キャサリン妃のお気に入りケーキだそう。
19)クイーン・オブ・プディング(Queen of pudding)
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クィーン・オブ・プディングは、余り物の固いパンとジャムとたっぷりのメレンゲでつくった英国の伝統的なお菓子。
「プティングの女王」という名前のこのお菓子、由来は17世紀までさかのぼりますが、現代でもエリザベス女王の誕生日を祝う日によく見かけるのです。
豪快なプディングが多い英国菓子の中で、こちらの見た目は上品なんです。
20)スポッテッド・ディック(Spotted Dick)
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スポッテッドディッグは、小麦粉とスェット(牛のネンネ脂)とレーズン、ミルクをまぜあわせたものを蒸して作られる、いわゆるプディング。
ちなみに名前の「スポッテッド」は、レーズンを指しています。
蒸し上がったら、あつあつのカスタードソースをたっぷりかけていただきます。
夫いわく美味しいらしいです。試しに食べてみるのも楽しい旅の思い出。
21)ブレッド&バタープティング(Bread & Butter Pudding)
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まことにイギリスらしい、残り物のパンや古くなったパンでつくる豪快な伝統菓子がこれ。
オーブン皿に パンとバターを敷き、干しぶどうをちらし、卵液(プリン状)を流し込み、オーブンへGO!
ダイアナ妃のお気に入り・スィーツだったそう!
22)ライス・プティング(Rice pudding)
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お米をミルクと砂糖で甘く煮たスィーツが、ライスプディング。
ブレッド&バタープティングから派生した菓子といわれています。(パンのかわりにお米でつくった)
個人的には「お米+ミルク+砂糖」、、このコンビネーションだけは駄目!おはぎは許せるのにミルクはNO!ってなんでだろう?
23)クリスマス・プディング(Christmas pudding)
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クリスマス・プディングとは、英国の伝統的なクリスマスデザートです。
ドライフルーツたっぷりのミンスミート、ナッツ、それにシナモンなどのスパイスを入れ、1日寝かしたあと蒸しているのが特徴。(これでクリスマスまで保存)
食べるときに、ブランデーをふりかけフランベしてパーティを盛り上げます!
ケーキのうけにはヒイラギの葉をそえて。カスタードクリームやホイップクリームを添えて食べるイギリス人が多い印象です。
~ケーキ、プディングのお次は、焼き菓子を紹介します。
24)スコーン(Scone)
スコーンはイギリス人が愛してやまないアフタヌーンティー定番のスィーツ。
美しいスコーンには腹割れがあり、ここからさっくりと割ってそれぞれにクロテッドクリームとベリー系のジャムをたっぷり塗っていただきます。
スコーンにクロテッドクリーム、ジャムでいただくアフタヌーンティー(ORハイティー、クリームティー)は英国では必ず食べておきたいスィーツです♪
25)エクルズ・ケーキ(Eccles cakes)
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エクルズケーキとは、中にレーズン(カラント)やナツメグをたっぷり詰めて焼き上げた小さなパイ饅頭みたいなお菓子。
マンチェスターのエクルズという街で生まれたことから名付けられました。
「ハエケーキ(Fly Cake)」、「ハエの墓場(Fly’s Graveyard)」などレーズンをハエに見立てたニックネームがつらい。
26)ミンス・パイ(Mince pie)
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ミンスパイは、クリスマスシーズンに登場する小さなタルト。
ドライフルーツやスパイスから作られる「ミンスミート」をたっぷりつめて焼き上げます。
このお菓子の起源は、キリスト誕生のとき祝いに現れた東方三博士の捧げもの「没薬(もつやく)」に由来すると言われています。
クリスマス時期にイギリスにいるなら、食べておきたい小さなタルト♪
27)フラップジャック(Flapjacks)
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イギリスの子どもたちが大好きなスィーツがフラップジャック。
オーツ麦とゴールデンシロップでつくられている「ザクザク」した食感が特徴。ドライフルーツやシードなどをいれたりもします。
材料にオーツやドライフルーツがたっぷり使っていることから、英国の親からは「健康おやつ」という扱いです。
28)ファッジ(Fudge)
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ファッジとはキャラメルのような形状で、口に入れるとほろりとほどけ、とろ~りとろけるソフトキャンディのようなもの。
伝統菓子とはいえませんが、イギリスで非常に人気があります。
激甘注意報!頭痛がするほどの強烈な甘さですが、、美味しいです。
英国各地にある、ファッジ専門店(ファッジ・キッチンなど)でできたてを食べてみるのがおすすめ♪
29)スコティッシュ・ショートブレッド(Scottish shortbread)
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ショートブレッドは、日本でも有名なイギリスお土産、スコットランドの伝統菓子です。
ホロホロした口当たりとサクサクした食感が特徴。おいしいですよね。
英国でもウォーカー社 (Walkers) が一番知名度あります。
30)ジンジャーブレッド(Gingerbread)
ジンジャーブレッドは、ジンジャーをたっぷりいれて焼き上げた伝統菓子。由来は古代ギリシャ時代にまでさかのぼります。
くるみやコーヒーがはいったものなどいろいろありますが、ジンジャーブレッドクッキー(写真)や、ジンジャーブレッドハウスなどクリスマスシーズンにはさまざまな種類が並びます。
ジンジャーブレッドマンをクリスマスの飾り付けにするのも、かわいいんです。つよい生姜の香りがくせになる
~ここから冷たいデザートの紹介です~
31)イートン・メス(Eton Mess)
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イートン・メスは、メレンゲ・いちご・生クリームで作る冷製デザートです。
イートン校VSハーロー校のクリケット対抗戦で、代々供されてきた菓子ということで有名。
簡単につくれるので、春から夏にかけいちごが出回る季節にわたしもよく作ります。(生クリームをヨーグルトに変えて)
イートンが出身校のウィリアム皇太子、ハリー王子を筆頭に王室メンバーお気に入りのデザートといわれています。メニューで見かけたら食べてみtね♪
32)トライフル(Trifle)
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トライフルは、16世紀ごから続く英国の伝統的な冷製デザート。
スポンジ、カスタード、ゼリー、ホイップクリーム、いちごの層でできてます。華やか。
作るのも重ねていくだけなので簡単。
夏になるとトライフルの出番が多くなります。簡単につくれるとってもに美味しいです。食べてみてほしい♪
まとめ
以上、「イギリスの伝統菓子図鑑│32品目」について紹介しました。
以前イギリスの伝統料理をドーンと30品目紹介したときにも驚きましたが……
今回一気に32品目もの英国のお菓子を並べてみて、こんなことがわかりました。
- イギリスのお菓子は素朴(材料シンプル)
- イギリスのお菓子は飾らない(繊細な美しさはほぼO。)
- イギリスのお菓子は、どっしり甘い(強烈な甘さ。クリームはバタークリーム系)
- イギリスのお菓子は簡単に作れる(混ぜてオーブン、混ぜて蒸すが多い)
- イギリスのお菓子は、スパイスやジンジャーをやたら使う(防腐剤の役割?)
- イギリスのお菓子は、カスタードソースやホイップクリームを添えることが多い
個人的にはイギリスで一番衝撃を受けたのが、ケーキが「カスタードの海」の中にある状態ででてきた体験でした。
あたたかいスポンジケーキと生ぬるいカスタードのソース。。う~ん、コレ以上のコメントは控えたい。
また、日本ではスポンジケーキにトッピングされる生クリームは、イギリスでは砂糖なしでホイップされ、「甘いケーキとともにいただくクリーム」という立ち位置。
また、フルーツは新鮮なものがケーキに飾られることはほぼなく、ドライフルーツやシロップ漬けが使われるのも特徴。
こんなこと書くと「じゃあ、イギリスのお菓子は美味しくないの?」と思っちゃいますが、
ところがそうでもない!
紅茶のお供にイギリスのどっしり甘いケーキはよく合うし、サクッと作ってパクっと食べれるお手軽感も忙しい人にうれしいところ。
イギリスの街角を想いながら、どっしり甘い英国菓子と、風味豊かな紅茶とともに食べてみてください。
そして、イギリスお菓子の最大の魅力は「簡単につくれる」こと。
レシピもデコレーションも特別な高い技術が必要ないため、家庭で作れるケーキとしておすすめなんです。
もし自宅で「イギリスのお菓子を作ってみたい」というあなたは、イギリス菓子の料理本を片手に挑戦してみてください。簡単でびっくりしますよ!
▼おすすめレシピ本は、予約がなかなか取れないお菓子教室「Mornington Crescent(モーニングトン・クレセント)』のこの一冊。『イギリスのお菓子って美味しいんだ』が実感できます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ