イギリスからこんにちは。最近アッパークラス(Upper Class)という言葉に敏感なアルノです。
イギリスは、完全な階級社会です!
現代の日本では貧富の差による格差が生まれ「階級」らしき言葉が飛び交っています。
しかし、日本人が考える上流階級と イギリスの上流階級であるアッパークラスは全く違います。
イギリスで古くから続く階級社会、その頂点であるアッパークラス(上流階級)とは何か?
今回は日本人の感覚ではよくわからない、イギリスの上流階級についてまとめてみました!
ざっと見てみるイギリスの階級(Class)
イギリスはアッパークラスを頂点とした階級社会の構造がある社会です。
この階級の中で、はっきりとした境界線がないのが中流階級であり、ロウワー・ミドルは社会的地位はあるものの収入が低い層であり、ミドル・ミドルクラスは中間といわれます。
社会的に非常に豊かな層がアッパー・ミドルという収入による生活レベルで分けられている印象です。
- 上流階級(Upper class/アッパークラス)ー貴族(基本的に称号あり・地主)
- 中流階級(Middle class/ミドルクラス)ー実業家・専門職
・上位中流階級(Upper Middle/アッパーミドル)ー大企業管理職など
・中位中流階級(Middle middle/ミドルミドル)ー事業経営者や医師など中間職
・下位中流階級(Lower middle/ロウワーミドル)ー非肉体労働の熟練職 - 下流階級(Lower class/ロウワークラス)ー肉体労働
しかし現代社会では各階級の境界がよりあいまいになっています
BBC主体の研究により、「新しい7つの階級」が発表されています。
こちらの記事を合わせて見ると、現代のイギリスの階級社会がみえてきます。↓
イギリスの上流階級・アッパークラスとは何か?
日本人がよく知る英国のアッパークラスの人物といえば、英国王室(ロイヤルファミリー)のメンバーでしょう
彼らは、イギリス上流階級のトップに君臨するファミリーです。
・チャールズ国王
・ウィリアム王子(プリンス・オブ・ウェールズ皇太子)
イギリスで言うアッパークラス(上流階級)とは、爵位にもとづく称号をもつ者、男爵以上の世襲貴族(hereditary peerage)や王室です。
いわゆる「貴族」と呼ばれる人々。それも世襲貴族(life peerage)を指します。
貴族とは、「爵位を持つ人とその家族」であり、ここにもピラミッドが存在します。
上から順に紹介します。↓
公爵(Duke:デューク) →ロイヤル・ファミリー(Royal Dukes)を頂点とする
侯爵(Marquess:マーキス)
伯爵(Earls:アールズ)
子爵(Viscount:ヴィスカウント)
男爵(Baron:バロン)
この公爵から男爵までの世襲貴族が現代のイギリスで約1,000人ほどいるかな、という計算。(個人的に数えたので確実な人数ではなく目安)
基本的に爵位を名乗るのは家長一人で、その爵位は年長の子供へ引き継がれます。
彼らアッパークラスの人々は、本人の経済活動とは関係なく代々続く家柄によって地位が定められています。
世襲貴族に与えられた特権がもたらす 広い邸宅、領地(土地)を持ち、それに基づいた生活習慣があり、文化、職業、生活スタイル、話し方など、他の階層の人々とは決定的に違う「何か」があります。
ひとつだけ、特別にこの上流階級の仲間入りをする方法があります。
それは、貴族と【結婚】すること!
英国の中流階級(ミドルクラス)出身といわれるキャサリン妃(ケンブリッジ侯爵夫人)や、アメリカの女優だったメーガン妃が「結婚」によりアッパークラス入り。
男性版では、ヨーク公アンドルー王子の娘(エリザベス女王の孫)のユージェニー王女と結婚のジャック・ブルックスバンク。
彼もミドルクラス出身で、「逆シンデレラ」なんていわれています。
アッパークラスではないが、ナイトの称号を持つもの
また、イギリスには、中世の騎士階級に由来した称号である叙勲制度があります。
「社会の様々な分野で活躍し、国家に貢献した者はナイト(Knight)として叙せられ、男性はサー(Sir)その夫人にはレディ(Lady)、女性はデイム(Dame)の称号を与えられ、社会的な名誉を与えられる」
というのがそれにあたります。
でも、まぁナイトの称号は基本は一代限りであるため一代貴族(life peerage)と呼ばれます。
世襲することは許されず(世襲化した人もいる)、国外では単なるイギリス王室から与えられた勲章に過ぎません。
サーの称号を受けたからといって、アッパークラスの一員とは認められないのです。
例えば非常に裕福であろうが、広大な土地を持とうが、城を持とうが、会社の社長であろうが、世襲貴族一家でなければ「貴族」=「上流階級(アッパークラス」」ではないのです。
イギリスでナイトの称号を与えられた有名人
【サーの称号を授かった有名人】
●ショーン・コネリー(スコットラン出身の映画俳優)
●ミック・ジャガー(英国ロックミュージシャン)
●エルトン・ジョン(英国ミュージシャン)
●ポール・スミス(ノッティンガム出身のファッションデザイナー)
●リチャード・ブランソン(英国ヴァージン・グループ実業家・冒険家)
●アンソニー・ホプキンス(ウェールズ出身俳優)
【デイムの称号を授かった有名人】
●ヴィヴィアン・ウエストウッド(英国ファッションデザイナー)
●ジュディ・ディンチ(英国女優)
●マギー・スミス(英国女優)
●内田光子(英国籍の日本人ピアニスト)
他にもたくさんいます!
イギリス上流階級の映画・ドラマのいちおし
イギリスの上流階級のくらしぶりについてはダントツで「ダウントン・アビー(Downton Abbey)」が人気です。
1912年からのイギリス、ヨークシャーのダウントン・アビー(架空)が舞台。、当時の歴史的な背景を交えながら、邸宅主の貴族クローリー一家や執事、使用人たちの人生模様を描いています。
映画より、ドラマをじっくりみるのがおすすめ。RP発音の勉強にもおすすめ。
「プライドと偏見」は、イギリス人にとって別格!女流作家ジェーン・オースティンは10ポンド札にも登場する英国民の誇りです。
▼アッパークラスの人々は、【クィーンズイングリッシュ(RP発音)】を話します。クィーンズイングリッシュを学ぶことができる映画のまとめ記事も参考になります。
▼別サイト『ドリームバーズ』でもイギリス英語全般やRP発音の学習におすすめの映画・海外ドラマのリストを紹介しています。
・関連記事)RP発音を学べる最強映画14選
・関連記事)イギリス英語を学ぶのにおすすめの映画
・関連記事)イギリス英語を学ぶのにおすすめの海外ドラマ15選
まとめ
以上、「イギリスの華麗なる上流階級とはなにか?」について紹介しました。
わたしが今までの人生で出会った「貴族」と呼ばれる人はふたり。
一人目は、ロンドン時代、友達を介して知り合った自称貴族の男性。
仲間5名でカムデンタウンのパブに繰り出しました。貴続出身の彼は、カムデンのパブで大騒ぎをしているグループを見て「見て、あの下品な。。」と顔をしかめていたのを思い出します。
「なら、カムデン来るなよっ」と思いましたが。
二人目は、日本人男性と付き合っている貴族の女性。
日本で知り合い、イギリスにそのまま一緒にやってきて同居していました。彼が「何度プロポーズをしてもOKをもらえない。。貴族っていろいろあるらしいんだよね。僕日本人だからね。。」とぼやいていました。現在は、子供もいて幸せそうです。しかし入籍しているかどうかは定かではありません。
イギリス南西部のデボンで主婦生活をしていると、縁があるのはロウワークラスからミドル・ミドルクラスあたりの人々ですが、デボンには現在も デボン伯爵の家系が続いていて、その邸宅である「パウダーハム城」は一部観光やレストランとして開放されています。(パウダーハム城についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。)
イギリスで暮らしていると、時々ドッキリ!するほど心清らかで人生のなんの問題も支障もなく、生活ぶりも豊かな人と出会うことがあります。
だいたいチャリティ活動をしていたりします。そういった人々は、横のつながりの中で生活しています。つまり横の階級のネットワークの中だけで暮らしているので、まわりもそんな人ばかり。
ミドルクラスについては 階級間の移動は可能です。デイビット・ベッカムの例で例えると ロウワークラスの人物がミドルクラスになることも可能です。
しかし、アッパークラスは幼少期より周りが同じ階級、もしくは高学歴学校で知り合うメンバーで固められるので、経済活動、社会活動、世界の政情に精通した最強の社会集団となるのです。
「階級」を普段の生活で感じないわたしたち日本人にとっては、非常に理解しがたい社会制度。しかし、イギリスで生活していると、いやがおうでもアッパークラスの人々の影響を受けます。
イギリス階級制度の頂点にいる人々、世界に多大なる影響を及ぼす社会集団、それがイギリスの上流階級、アッパークラスなのです!
英国の上流階級に興味があれば、こちらの記事も合わせて読むと理解が深まります。
英国南西部デボンのエクセターよりお届けしました。
この記事があなたのお役にたてばうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ