イギリスでは 朝ごはんに何を食べるの?
イギリスの朝食といえば、伝統的で有名な「イングリッシュ・ブレックファースト(English Breakfast)」があります。
これは、トースト+スクランブルエッグ、ソーセージ、ベーコン、ベイクドビーンズ、焼きトマト、焼きマッシュルームなどのワンプレート料理。
しかし、日常の英国人家庭では朝からそんな手間がかかり、こってりしたものを食べていません。
いったいイギリス人は 朝食に何を食べているのか?
まわりのイギリス人知人に聞いてみると…?
日本の朝食の風景のように、ご飯でもパンでもスープや卵、ベーコンを焼いたり、サラダをつくったり、、など栄養バランスを考えた朝食をとっているイギリス人は皆無でした。
ちょっと変わったところでスムージー。コーヒー、ティーだけという人も多い。
しかし、なんといっても、一番多かったのは「トーストした食パンに【何か】をつけて食べる」といういもの。
トーストしたパンにイギリス人たちは一体何をつけて朝食としているのか?
おもしろい調査結果の記事を発見したので紹介します!
第1位│バタートースト:28%
やっぱり?
私にとっては、「やっぱり?」な結果!
老人ケアホームでボランティアしていますが、参加者のお年寄りたちが到着すると、朝食として、トーストした食パンに、施設で用意したジャムなどをつけて提供します。
ほぼ全員の選択が「バター」その上から「オレンジマーマレード」。誰もかれもが毎回毎回同じなんです。
バターは「これでもかっ!!」というくらい塗らないと、クレームが来ます。
イギリスではオーガニックのものや濃厚なハンドメイドバターが簡単に手にはいります。たしかに美味しいんですよね。
バターが一位は納得です!
フランス産のエシレバターは、イギリスでも上流層に人気です。乳製品はフランスがダントツ美味しい。
第2位│マーマレイドたっぷりトースト:15%
はいこれも、やっぱり!
こちらも納得の結果です。
甘みと苦味が絶妙なマーマレイドもたっぷりつけましょう。イギリス人は、マーマレイドもよく手作りしています。
毎年1月中旬ごろから、スペイン、セヴィル産のセヴィル・オレンジ(Seville Orange) がスーパーに並び始め、この小ぶりのオレンジを使って手作りマーマレイドを作ります。
このオレンジは、そのまま食べてもあまり美味しいものではなく、種が多く、皮の苦みが強く、果汁も酸味が強い事で知られています。
それがそのままイギリスの苦味の強いマーマレイドの風味を作り上げます。(例えばアメリカのマーマレイドはイギリスのものと比べてかなり甘みが強いのです。)
マーマレイドの起源は、スコットランドのケイラー一家と言われています。
1700年代に、スコットランドのダンディーという小さな町の海岸に大量のセヴィル・オレンジを積んだスペイン船が遭難する。売り物にならなくなったこのオレンジを、ジェイムズ・ケイラーが、二束三文で全部買い取り、このオレンジからジャムを作った。
それが現在のマーマレイドにつながります。
マーマレイドの特徴として、オレンジの皮が入っていますが、これもケイラーの妻ジャネットが、それまでのオレンジの実と汁だけを煮詰めるジャムでなく、皮を捨てるのがもったいない、と皮を厚切りにして刻んで使ったことが起源とされています。
ジェイムズ・ケイラーは、1797年に(James Keiller and Son社)からこのマーマレードを作り始め、ダンディーのマーマレードをイギリス国内ばかりか、世界中に広めました。
しかし、この会社は今では残っておらず、現在は、昔らのダンディー・マーマレイド製法をダンディーの町で唯一引き継いて作っているのが「マッカイ(Mackays)」社のマーマレイドだそうです。イギリスでは普通にスーパーに売っています。一度お試しあれ!
第3位│ジャム(Jum)たっぷり!:14%
イギリスのスーパー、ジャムコーナーの充実ぶりはすごい!
- いちご(Stauberry)
- ブラックカラント(Blackcurrant/カシス)
- チェリー(Cherries)、アプリコット(Apricot)
- ピーチ(Peach)
- ラズベリー(Raspberry)
- ブルーベリー(Blueberry)
- プラム(Plum)
- フィグ(Fig)
- ルバーブ(Rhubarb)
- グースベリー(Gooseberry/スグリ)
- しょうが(Ginger)、、、、
また、オーガニックや砂糖控えめ、それぞれの材料をミックスさせたものもあり、種類には際限がありません。
イギリスでジャムをハンドメイドしてる家庭もとても多く、それぞれの家の秘伝レシピなるものが存在しています。
さらに、英国王室御用達の高級ジャムメーカーとして有名なウィルキン&サンズ社(Wilkin&Suns)。
ジャムブランド「Tiptree(チップトリー)」はイギリスのスーパーで手にはいります。ここのジャムは甘すぎず、人工着色料や防腐剤などを使っていないので、家族で安心して食べています。
私はチップトリージャムでは「ストロベリー&シャンパンジャム」が好きです。ほのかな苦味というか…コクがのある味わい。
第4位│マーマイトを塗ったトースト(Marmite):10%
イギリス人から愛されているマーマイト!
マーマイトは、イギリス人のソウルフードとも言われています。
味は かなり塩辛く、野菜を煮詰めて煮詰めて、、、カラメルにしたような、、こげ茶色のドロリとしたペーストです。
これは、イギリスでも好き嫌いがはっきりわかれる不思議な食べ物。
マーマイトの製法は…
ビールの醸造過程で増殖して最後に沈殿堆積した酵母から作られ、ビタミンBを多く含むことから栄養補助食品として扱われることもあります。
案外、日本人に好きな人が多いんです。私は好きですが、買ってまでは食べません。
私の日本人の友人夫婦は、トーストしたパンにたっぷりバターを塗り、その上からマーマイトをかけて食べるのが最高!と言っていました。
また、料理の隠し味に使う人、栄養補助として食べる人もいます。
独特の味を試してみたい方は、ぜひ!
第5位│たまご(Eggs)をのせたトースト:7%
イギリス人でも朝から卵調理をする人がいるんですね!
そういえば、私が昔お世話になったハウスシェアの大家さんは、毎朝目玉焼きを作りトーストオンして食べていました。
参考に、イギリスのカフェのブレックファーストメニューや家庭の食卓でもよく耳にする玉子調理法を紹介します。
【ボイルドエッグ(Boiled Egg)】:ゆで卵
【フライドエッグ( fried eggs)】:目玉焼きのこと。片面焼きはサニーサイドアップ、両面焼きはターンオーバー
【スクランブルドエッグ(scrambled eggs)】:とろっとし半熟状の炒り卵
【ポーチドエッグ(Poached Egg)】:落とし卵
【エッグベネディクト(Eggs Benedict)】:イングリッシュマフィンを半分に切り、トーストした上にポーチドエッグ、ハムやベーコン、オランデソースをのせたもの。スモークサーモンをのせたサーモンベネディクトも人気
【エッグ&ソルジャー(Egg&Soldiers)】:細長く切ったトースト(兵隊にみたてる)とスタンドにのせた半熟のゆで卵。ゆで卵の頭の部分をスプーンでコツコツっと割ったあと、トーストにつけて食べます。子供がよろこぶイギリスならではの食べ方
【オムレット(Omelette)】:オムレツ。プレーンまたはチーズやハムなどをいれたりする
第6位│ピーナッツバター(Pianut Butter):5%
ピーナッツバター、これは意外です。
ピーナッツバターより、ヌテラ(Nutera)というヘーゼルナッツのチョコレートスプレッドを塗っている人のほうが多いと思い込んでいました。
しかし、イギリスのスーパーで確認すると、驚きの結果が!
一般的なピーナッツバターも種類が多く、さらにチョコ風味、ココナッツと合わせたもの、スムースなタイプ、粒が入ったもの、カシューナッツやヘーゼルナッツなど他のナッツと合わせたもの、かぼちゃと合わせたもの、など味のバラエティも豊富。
今まで、私自身がピーナッツバターに魅力を感じていなかったので、知らなかっただけだったんですね。
一番惹かれたのは粒がゴロゴロはいったオーガニックのピーナッツバターでした。
イギリスの甘くないピーナッツバター、トライしてみました!今では子供も私も大好き。
鶏肉のピーナッツバター焼きなど料理にも使えるすぐれものです。
「ホールアース」のオーガニックピナッツバターがおすすめです。
第7位│何もつけない(Nothing):1%
そのままですか!?
イギリス人らしい選択といえば、そうでしょう。
塗る時間あったら別のことするわ、みたいな感じですか?
それともパンそのものを味わっている可能性もあります。
一般的に販売されているスーパーのパンはパサパサ感とした粉感が強く、私は苦手です。
しかし、スーパーの一般的な味気ないパンとは逆に非常に手の込んだ製法の噛むほど深い味わいのあるパンも手にはいります。
どちらを選ぶかは自分次第ですね。
第7位│レモンカード(Lemon curd):1%
レモンカードって日本ではあまり馴染みがないのでは?
イギリスが発祥で、レモン果汁とバター、シュガーとたまごを湯煎にかけてゆっくりとペースト状にしたものです。レモンバターとも言います。
味は、レモン風味で甘酸っぱく(甘みは強い!)、コクがある黄色いねっとりとしたクリームです。
イギリスでは手作りでレモンバターを作っている人もたしかに多い。
まだなかなか日本で手にはいらないレモンカード、興味のある方は、レシピも簡単なのでぜひ作ってみてください。
130年以上の伝統を誇るチップトリーのレモンカードは王道の味。レモンの酸味とバターのコクのバランスが素晴らしいです。
第7位│アボカド(Avocado):1%
え?アボカドですか?
どこのおしゃれさんですか?
そういえば、、確かにカフェのブレックファーストメニューで、アボガドトースト、見かけます。エッグベネディクトに添えられているアボガトもおしゃれ。
イギリス人ってアボガド好きですよね。これは確かに美味しそうなので、私もトーストオンしてみようと思います!
まとめ
この記事は、Waitroseのウィークリー新聞で見かけたサーベイ調査「Spread the Joy」から紹介しました。
イギリス人の朝食、一体何を食べているのか?常日頃興味があったので、納得の結果もあり、意外な結果もあり、大変興味深い記事でした。
7位からは、何もつけない、レモンバター、アボガドが同率となっています。
調査結果では、さらに食パンをトーストして上に何かをつけて食べているイギリス人約80%に対して、ポリッジ(オートミール)やグラノーラ、コーンフレークなどのシリアルなどを食べる人が14%もいるという結果もでていました。
確かにイギリスはシリアルの種類も豊富です。
ベジタリアンの友人は、グラノーラをオーツやナッツ類、ドライフルーツで手作りしています。こんなヘルシー思考の人も多いのがイギリスならではです。
これからは、今までと違った朝食をとってみようかな。わたしは今回の記事でアボガドトーストが一番気になりました。
朝食は一日の始まり!美味しくいただきましょう。
イギリス料理やお菓子に興味があれば、こちらの記事がたのしめます!
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ