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【イギリスの国歌、国王陛下万歳】どんな歌なのか?今さら聞けない基礎知識!

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イギリス 国歌
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イギリスの国歌ってどんな曲?

イギリスの国歌は、「God Save the King(ゴッド・セーブ・ザ・キング)」、日本語訳で「国王陛下万歳」という歌です。

いまさら聞けないイギリス国歌に対する数々の疑問。

どんなメロディなのか?歌詞は?どんな時に歌うの?ライバル曲はどんな歌?

この記事では、イギリスの国歌についての疑問をまるごと解説

アルノ

記事を書いているのは、在英歴10年のアルノです。イギリス国歌「国王陛下万歳」について興味のあるかたはぜひ参考にしてね!

目次

①イギリスの国歌はどんな歌なのか

イギリスの国歌は、「God Save the King(ゴッド・セーブ・ザ・キング」、日本語で「国王陛下万歳」です。

しかしこの歌は、一般に広く認知されていますが、イギリスの国歌として法律で制定されているわけではありません。(!)

実際に聞いてみましょう!こんな歌です。(注意:エリザベス女王の時代で、Queenになっているバージョンです)

アルノ

厳かな感じです!

②イギリス国歌は国王に捧げる歌なのか?

イギリスの国歌は国王に捧げる曲なのか?

答えは「YES」です。

今の英国の君主はエリザベス女王からチャールズ国王に変わったため、国王へ捧げる歌に歌詞が変わりました。

アルノ

次に紹介する1番から3番までの歌詞は、「Queen→King」へ「She→He」、「Her→him」へとそれぞれ変わりました!(太字表示)

③イギリス国歌の歌詞は?

イギリス国歌と言っても、実はいろんなバージョンが存在します。
ここでは最もよく歌われる1番~3番までの「スタンダードバージョン」を紹介しますが、本当なら6番まであるんです。

1.

God save our gracious King,
Long live our noble King,
God save the King:
Send her victorious,
Happy and glorious,
Long to reign over us,
God save the King.

おお神よ我らが慈悲深き国王を守りたまへ
我らが気高き国王よとこしへにあれ、
神よ国王を守りたまへ
君に勝利を
幸福を栄光をたまはせ
御世の長からむことを:
神よ国王を守りたまへ

2.

O Lord, our God, arise,
Scatter her enemies,
And make them fall.
Confound their politics,
Frustrate their knavish tricks,
On Thee our hopes we fix,
God save us all.

おお主よ、神よ、立ち上がられよ
汝と君の敵を消散せしめたまへ
打ち砕きたまへ
彼らが策を惑はしたまへ
彼らが騙し手を挫きたまへ
我らが望みは汝の上に!
神よ我等を救いたまへ

3.

Thy choicest gifts in store,
On her be pleased to pour;
Long may she reign:
May she defend our laws,
And ever give us cause
To sing with heart and voice
God save the King.

汝が選り抜ける進物の
君に喜びと注がれむことを
御世の長からむことを
我らが法を守りたまひ
絶えず理想を与へたまへ
声無きも声高きも謳ひぬ(歌ふ心で歌ふ声で)
神よ国王を守りたまへ

引用Wikipedia│国王陛下万歳(6番までみれます)

イギリス国歌の1番の歌詞

神よ国王に栄光を、国王を守りたまえ、という内容の歌詞です。

アルノ

もっとも一般的に歌われているのが、1番です

しかし、1番だけでは短すぎるので、だいたい3番(もしくは2番)と一緒に歌われています。

イギリス国歌の2番の歌詞

2番は好戦的だといわれ、エリザベス女王の50周年即位記念のゴールデン・ジュビリーでチャールズ国王が「2番は国歌としてふさわしくない歌詞」と言及したこともありました。

よって1番と3番を組み合わせた歌詞がよく歌われています。

アルノ

イギリス最大のクラッシック音楽の祭典BBCプロムスでは、最終日に必ず1番と2番が歌われます。

イギリス国歌の3番の歌詞

君主の権力は憲法によって規制される「立憲君主制」色を感じさせる3番は好意的にうけとめられています。現在は1番と3番の組み合わせが公式の場でよく歌われています。

2012年のロンドン・オリンピックでも1番と3番が歌わていました。また国王の誕生日やジュビリーのお祝いでも1番と3番の組み合わせで歌われると予想しています。

イギリス国歌の6番の歌詞

スコットランドが最も嫌う6番。今ではほとんど歌われていません。

「反逆せしスコットランド人(ジャコバイトを指している)を破らしめむ」という節は、スコットランド人じゃなくても国歌としてどうなんでしょうか?という気持ちになります。

歌詞に出てくるウェイド元帥(Marshal Wade)とはジャコバイト蜂起の鎮圧で活躍した英国軍人ジョージ・ウェイドのことだそう。

6番を削除する案は度々議会へ提出されていますが、反対意見も多く結果はでていません。

【イギリス国歌、6番歌詞】

Lord grant that Marshal Wade
May by thy mighty aid
Victory bring.
May he sedition hush,
And like a torrent rush,
Rebellious Scots to crush.
God save the King!

主はウェイド元帥をして
その強き祐けにより
勝利をもたらしめむ
乱を制しめむ
轟々たる濁流の如くして
反逆せしスコットランド人を破らしめむ
神よ国王を守りたまへ

ジャコバイト蜂起が気になるかたは、「この記事のジャコバイト」を合わせて御覧ください

④イギリス国歌の曲は誰がつくったのか?

イギリス 国歌

イギリスの国歌は作者不明です。

スコットランドのキャロル「Remember O Thou Man」が曲の源であったという仮説があり、メロディ自体は16世紀にはフランス国王フランソワ1世の戴冠式の讃歌「Domine, salvum fac regem (主よ、王を讃えよ)」で登場しました。

1744年以降のジャコバイト蜂起でイギリス国家が動揺する中、トマス・アーンが「神よ、国王陛下を護りたまえ」を国家のため編曲。

1745年からロンドンの劇場の演目で演奏されたことをきっかけに爆発的に市民の間に広まります。

アルノ

しかし、この曲にはフランスが起源、ジャコバイトの側の歌だった、1740年にヘンリー・キャリーが作曲した、、、などたくさんの説があります。曲の起源は解明されていません。

⑤イギリス国歌はどんなときに歌われるのか?

イギリスの国家、「God Save the King(ゴッド・セーブ・ザ・キング)│国王陛下万歳」は、国王の誕生日、国王戴冠記念日、王室メンバーの結婚式、その他ほとんどのイギリスの公式の場でこの曲が歌われています。

連合王国(UK)の構成国である、スコットランド、北アイルランド、ウェールズはそれぞれの国歌をもっています

サッカーやラグビーなど、UKと関係なく個別の代表を出しているスポーツの試合では、それぞれの国歌が歌われています。(イングランド代表はだいたい「国王陛下万歳」)

⑥イギリスの第二の国歌とは?

ユニオンジャック

国王陛下を称える歌を国歌とすることに反対する人々は常に一定数います。そのなかで2007年頃からイギリス独自の国歌を制定すべきだという動きが活発になりました。

その中で、有力視されているのが「エルサレム」。次に「希望と栄光の国」という感じです(現在のところ)

1)エルサレム(Jerusalem)

歌詞は、18世紀イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの「ミルトンMilton)」の序詩から。

1916年作曲家サー・チャールズ・ヒューバート・パリーがこの詩で合唱曲をつくります。後にエドワード・エルガーによって編曲され管弦楽伴奏も作られました。今のところ、イチオシされている次のイギリス国家候補曲が「エルサレム」です。

>エルサレム│Youtube(歌を実際に聞きたいかたはこちら)

2)希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)

「希望と栄光の国」は、イギリスで非常に愛されている歌ですが、「侵略」をイメージさせると敬遠する人も多い曲。

エドワード・エルガー作曲、アーサー・クリストファー・ベンソン作詞、1902年に発表されました。日本人にも馴染みのあるよく聞く曲「威風堂々」のメロディが力強いです。

希望と栄光の国│Youtube(歌を聞きたいかたはこちら)

夏のクラッシックの祭典「プロムス」の最終夜に国歌「国王陛下万歳」とともに「希望と栄光の国」も必ず演奏されます。

まとめ

以上、「【イギリスの国歌、国王陛下万歳】どんな歌なのか?今さら聞けない基礎知識!」について紹介しました。

調べてみるまでわたしもしらなかったイギリス国家のいろはが学べて楽しかったです!どの国の国歌も、それぞれの人のそれぞれの抱く複雑な思いを抱えているんだな、ということを強く感じました。

イギリスの国旗についての豆知識はこちらの記事が参考になります。

英国南西部デボンのエクセターよりお届けしました。

この記事があなたのお役にたてばうれしいです。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ

イギリス 国歌

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