イギリスの国旗、「ユニオンジャック(Union Jack)」は、世にあまたある国旗の中でもひときわ目立つ存在を放っています。
このイギリス国旗にまつわる豆知識が非常に面白いので読んでみてほしい!
この記事ではユニオンジャックの意味と8つの豆知識を紹介します。記事を読めばあなたはユニオンジャックがもっと好きになっているでしょう!
1)ユニオンジャックの意味
イギリスの正式名称は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」です。
略して「UK」ですね。
UKは、以下の国で構成されています。
・ウェールズ
・スコットランド
・北アイルランド
2)英国旗は3つの旗からできている
ユニオン・ジャックは、連合国であるイングランド、スコットランド、北アイルランドの守護聖人の十字架を象徴する3つの旗で構成されています。
イングランド
イングランドの旗は、白地に赤十字のSt George’s Cross(セントジョージの十字架 )。
1277年にエドワード1世によって国旗に採用されたとされる旗で、聖人ゲオルギオスの伝説にちなんでいます。
聖人ゲオルギオスは、ドラゴン退治物語で有名な聖人。ゲオルギオスはキリスト教を嫌う異教徒のディオクレティアヌス帝に処刑されますが、赤十字はそのときに流した血を表しています。
スコットランド
スコットランドの旗は、青字に斜め白十字のSt andrew’s cross(セント・アンドリューの十字架)。
伝道の途中にクロス型の十字(サルタイアー)にかけられて殉教した、十二使徒の一人でスコットランドの守護聖人であるセント・アンドリュー(聖アンデレ)を象徴しています。
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北アイルランド
北アイルランドの旗は、国旗としてではなく地域旗として2種類(斜め赤十字のサルタイアーと、アルスターバナー)あります。
ユニオンジャックに使用サれているのが、白地に斜め赤十字のSt Patrick’s cross(セントパトリックの十字架│別名サルタイア )。
アイルランドにキリスト教を広めた、アイルランドの守護聖人、聖パトリックスの名前に由来する旗です。
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3)ウェールズ旗はどこへ?
そして、もうひとつの連合国であるウェールズの旗がなぜユニオン・ジャックに組み込まれなかったのか?
その理由は、イングランドとスコットランドが統合する1606年よりずっと以前の1282年からイングランドの一部であったためだとされます。
ウェールズの旗は、緑と白の背景に赤いドラゴンが独特な図柄で、世界の旗でももっとも古くから存在していると言われています。
ドラドンの舌と尾っぽがクルリンとなってるのが、めっちゃ気になる絵です。
しかし、なぜドラゴンが旗となっているかの起源は不明で、現在の旗の図柄になったのは1959年のことなんです。
もうひとつ、ウェールズ旗の個人的に気になる点があります。
ドラゴンといえば、イングランドの守護聖人、聖人ゲオルギオスがドラゴンと闘ったことで有名なのです。
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4)実はユニオンジャックといっていいのは海の上だけ
まず、初代ユニオン・フラッグは海軍の艦隊旗として使われていた経緯があります。
次に、ジェームス1世の息子、チャールズ1世の時代に「この旗を掲げることができるのは、王の艦船に限る」と制定されます。
ここがイギリスらしいところなんですが、このチャールズ1世の掲げた『ユニオン・フラッグ 海上のみの使用の規定』が、現在でも残っているのです。
そのため正式には、海の上の船首旗であるときのみが『ユニオン・ジャック』で、陸上の旗は『ユニオン・フラッグ』となります。
正式名称はともかく、世界中の人が英国旗を「ユニオンジャック」と呼んでいます。
5)ユニオンジャックは、左右対称ではない!?
フラグを注意深く見ると、実際にはその形状が上下・左右ともに対称ではないことがわかります。
英国旗の赤の斜線部分は左右対称ではなく、白の部分と赤の部分の太さが互い違いになっています。
これは、セントアンドリュークロス(スコットランド)とセントパトリッククロス(アイルランド)が重なり合わないよう設計された結果、セントパトリッククロスの傾斜を反時計回りにずらしてあることで上下左右が非対称になっているのです。
このように2つの図形を交互に配分することによって、上下左右を失くす手法を「カウンターチェンジ」といい、スコットランドとアイルランドが同位である事を象徴してます。
6)他の国の旗もめちゃくちゃユニオンジャックを使ってる!
「ユニオンジャック」って日本人にとってもとても身近なデザインですよね。
その理由のひとつが、英国以外にも多くの国が自国の旗にユニオンジャックをとりいれていることにあります。
世界で25カ国ほどの大小の国(領土や島々を含む)がユニオンジャックを自国の旗、左上の部分につかっています。
その大部分はある時代においてイギリスの統治下にあった地域で、旗の由来は大英帝国の植民地支配の時代にさかのぼります。
イギリス連邦国、また親イギリス的な国といえるでしょう。
オーストラリア、ニュージーランド、アメリカのハワイ州のフラッグ画像のみ表示します↓
ユニオン・ジャックを旗に使っている国
・イギリス
・オーストラリア
・ニュージーランド
・フィジー
・ツバル
・ニウエ
・アセンション島
・アメリカ合衆国・ハワイ州
・アンギラ
・イギリス領インド洋地域
・イギリス領ヴァージン諸島
・イギリス領南極地域
・カナダ・オンタリオ州
・カナダ・ブリティッシュコロンビア州
・カナダ・マニトバ州
・クック諸島
・ケイマン諸島
・サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島
・セントヘレナ
・タークス・カイコス諸島
・トリスタン・ダ・クーニャ
・バミューダ諸島
・ピトケアン島
・フォークランド諸島
・モントセラト
フィジーの国旗は2015年にユニオンジャックを廃し、新しい国旗にすると発表されていましたが、2018年に変更をとりやめにしています。
今後も、ユニオンジャックが左上にある旗の行方が気になる!
7)ユニオンジャック柄はだれでもつかっていい!?
ユニオンジャックのデザインは、誰でも、どんな方法でも使用できるって知っていました?
現在、英国にはユニオンジャックの旗の使用に関しての規定はありません。
このため、誰でもどんな使用をしてもOKなので、服や下着、タオル、マグカップ、キーホルダーなどお土産によくありがちな商品はもとより、英国旗を肩からはおって歩いても違法となりません。
例えば、これがアメリカの星条旗になると、旗に対する冒涜の概念があり、使用に際してけっこう細々したルールがあります。
8)ユニオンジャックはいつはためく?
『フラッグ・デイ(Flag day)』と呼ばれる日には、ユニオンジャックがはためきます! 例えば以下の日。。
- ロイヤルファミリーメンバーの誕生日
- イギリス連邦の日(Commonwealth Day)
- 戴冠式の日(Coronation Day)
- 女王の公式の誕生日(The Queen’s official birthday)
- リメンバランスデー(Remembrance Day)
- 州議会の開会と議会の日(on the days of the State Opening)
- 議会の日(prorogation of Parliament)
- セント・ディビッド・デー(St David’s Day)ーウェールズの記念日
- セント・ジョージズ・デー(St George’s Day )ーイングランドの記念日
- セント・アンドリューズ・デー(St Andrew’s Day )ースコットランドの記念日
- セント・パトリック・デー(St Patrick’s Day )ー北アイルランドの記念日
まとめ
以上、ユニオンジャックの意味と8つの豆知識!【イギリスの国旗】を紹介しました。
ユニオンジャックはデザインが美しいし、イギリス国民からも非常に親しまれている英国旗です。
これからはユニオン・ジャックのデザインをみるとき、飾るときには上下逆さまをチェックです!
また、将来的にもしスコットランドが連合を離れることになれば、ユニオン・ジャックのデザインはどうなるのか?ということがイギリスで話題に登っています。
今後の「ユニオン・ジャック」の行方を見守りたいです。
関連して【イギリス国旗】ユニオンジャックの歴史と由来を学ぼう!の記事も書いています。あわせて参考にしてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ