・イギリスの階級社会が知りたい!
イギリスでは旧来の貴族制度が続き、「階級制度」は社会の中でいまだ残っています。
従来の階級制度は、「上流階級・中流階級・労働者階級」の3つにおおまかにわけられてきました。これは50年以上昔に開発されたものです。
現代においては、この昔ながらの階級制度はもはや古くて曖昧だ!と、BBC主体の研究・調査が行われ、新しい「7つの階級制度」が発表されました。
この記事では現代のイギリスの7つの階級制度を紹介し、記事を読めば英国社会の階級制度が理解できます。
記事を書いているのは、在英歴10年のアルノです。イギリスの階級制度に興味のあるかたはぜひご覧ください。
【イギリスの7つの階級制度(The social classes)】
BBCは、16万人を対象としたロンドン経済政治学教授のマイク・サベージ氏の調査から、イギリス人の収入、資産、職業、社会活動を分析しイギリスの新しい「7つの階級制度」を発表しました。
人口のわずか6%の超特権を持つ「エリート階級」から、すべての資本が低く不安的な「プレカリアート階級」まで。
【イギリスの新しい7つの階級制度】
- エリート階級
- 確率した中流階級
- 時術系の中流階級
- 新富裕労働者階級
- 伝統的な労働者階級
- 振興サービス労働者階級
- プレカリアート階級
エリート層は全体の約6%。この人々が英国社会に強大なネットワークと資本を持っています。
早速それぞれの階級をみてみましょう。
①エリート階級(Elite)
エリート階級は、イギリスにおいて経済的な資本を圧倒的に持っている階級です。
階級間の社会的なネットワークの力も大きく、特権階級とも呼ばれています。
彼らは最高の大学教育を受け、多種多様の趣味を楽しんでいます!
エリート階級
- 収入:£89,082(年1,100万円以上)
- 仕事:CEO、バンカー、医師、弁護士、裁判官など
- 教育:オックスブリッジ卒業多数
- 住んでいる場所:ロンドン、南部
- 趣味:クラッシック音楽、劇場、ジャズ、芸術など
- この層の占める割合(EU):6%
- 平均年齢:57歳
②確率した中流階級(Established Middle Class)
確率した中流階級とは、エリートの次に多くの資本を持つ階級です。
2番目に裕福でイギリス人口の4分の1を占める最大の階級ですね。この階級の人々は、社交的で文化的な側面も持っています。
確率した中流階級
- 収入:£47,183(年634万円以上)
- 仕事:科学者、都市計画担当者、助産師など
- 教育:大学学位取得者
- 住んでいる場所:郊外
- 趣味:芸術、音楽全般
- この層の占める割合(EU):25%
- 平均年齢:52歳
④技術系の中流階級(Technical Middle Class)
なんらかの専門知識をもつ技術職の階級です。文化資本と社会関係資本は豊かだけれど、経済資本に乏しい。彼らは社会的接触がすくないと言われています。
新富裕労働者階級
- 収入:£37,428(年500万円以上)
- 仕事:放射線技師、パイロット、薬剤師、研究職など
- 教育:科学の学位取得者
- 住んでいる場所:南西部、郊外
- 趣味:人による
- この層の占める割合(EU):6%
- 平均年齢:66歳
③新富裕労働者階級(New Affluent Workers)
この階級は、経済的な余裕をもっていて比較的裕福に暮らし、高いレベルの文化的および社会的資本があります。
彼らは若くて活発なグループです。伝統的な娯楽よりもスポーツ、コンピューターゲーム、SNSのプレイや視聴を好みます。大学に通ったことはほとんどありませんが、ほとんどが技術系職で安定しています。
新富裕労働者階級
- 収入:£29,252(年390万円以上)
- 仕事:エンジニア、セールス
- 教育:なんらかの学位取得社
- 住んでいる場所:ミッドランド、北部
- 趣味:ライブミュージック、SNS
- この層の占める割合(EU):15%
- 平均年齢:44歳
⑤伝統的な労働者階級(Traditional Working Class)
イギリスで伝統的に「労働者階級」と呼ばれる人々です。
すべての資本は低いですが、バランスがよい階級。大学に行かず、電気技師、トラックの運転手やクリーナー、秘書(劣悪な環境のホワイトカラーと呼ばれる)などがイギリスの伝統的な労働者階級とイメージされています。
伝統的な労働者層階級
- 収入:£13,305(約180万円)
- 仕事:トラック運転手、ケアワーカー、秘書
- 教育:なんらかの学位
- 住んでいる場所:スコットランド、北部、ウェールズ
- 趣味:ある程度関心がある
- この層の占める割合(EU):14%
- 平均年齢:66歳
⑤振興サービース労働者(Emergent Service Workers)
この新しい階級の人々は都市部で働き、経済的な余裕はありませんが、新しい文化や社会資本が高い傾向にあります。
彼らは通常、サービス部門で働いています。たとえば、パブ、シェフ、カスタマーサービス、コールセンターなどで働く人々と言われています。
振興サービス労働者
- 収入:£21048(約300万円)
- 仕事:シェフ、パブスタッフ、看護助手
- 教育:アート系の学位
- 住んでいる場所:シティ、大学街
- 趣味:ポップ・ミュージック、スポーツ
- この層の占める割合(EU):19%
- 平均年齢:34歳
⑦プレカリアート階級(Precariat)
経済、文化、社会的資本、これらすべての資本に恵まれない階級がプレカリアートと呼ばれる不安定な労働条件を持つ人々です。
この階級の世帯の所得は非常に低く、貯蓄はごくわずかで、賃貸物件に暮らしています。
自分よりステータスの高い階級の人との交流はほとんどなく、古い工業地帯に住んでいる傾向が見られます。
プレカリアート階級
- 収入:8,253£(約110万円)
- 仕事:クリーナー、パートタイマーなど
- 教育:低い
- 住んでいる場所:南東部、田舎
- 趣味:興味が低い
- この層の占める割合(EU):15%
- 平均年齢:50歳
参考
イギリスの従来の階級制度「上流階級、中流階級、労働者階級」はもう古い。新しい7つの階級制度について興味があるかたはこちらの翻訳本が参考になります。
まとめ
以上、「【イギリス】新しい7つの階級制度とは?」について紹介しました。
イギリス階級社会のトップに君臨する6%の「エリート層」、この中には従来の「貴族」の人々がはいっています。オックスブリッジで学び、横のつながりだけで幸せに生きていくことが可能な人々と言われています。
このエリート階級に登るためには、「親」が大きな影響を及ぼします。もともと富裕家系に生まれら幸運だし、また貴族でなくても勉強してオックスブリッジへ進む道があります。しかしこれは狭き門であり、現代では中国・韓国の巨大資本がこの層へ介入してきています。
わたしは階級社会制度のない日本が好きです。もちろんすでに貧富の格差は存在していますが、イギリスほど顕著ではありません。
英国の上流階級に興味があれば、こちらの記事も合わせて読むと理解が深まります。
英国南西部デボンのエクセターよりお届けしました。 この記事があなたのお役にたてばうれしいです。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ