世界にはスーパーボルケーノと呼ばれる、破局噴火をもたらすほどの恐ろしい火山が存在しています。
それら火山の多くは、長い眠りについていて、
そして、、、いつ起きるかわからない、そんな状態です。
また、スーパーボルケーノではないものの、火山周辺に人口が密集していて、噴火した場合に壊滅的な被害を被る危険な場所もあります。
もし、それらの危険性がある火山が噴火した場合、地球壊滅まで考えうるほどの大災害、人口密集地帯であるがゆえに一国の状勢を揺るがすほどの甚大な被害を被る恐れがあるのです。
もう、、、本当に考えただけで怖いんですけど。。
危険を煽るのではなく、冷静に知っておくべきこととして
【世界でもっとも危険とされる火山のランキング、トップ10】を紹介します!
世界でもっとも危険な火山ランキングトップ10リスト
「世界でもっとも危険な火山ランキングトップ10リスト」の調査は、2015年の11月にマンチェスター大学(University of Manchester)のアルバート(Albert Zijlstra)教授らの研究結果により、発表されました。
このリストの重要な選定基準は、2つありました。
1)今後10 – 100年以内に壊滅的な噴火を起こす可能性がある。
2)本格的な大噴火の影響から100万人以上の人命が危険にさらされる可能性がある
それは、近い将来に噴火を起こす可能性があり、さらに100万人以上が犠牲となりうる、火山系のトップ10リストというとこになります。
それでは、世界でもっとも危険視されている10の火山をランキングで紹介します。
10位.ケルート山(Gunung Kelud):インドネシア
ケルート山は、インドネシア ジャワ島の東ジャワ州にある火山です。
環太平洋火山帯にあり、ケルート山は歴史の中で1000件以上の大きな爆発で知られています。(過去600年で15,000人以上の死者をだしています。)
影響をうけるのは、インドネシアの東ジャワ州の都市であるマラン(Malang)だといわれます。
インドネシアは、他に「ムラピ山」、「シナブン山」と多くの活火山がある国です。こちらの記事でも紹介しています。
9位.マヨン山(Mayon):フィリピン
マヨン山は、2018年1月よりその爆発的噴火のニュースで世界を驚かせました。
Twitterで爆発の様子が一斉に世界に出回ったのは記憶に新しい。美しい景色と恐ろしい噴煙の対比がさらに恐怖をかりたてました。
このマヨン山は、フィリピンのルソン島南部、ビコル地方アルバイ州にある標高2,463mの火山です。
影響をうけるのは、フィリピンのレガスピ(フィリピン中部アルバイ州の都市。アルバイ州の州都で、ビコル地方の政治的中心都市)といわれています。
8位.タール山(Taal):フィリピン
タール火山は、フィリピンの首都マニラから車で約1時間、タール湖(タールカルデラ湖)中心付近の火山を指します。
タール火山は活動的な活火山で、カルデラ内には、タール湖(カルデラ湖)、湖の中央には中央火口丘である700Mほどの火山島(Volcano Island)がつくられています。
この湖にうかんだ火山島、世界最小の火山と言われ、観光で訪れる人も多い場所です。
写真見てみると、本当にキレイ!
タール火山が非常に活発であることと、首都マニラをふくむ人口密集地域であることが、非常に恐れられています。
噴火の最も大きい影響を受ける場所は、やはり首都マニラです。
7位.カメルーン山(Mount Cameroon):カメルーン
カメルーンってまた、、アフリカのどこだっけ?
と地図を確かめました。。
カメルーンは、アフリカの中部に位置する森林に覆われた国。
日本では、サッカーで有名です。
このサッカー、ドイツ保護領時代(1880年代)に伝わり、それ以来サッカーが盛んになりました。
カメルーン山は標高4,095mと非常に高くアフリカ大陸で7番目の高さ、またギニア湾岸に位置しています。
年間を通し降水量が多いことでも知られる山。
このカメルーン山の噴火の歴史は、紀元前5世紀に起こったものが最古とされ、穏やかな噴火と激しい噴火を繰り返しています。
噴火した場合の影響は、次の2つの大きな都市に影響があるといわれます。
ひとつは、カメルーン共和国最大の都市でリトラル州の州都であるドゥアラ。
大西洋のギニア湾に面していて、北西にカメルーン山!人口約250万人で、周辺都市を含めると300万人の都市。
もうひとつは、カメルーンの南西州の州都ブエア(Buea)ー 人口は約12万人。
6位.アグン山(Gunung Agung):インドネシア
Public Domain, Link By Sadalmelik – Own work, CC BY-SA 3.0, Link
アグン山は、バリ島の北東部に位置する火山。
2017年から2018年にかけ噴火し続け、バリ島民、観光客の足を止めるなどの甚大な被害がすでにでています。
噴火した場合、最も高く影響をうけるのは、やはりバリですね。
5位.トランスメキシコ火山帯(Trans Mexico Volcanic Belt) :メキシコ
By Soleincitta – This file was derived from Mexico relief location map.jpg: by CarportData: Earth Science StackExchange, CC BY-SA 3.0, Link
トランスメキシコ火山帯とは、メキシコ南部の中央を覆う火山ベルトを指し、孤を描いたような地帯に7つものカルデラを持っています。
中でもポポカテペトル山は「メキシコ富士」の異名をもつ非常にうつくしい山です。
影響をもっとも受けるのが、メキシコシティ、プエブロPueblo、トルーカTolucaだといわれます。
問題は、このベルト上の都市の人口の多さです。
メキシコシティは約2250万人、プエブラは約210万人で、トルカの人口は約160万人と、、約2500万人を超えています。
▶ポポカテペトル山の噴火活動の危険性については、こちらの記事でも紹介しています。↓
4位.阿蘇山(Mount Aso):日本・熊本
By Sonata at Japanese Wikipedia, CC BY-SA 4.0, Link
世界で最も危険な火山の4位にも日本、熊本の火山がはいっています。
周辺は草千里などの風光明媚な観光地として多くの観光客が訪れる阿蘇山です。
この阿蘇山は、外輪山と数個の中央火口丘から成り、世界最大級の面積380km2の広大な鍋型カルデラ地形を形成しています。
過去にも噴火が多い阿蘇山、恐れられているのはやっぱり「カルデラ噴火(破局噴火)」!
阿蘇山では、約27万年前から9万年前までに巨大なカルデラ噴火が起きており、特にその中でも4回目の噴火であるAso-4 は規模が大きかったと記録されています(ウルトラプリニー式噴火=破局噴火)。
火災流は九州全土を襲ったとされ、現在の研究で火山灰は北海道、韓国にまで達したことがわかっています。
これまでの阿蘇山のカルデラ噴火の間隔は、平均して6,000年に一度。
そして、最近の7,300年間は発生していないため、いつ起こっても不思議がない状態といえます。
影響をもっとも受けるのが、熊本・長崎だといわれます。
破局噴火とは、地下にたまったマグマが一気に地上に噴出する大規模噴火のことです。地球規模での環境変化や大量絶滅の原因となる壊滅的な噴火形式のこと
破局噴火は、別名でウルトラプリニー式噴火、カルデラ噴火とも呼ばれています。
3位.フレグレイ平野(Campei Flegrei):イタリア
イタリアの南部、ナポリ西部をいだくフレグレイ平野は、多数の火砕丘を含む長さ13kmにもにおよぶカルデラ、超巨大火山(スーパーボルケーノ)ですね。
カルデラ内には港町ポッツォリなど都市があり、440万都市ナポリが最も恐れている火山だといわています。
もし巨大爆発が発生した場合、人口の多いカルデラ内の都市、近隣の都市をまきこみ、その立ち上る噴煙の影響で、ヨーロッパ全体に甚大な被害を引き起こすでしょう。
再び大規模噴火を起こす可能性が警告されています。
スーパーボルケーノとは破局噴火を起こしうる超巨大火山のことです
▼イタリアには、ポンペイなど多くの火山があります。ヨーロッパもアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトルの2010年の噴火で騒然となった歴史もあり、要チェックです↓
2位.アポヤケ山(Apoyeque):ニカラグア
ニカラグアは中央アメリカに位置する大きな国で、首都はマナグアです。
観光は、火山活動が育てた山々やニカラグア湖などの風光明媚な大自然と、スペイン支配時代に建てられたグラナダ大聖堂などの建物群。
アポヤケとは、Chiltepe半島を形成する火山群をさしています。
もし、このアポヤケ山が噴火した場合、影響をもっとも受けるのが、ニカラグアの首都マナグアだといわれます。
最後の噴火は紀元前50年ごろ、歴史上で最大の爆発の1つといわれ、火山爆発性指数(VEI)は6でした。
アポヤケの驚異は、水中噴火であり、噴火により巨大な津波を起こす危険性があります。
そして、この火山は2000年ごとに大規模な噴火を起こして、最後の噴火が2000年前なのです。
と、、、いうことは。。?
By Nicaragua_location_map.svg: Alexrk2
derivative work: Christinebenson58 (talk) – Nicaragua_location_map.svg, CC BY-SA 3.0, Link
1位.硫黄島(Iwo Jima):日本・小笠原諸島
世界でもっとも危険な火山、それは日本の硫黄島です。
硫黄島は東京都、小笠原諸島の南端にある島で、第二次世界大戦の【硫黄島の戦い】で世界的に有名になった島でもあります。
硫黄島は、マグマの下にある大きなマグマ溜まりの影響で、隆起が起こり続けています。
1945年(米軍が上陸した海岸当時)は海岸から17メートル上にあったのに対し、2015年度は約20メートル高くなっています。マグマによる隆起が4年に1mとは。。
もし大爆発があった場合、日本のみならず上海や香港を含む中国沿岸部に大きな影響を与えるほどの大津波(高さ約25mと予想)を引き起こすと推測されています。
2020年11月以前の記事では、この記事で【鹿児島】の硫黄島であると記載していました。2020年11月6日、正しくは【東京都の硫黄島】であると変更するとともに、間違った記載をしていたことを深くお詫びいたします。
まとめ
以上、2015年に発表された「世界でもっとも危険な火山トップ10リスト」を紹介しました。
私が今までにまとめた火山研究家たちが警告した火山の多くが実際に噴火しています。
今後の火山の動向に注視すべきですね。
火山ニュース、情報入手で非常に有用なサイトを2つ紹介します。
▶日本のサイト「ハザードラボ」
▶海外の火山サイトで有名な「Volcano cafe(ボルケーノ・カフェ)」
「ボルケーノ・カフェ」は、スウェーデンで軍歴があり大規模アマチュア火山学者の大尉であったHenrikLovënが作ったサイトです。本格的な大量の火山情報を見ることができます。
この「世界で最も危険な火山トップ10のリスト」を作成したマンチェスター大学のアルバート教授は…
「火山のモニタリングが非常に悪い地域があり、火山の監視が不十分な人が多い」
と、適切に監視されていない火山が数多くあることを警告しています。
「このリストの火山付近に住む人々が、噴火の準備に役立つ助けを得ることを願っています」
これは、この研究調査に関わったメンバーからのメッセージです。
最後に、「火山」についてわたしの想いをひとこと。
大災害をもたらした恐ろしい噴火の歴史があるものの、火山による自然の恩恵も地球は受けています。
自然の造形美、観光、温泉、湧き水、地熱発電、カルデラ湖、、、
忘れがちなこんなことも頭の片隅においておきたいものです。
【世界の火山、合わせて読みたい記事はこちら】
▶「2018年に危険な火山噴火の可能性!世界の6つの火山」
▶「ヨーロッパ6ヶ国の危険な火山まとめ!世界的噴火活動」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ