・イギリスに反日感情ってあるの?
最近 日本の友人から
- 「イギリスでは差別ないの?」
- 「イギリスには反日感情はないの?」
と心配されたので、イギリスの反日感情について、VJデーから考えてみましょう。
この記事では、イギリスで毎年8月15日にお祝いされる「対日 戦勝記念日(VJデー)」、イギリスでの差別についての体験談も含めて紹介します。
海外で日本人差別があるのか興味がある人、これから海外へ移住を考えている人は、わたしたち日本人が海外でどのような感情をもたれているのかを知るきっかけになるはずでう。
記事を書いているのは、在英歴10年のアルノです。イギリスの反日感情について知ることができます。
イギリスに反日感情はあるのか?わたしの体験談
イギリスに反日感情があるのか?
わたしの個人的な答えは、
「お年寄りは反日感情を持っている人もいるかもしれないが、日本に興味のない人が多い」です。
この意見に意義のある人は、たぶんロンドンなどの大都市や、教育レベルの高い地域に住んでいる、または日本企業が進出している地域に住んでいる人ではないでしょうか?
こういった英国でも日本人が多い地域は「知日派、または親日派が多い」印象をうけます。
私の個人的な経験では、反日らしきニュースや実際の差別体験はありません。(アジア人差別はあります)
その他のイギリス各地では、日本人について詳しく知らない、または興味がない人が多いな、という印象です。
これがフランスやイタリアとなると事情が変わり、日本に興味のある人、知日派が多い。
それは、これらの国の人々が子供の時代にふれる「日本のアニメ」の影響が大なのです。
フランスではずっと日本のアニメばっかりですよ!現代でも(汗)
対してイギリスで放映される日本のアニメは「ポケモン」一択。
「妖怪ウォッチ」や「遊戯王」「ドラゴンボール」なども放送されていますが、国民的な絶大な人気があるとは思えません。
イギリス人の友人に反日感情について聞いてみました。
その知人たちの意見としては、もし反日感情を持っているイギリス人がいるとしたら、それはこんな人たちだそう。
・お年寄りで、戦争体験がある人
・祖父母から戦時中の日本との対戦の話を聞いている人
・第二次世界大戦での海戦や捕虜になった経験を持つ親族や知人がいる人
・歴史の授業で世界大戦を勉強する過程で「日本=悪い」という思考に至った人
わたしの個人的な体験で印象にのこっているのが、デイホームでボランティアをしたとき。
あつまったお年寄りに、自己紹介で「日本人です」というと、一瞬場が凍りつくようになった、、ということが唯一の疑問を感じた出来事でした。
しかし実際にお年寄りと会話をつづければ、出身国に関係なく接することができました。
わたしの周りで実際に聞いた差別行動は、、
- 看護師をしている友人が、いきなり手を振り払われた
- いきなり「国へ帰れ!」と絡まれた(ロックダウン中)
- レストランスタッフの友人が、お客さんから「あなたじゃないイギリス人を呼んで」と言われた
という話をききましたが、これらは
- ブレクジットの影響による移民嫌悪
- 英語を話せない人への戸惑い
- 日本人に特化しない、アジア人全般にたいする差別意識をもつ人がいる
などで、「反日」とはまた違う印象を持ちます。
対日戦勝記念日(VJデー)はいつ⁉
次に日本人にとっての終戦記念日、「8月15日」についてイギリスから見た光景を紹介します。
この日、イギリスでは「VJデー」と呼ばれ、毎年8月15日に行われる対日 戦勝記念日です。
この「VJデー」こそ、日本人が知っておきたい国際知識のひとつです!
VJデーとは何か?
VJデー(Victory over Japan Day)とは、
イギリスでは毎年8月15日に行われる対日戦勝記念日を指しています。
すなわち、第二次世界大戦での連合軍における日本との戦争の終戦日です。
この日が実質的な第二次世界大戦の終戦日となりました。
連合国からの目線:日本が降伏し平和が戻ったことを祝う日
日本からの目線 :戦没者への追悼の日
日本は1941年12月8日、アメリカのハワイ真珠湾攻撃によって第二次世界大戦に参戦。(枢軸国として)
1945年5月8日にドイツが降伏しヨーロッパでの戦争が終結しました(VEデー)。
▼VEデーについてはこちらの記事が参考になります。
それにもかかわらず、まだ降伏していなかったのが日本です。
イギリス軍は日本との戦いのため、多くの兵士が東アジアへ派遣され、戦争は続いていました。
他の枢軸国が次々と降伏しますが、日本だけが最後までず戦い続けている状態の中、1945年3月に東京大空襲をうけます。
1945年8月6日に広島、つづいて8月9日長崎と2つの原子爆弾が投下され、日本は壊滅的な被害をうけました。
その後 日本政府は無条件降伏「ポツダム宣言」に調印し、1945年8月15日にトルーマン大統領(アメリカ)がホワイトハウスにて日本に勝利したと宣言。
日本ではこの日、天皇による「玉音放送」が流れました。
VJデーは対日本の終戦記念日だった(8月15日)
当寺は、イギリスをふくめ世界中の連合国の人々がこの日を祝いました。
日本の降伏は、6年も続いた第二次世界大戦が終わったことを意味していたのです。
その後、9月2日横浜の米軍艦ミズーリー号上でマッカーサー元帥と日本軍の降伏文書調印式が正式に行われました。
この日は、国際法上で正式に戦争が終わった日となりました。
このため、9月2日、9月3日をVJデーとする国もあります
(アメリカ、中国、ベトナムなど)
イギリスでは、どちらの日付もVJデーとして知られています。(5月8日メイン)
日本とイギリスの友好関係
日本とイギリスの交流は約400年の歴史があります。
日本とイギリスの正式な国交は、1613年の徳川家康の治世から始まりました。
イギリス国王ジェームズ1世の国書が家康に奉呈され、長崎の平戸に東インド会社が商館を設立。
エリザベス1世亡き後にジェームス1世が王になってから10年後ですね。
この間、、
国交が断絶したり、
「日英日英和親条約」や「日英修好通商条約」など日本に不利な不平等条約がむすばれたりします。
さらに
1862年に薩摩藩士によりイギリス人が殺害されるという「生麦事件」発生。
生麦事件の報復としてイギリス海軍が鹿児島を砲撃し、「薩英戦争」勃発。
しかしこの戦争でお互いを認めた薩摩とイギリスの関係は良好となり、さつまはイギリスへ留学生を送り、貿易を始めます。
▼密航という危険をおかして渡英した 薩摩スチューデントの記事が参考になります。
明治維新をへて、、
1902年には「日英同盟(軍事同盟)」(1923年失効)が結ばれ第一次世界大戦では同盟国となりましたが、第二次世界大戦では、日本は枢軸国、イギリスは連合国として対戦しました。
第二次世界大戦前後は、サンフランシスコ条約締結後に日英関係が正常化。
1953年のエリザベス2世の戴冠式に 昭和天皇の名代として皇太子明仁親王(上皇)が参列。
▼明仁上皇の記事が参考になります。
対戦終了からこの頃がイギリスの「反日感情」が高まった時代だったといわれています。
1971年に昭和天皇ご夫婦がヨーロッパを歴訪、イギリスも訪れます。
1975年にはエリザベス2世がイギリス国王として史上初の訪日をはたし、その後はイギリス王室と日本の皇室の交流が盛んになります。
その後の日本とイギリスの関係は良好であり、G7国として緊密な関係の維持・強化をはかっています。
また日本の皇室の留学先といえば、オックスフォード大学を筆頭にしたイギリスの大学が選ばれています。
まとめ
以上、「【イギリスに反日感情?】8月15日の対日戦勝記念日【VJデー】を知ろう 」について紹介しました。
まとめると
- 毎年8月15日の対日終戦記念日(VJデー)に、イギリスでは日本が降伏した日を祝っている
- 反日感情がたかまった時期もあるが、歴史的にイギリスと日本は友好国であり、現在も良好な関係を築いている
- 知日派、親日派もいる、無関心な人も多い
- 移民嫌悪や、アジア人嫌悪のひともいる
また大戦で日本軍は、イギリスやオランダ、アメリカの植民地だったインド、マニラ、シンガポール、ミャンマー(ビルマ)、フィリピンなどの国を占領しました。しかし実質的には欧米の植民地から開放したとも言われています。
特にインドでは占領ではなく、日本からの支援だったという考え方でイギリスからの独立に逆に貢献しました。
イギリスのあと2つの終戦記念日についてはこちらの記事をぜひ参考にしてください
»【リメンバランスデー】日本人も知っておきたいイギリスの終戦記念日
»【海外の終戦は?】ヨーロッパ戦勝記念日【VEデー】について学ぼう
英国南西部デボンのエクセターよりお届けしました。
この記事があなたのお役にたてばうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ