・ヨーロッパって火山あるの?!
ヨーロッパの火山といえば、古代イタリアのポンペイが滅んだ引き金となったベスビオ火山が有名です。
わたしは、「災害のない国」と言われるイギリスぐらし。
確かにイギリスに住んでいて大型の台風、地震、噴火のニュースなどほとんど経験したことなく、イギリス人は災害の備えをほとんどしていません。
この記事ではヨーロッパの危険な火山について、紹介します!
ヨーロッパの噴火情報、火山に興味のある人はぜひ参考にしてください
イギリスの火山活動
「イギリスには火山はない」と言われています。
ただ長い長い歴史の中で見ると、若い火山こそないもののイギリスにも火山活動があった形跡(火山岩)が残っているようです。
また、北アイルランドの世界遺産「ジャイアンツ・コーズウェー(Giant’s Causeway=巨人の赤道の意味)」は、約6万年前の火山活動で生まれたと言われる石柱群(ほとんどが六角)です。
全長8キロにわたって続く4万もの石柱群が連なる景観は圧巻!
北アイルランドを訪れる際は必ず行きたい場所です。
現在確認される火山と呼べるものはイギリスにはないようです。
現在イギリスに火山がないとしても、近隣のヨーロッパ諸国の火山噴火活動はどうなっているでしょう?
イタリアの火山(10の火山)
イタリアは、世界に誇る火山観光の国。
ヴェスヴィオ火山,エトナ火山,ストロンボリ火山、ポンペイ遺跡などみどころがたくさんあります。
エトナ火山(Etna)
2022年にも大規模な噴火があったエトナ山。
イタリア南部シチリア島の活火山(標高3329m)で、UNESCOの世界遺産に指定されています。
1169年に死者16000人、1669年に死者1万人もの噴火被害がでたと記録にある。ヨーロッパ最大の活火山といわれ、非常に活発で数カ月おきに噴火しています。
ギリシャ神話にも登場し、「ノアの洪水」を引き起こしたという説もあります。
べスビオ火山(Il monte Vesuvio)
ベスビオ火山は、イタリアのカンパニア州に位置し、歴史的に大規模な噴火を繰り返している火山(標高1281m)。
紀元79年8月24日の大噴火でポンペイを火砕流が埋め尽くし、死者は約18000人といわれる。
1631年の噴火でも死者3,000人。1944年にも噴火している。
現在は国立公園となっていてナポリ湾岸にそびえるイタリア火山の象徴的火山。
ストロンボリ島 (Isola di Stromboli)
ストロンボリ島は、イタリア地中海のティレニア海エオリエ諸島に属する火山島(標高926m)で、現在400名ほどが住んでいる。
ストロンボリ式噴火の名前の由来にもなっています。
赤い溶岩がふきだしている火山の最初の画像、あれがストロンボリ式噴火です。
夜になると、時々赤い炎が上がるのが見えるので、古代ローマ時代から「地中海の灯台」と呼ばれてきた。
ブルカーノ島(Isola di Vulcano)
イタリアのシチリア州、エオリエ諸島のヴルカーノ火山島。
ブルカーノはイタリア語で、後の英語のVolcano(ボルケーノ│火山)の由来となった火山。
過去およそ6000年の間に少なくとも9回の大きな噴火を繰り返し、最新の噴火は1888年8月3日に発生し1890年まで続いた。
現在でも山上での水蒸気や海底での硫黄質泥の噴出などがある。また、レヴァンテ港は、観光客でにぎわう港町として有名。
※イタリアの火山は、上記の他にも、パンテッレリーア島、イスキア島、そして超巨大火山と恐れられるフレグレイ平野があります。
▶フルグレイ火山については『世界で最も危険な火山トップ10』の記事で紹介しています。こちらも参考にしてください。
アイスランドの火山(約200火山)
アイスランドは,火山と氷河によって彩られた自然豊かな島です。
観光でにぎわう国であり、世界中から自然豊かで過ごしやすい夏のアイスランドを訪れます。
そんなアイスランドには、約200の火山が存在しているといいます。1個の火山ではなく火山列であったり、火口が氷河に隠れている場合もあります。
ラキ火山(Lakagígar/ラーカギーガル)
ラキ山はアイスランド南部の標高1725mの火山。
歴史を遡れば934年に人類史上でおおきな噴火が起きている。
1783年の巨大噴火は地下水がマグマに触れたことによる水蒸気爆発が原因となり長さ26kmにわたり130もの火口が誕生した線状噴火で世界中に影響を与えたといわれる。
アイスランドは壊滅的被害を受け、ヨーロッパ全土に異常気象をもたらし大飢饉をひきおこした。
フランスでは貧困と飢饉をうみ後のフランス革命の原因となったといわれ、日本では天明の大飢饉の原因となったという説がある。
ヘクラ山(Hekla)
ヘクラ山はアイスランド南部の標高1491mの活火山で、国内で最も活発な活動を続けている。
長さ27kmの火口列。最大の噴火は1766~68年噴火で、1.3km3の溶岩を流出した。1845年にも大爆発。2000年2月28日にも噴火している。
エイヤフィヤトラヨークトル(Eyjafjallajökull)
エイヤフィヤトラヨークトルは、アイスランドの氷河。
2010年4月14日に始まった噴火は、火山噴火としては比較的小規模にもかかわらず、以後20日間にかけヨーロッパ全域の航空運行を麻痺させる大混乱を引き起こす。
上空高く噴出した火山灰はジェット気流によりヨーロッパ上空に広がり、多くのヨーロッパの国では5日間航空便が欠航、ヒースローなどの主要空港も閉鎖される事態となった。
カトラ火山(Katla)
カトラ火山は、アイスランドの小さな町ヴィーグの北部にある「魔女の火山』の異名をもつアイスランドでもっとも危険な火山。
カトラ火山の上を595キロメートルにわたりミールダスヨークトル氷河(Mýrdalsjökull glacier)が覆っている。
1485年に大噴火。
氷河の下にあるために噴火すると付近は大規模な洪水がおこるため。近い将来の大型噴火の可能性が指摘されている。
アイスランドは危険な火山だらけ。しかし地熱を利用した発電で省エネルギー電力100%という火山からの恩恵をうける国でもあります。
アイスランドの火山は他にバルダルブンガ山、エルトギャゥ、スルツェイ島、エルトフェットルなどたくさんの火山があります。
ギリシャの火山
エーゲ海の青い海と切り立つ断崖、白壁の家々、まるで絵に描いたような美しい風景。ギリシャのサントリーニ島は「まるで夢の世界」だと行った人が口を揃えます。
美しい地中海を望むギリシャの国の火山を紹介します。
サントリーニ島(Santorini)
サントリーニ島は、エーゲ海に浮かぶギリシャの有名な美しい観光島。
かつての大噴火で形成されたサントリーニカルデラの大部分は海中に存在する。
サントリーニカルデラの外輪山にあたるサントリーニ島、ティラシア島、アスプロニシ島。
カルデラ中央部のネア・カメニ島、パレア・カメニ島が海面上に存在する活火山とされていいる。
紀元前1628年、ミノア噴火(海底火山の爆発的噴火)によりカルデラが誕生。
この爆発的噴火で90mもの津波が発生し、エーゲ海一帯に惨禍をもたらしたとされる。
高度な文明を築きながらも一昼夜で海に没したという「アトランティス伝説」を生む。
また、旧約聖書の出エジプト記の、モーセが弾圧されていたユダヤ人を引き連れ海を割って紅海をわたったという「海割れ伝説」の元となったいう説がある。
サントリーニ島のアクロティリ遺跡
島内の南部ではヨーロッパで最も古い文明の1つミノア文明の大規模な港湾都市遺跡「アクロティリ遺跡」が発見・発掘されており、その高度さから、アトランティス大陸伝説のモデルではないかとして有名になった。
ギリシャの火山島は、サントリーニカルデラの他ニシロス島があります。
ドイツの火山(22の火山)
ドイツに火山があったとはわたしには意外でした!
ドイツには22の火山があり、アイフェル地方に集中しています。
アイフェル火山帯(Eifel)
アイフェル火山帯はドイツ西部からベルギー東部にかけて広がる標高の低い山地アイフェル山地に位置している。
現在は豊かな自然と丘陵地に囲まれる地域だが、約1万年前に火山活動が盛んだったことを証明する280Kmにわたるアイフェル火山街道、国立自然公園があり、多くの観光客が訪れる場所になっている。
多くの城とともに、ダウンやメンディヒの火山博物館、国立自然公園、ヒレスハイムのジオ遊歩道、マイエンの火山公園・体験センター、メンディヒの溶岩地下道・火山博物館など多くの見どころがあることで有名。
ラーハ湖(Laacher lake)
ラーハ湖はドイツのアイフェル地方にある深さ51m、面積3.3平方kmの湖。
約1万3千年前の火山大噴火によって地下に空洞がつくられその後岩盤が陥没し形成した湖。
フランスの火山
フランスに火山?
私もフランス、ピュイ山脈を訪れてみてはじめてフランスが火山活動の活発な国だったことを知りました。
ピュイ・ド・ドーム( Puy de Dôme)
フランス中央部のオーヴェルニュは、森林や湖、草原などの豊かな自然が堪能できる。
その中のピュイ=ド=ドーム県にある火山群最高峰の溶岩ドーム(標高1464m)がピュイ・ド・ドーム。
約1万1千年前の大噴火で形成されたといわれる。
かつては活発な火山活動があったこの場所、現在は穏やかな約80の山脈や旧火山、湖があり、ピュイ・ド・ドームの山頂からの雄大な姿には圧倒される。
オーヴエルニュは私の夫の実家があり、ピュイ・ド・ドームにも登ったことがあります。昔の聖地とされた山頂は、壮大な景色を堪能できる観光地となっています。
フランスの火山は他にモンドールのカルデラ火山、ヴレイ火山群があります。
まとめ
今回の調べで、イギリスに活動している火山はないものの、近隣のヨーロッパ諸国の火山は多く活発な噴火活動をしていることがわかりました。
上記の他にも、スペイン(8火山)、トルコ(18火山)など、ヨーロッパにも多くの火山があります。
わたしがイギリスにいて、火山活動による影響があったといえば2010年のアイルランドのエイヤフィヤトラヨークトルの噴火による航空便の麻痺です。
当時は日本で出産準備をしていたので、夫は出産に立ち会おうとイギリスから日本へ来るため出国しました。
そして予期せぬ噴火、経路地での足止め、再予約、ルート変更、ホテルの手配、イギリスへ戻ることもできない、など大混乱に陥りました。
この噴火騒動で結局出産に立ち会うことができず、わたしたち家族にとって忘れられないこととなったのです。
フランスのピュイ・ド・ドームの山頂に立った時、その雄大な自然に感動するとともに、この見渡す限りの脈々とした山脈が活動を開始したらどうなるんだろう???と同時に恐怖の念もわきました。
出身地であるフランス人夫に火山活動のことを聞くと「数万年も前から休止している。噴火の危険などあるはずがない」と笑っていました。
ほんとうにそうでしょうか??
- 「自然にはかなわない」
- 「災害は忘れたころにやってくる」
- 「甘んじて死を受け入れる」
- 「諸行無常」
…これは災害大国に生まれた日本人がもつ独自の感性と生死感だと思います。
文明や人間そのものの持つはかなさを感じます。広大なユーラシア大陸に抱かれるヨーロッパ人には理解し得ない心持ちです。
なんてことを深く考えることができた今回の記事作成でした。
他に世界の火山についての記事を書いています。興味があればあわせてお読みください。
・世界で最も危険な火山のトップ10リスト
・2018年に危険な火山噴火の可能性!世界の6つの火山
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。アルノ