幸せってなんだろう?
イギリス南西部デボンの田舎町よりこんにちは。アルノです。
「世界幸福度ランキング」を知っていますか?
2020年3月20日、世界幸福デー(The International Day of Happiness)にちなみ、WHO(国連)から「世界幸福度レポート」が発表されました。
このレポートは、「一人当たりのGDP」、「平均寿命」、「社会的つながりがあるか」、「寄付をした人の度合い」、「政府の腐敗」、「昨日楽しかったか」などの質問を対象国で世論調査したものです。
世界の国で「わたしは幸福だ!」と考えている人がその国にどのくらいいるか?という調査ですね。
新型コロナウィルスのパンデミックにより、世界中で幸せを見失った人たちが溢れているように感じます。わたしもその一人。
この世界幸福度ランキングでみえてくる「幸せって何だろう?」、幸福度の高い国の共通点とは何か、一緒に考えてみませんか?
幸福度ランキングトップ5の国の紹介と、個人的な考察をまとめました。
第5位、ノルウェー(Norway)
ノルウェーは、美しいフィヨルドが有名な北欧の一国。
ノルウェーの幸福度のキーワードは「差別撤廃の国」、そして「男女平等」。
父親の育休取得率は世界のトップで約90%の男性が育児休暇を取得し、男性も家事や子育てに参加。教育については、小学校から大学まで授業料は無料。
男女平等徴兵が義務づけられ、男子のみならず女子も18歳になると徴兵されます。高校卒業後はギャップ・イヤーという自分の進路をみつめるための時間を選択できるため、この期間を利用して海外へ旅立つ若者が多いのです。
ノルウェーは移民も多い国だけど、肌の色や民族、宗教などによる差別や不平等をできるかぎり排除しようと試みています!
第4位、アイスランド(Iceland)
アイスランドは、北欧の北太平洋にあって、多くの火山や温泉がある自然豊かな島国です。
アイスランドは氷河や火山がそこら中に点在していて、人々は広大な自然とともに暮らしています。資源利用も巧みで温泉を利用した地熱発電で電力を賄っています。
アイスランドの幸福のキーワードは「ジェンダー格差が世界最小」、「みんな顔見知り」。
アイスランドの人口は約35万人と非常に少ないため「全員が顔見知り」、互いに協力して生きるという価値観があるといわれ、社会的コミュニティが密です。
教育においては大学まで授業料は無料。父親限定の3カ月の育児休暇を導入。女性も貴重な働き手であるため女性の社会進出が進み、ジェンダー(男女)の格差が最も低い国だといわれています。
国会議員の約半分が女性議員!
第3位、スイス(Switzerland)
スイスは、ヨーロッパの中心にある永久中立国です。
観光や時計産業、世界銀行が集結する金融都市でもあり、アルプス山脈のおひざもとで雄大な自然が広がる国です。
スイスの幸福度を考える上のキーワードは「高齢者の幸福度が高い」です。
世界で最も高齢者が暮らしやすいと言われ、高齢者の社会参加支援が充実しています。お年寄りになっても社会とずっと繋がりがある環境を整えている国だといえます。医療費の負担は重いものの、レベルの高い医療が受けられます。
GDPの教育政策に当てる割合は高く(5%ほど)、教育制度は州によって異なりますが大学まで無料、14~15歳の若年で自分の将来を決め、若いうちから進路に適した技術を磨きます。
徴兵制度があり、20~30歳の男性に兵役義務、女性は任意。
第2位、デンマーク(Denmark)
デンマークは、首都コペンハーゲン、北欧のユトランド半島に位置する国です。
デンマークの幸福度を考える上のキーワードは「共生社会」、「投票率の高さ」です。
国民の投票率は高く、なんと約90%もの国民が投票します。国民の関心事は十分な生活保障。また教育予算の割合が高く、テストのない非競争的なシステム、学費は大学まで無料、しかも大学に入ると月約10万円の手当までもらえるしくみ。学生はお金の心配なく学業に専念できるのです。また、デンマークでも18歳男子は兵役制度があります。
医療費は無料、国民年金は平等ではなく高所得者の中には国民年金がもらえない世帯もあります。しかしデンマーク人には、「共生」の概念が存在するため、「みんな平等に普通の生活・権利が保障される」ことが重要だというのです。
デンマークの物価はヨーロッパでもトップクラスで高い。しかしみんなで幸せになろうという「共生」の価値観が浸透し、社会保障が手厚い国です。
第1位、フィンランド(Finland)
フィンランドは2018年から3年連続で世界幸福度ランキング第一位に輝く北欧の国です。
国土の約70%が森林と湖に覆われ、自然享受権(誰でも森林を自由に歩ける権利)や世界一安全な国としても知られています。
フィンランドの幸福度で重要なキーワードは、「Sisu(折れない心、忍耐)」、「子育てしやすい」と「国民の所得格差が少ない」ということ。
フィンランドでは赤ちゃんがうまれるとベビーボックスが配布されます。ボックスには服やおむつ、ミルク、本、おもちゃ、新生児を育てるためのグッズはすべてあるため、両親は赤ちゃんのたに何も揃える必要はありません。ボックスはそのまま赤ちゃんのベビーベットとして使えます!子育てのしやすさは世界一と言われています。
母親は子育て十分な子育て手当をもらいながら、1年じっくり赤ちゃんを育てることができます。大学まで授業料は無料、大学入学前にギャップイヤーをもあります。
選挙投票率は約70%、女性議員が約半数、福祉の充実と国民の所得の格差が低いこと、国民の幸福の考えかたが「リッチになること」にフォーカスされていないため、国民ひとりひとりが穏やかに暮らせていると言われています。
世界幸福度ランキングその他の国
おさらいを兼ね、2020年度の世界幸福度ランキングTOP10を紹介します。
【世界幸福度ランキング2020年度トップ10】
- フィンランド
- デンマーク
- スイス
- アイスランド
- ノルウェー
- オランダ
- スウェーデン
- ニュージランド
- オーストリア
- ルクセンブルク
日本は62位、3年連続で幸福度は下がり、G7諸国の中では最下位の幸福度です。
他のG7国の幸福度ランキングをみてみると、、、
- 11位:カナダ
- 13位:イギリス
- 17位:ドイツ
- 18位:アメリカ
- 24位:フランス
- 30位:イタリア
- その他、韓国は61位、中国は94位という結果でした。
参考
>https://worldhappiness.report
この本でフィンランドの幸せの思考法がわかります。おすすめ。
>シャイで人見知りな典型的フィンランド人、マッティのほのぼの漫画。
まとめ
以上、「【2020年度】世界幸福度ランキングTOP5│今こそなにが幸せか考えよう」の記事でした。
しかし、ヨーロッパ諸国、特に北欧は幸福度が高いですね!
2020年から始まったこの幸福レポートでは、フィンランド、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、アイスランドなどの北欧諸国は常にトップにランクインしています。
こうして見ていると、国民の幸せ度が高い国というのはある共通点があること気づきます。
国民の幸せ度が高い国の共通点
- 雄大な自然と共に暮らす
- 水、空気が新鮮でおいしい
- 「ゆりかごから墓場まで」の福祉制度の充実
- 子育てのしやすさ・学費は大学まで無料
- 所得格差が少ない
- 男女平等、あらゆる差別をなくす取り組み
- 国民投票率が高い
- 国会で若い層と女性が活躍
- 徴兵制度のある国も多い(ノルウェー、デンマーク、スイス)
この質のいい医療や教育、福祉サービスを実現するためには、税率を上げる必要があります。実際に幸福度の高い国の税金はとても高く、女性も社会的経済活動に参加できるような納税と就労のバランスをとっています。
それから、、、見よ!この幸福度の高い国の女性首相の顔ぶれ!
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フィンランド首相は若干34歳の女性、サンナ・マリン氏
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デンマーク首相は、41歳の女性、メッテ・フレデリクセン氏
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アイスランド首相は、44歳の女性、カトリーン・ヤコブスドッティル氏
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ノルウェー首相は、59歳の女性エルナ・ソルベルグ氏
幸福度ランキングトップ5カ国中、なんと4ケ国が若い女性の党首です。私からするとけっこうな衝撃です。彼女たちの政策は子どもたちの将来をきっちり見据えているでしょう。
日本の総理である安倍晋三氏は65歳、日本の未来をどのようにみているのでしょうか?
GDP(国民総生産)の2020年のランキングは、、、
- 一位:アメリカ
- 2位:中国
- 3位:日本
- 4位:ドイツ
- 5位:イギリス
「GDPの高い国=(イコール)幸せ」ではないことがわかります。
日本は豊かな自然や、互いを思いやる精神、医療の質のよさは備わっています。一方で社会的な格差はどんどん広がり、若者に希望がないといわれています。日本政府が新型コロナウィルス経済対策で打ち出した、「お肉券」や「魚券」の議論は海外で聞いていて非常に衝撃的でした。
この記事を作成して一番感じたことは、幸福度は国民ひとりひとりが感じる尺度であるということ。「国民がなにを求めているのか」という視点と「国の政策」との間に格差がないことが重要だということです。
例えばもしわたしが北欧と同じような高福祉や所得の心配をしないでいい国家を夢見るのであれば、そのような政策を掲げる政治家をみつけて投票するしか道はない、ということです。
今年の投票率は上がるでしょうか?若者が希望と明るい未来を考えられる政治家が誰なのか、マスコミに踊らされず自分の目で選ぶことが重要だと私は感じました。
あなたはどう感じましたか?
この物価の高いヨーロッパの過去記事とリンクしています。
>【物価の高いヨーロッパの国ランキング】トップ10!
英国南西部デボンのエクセターよりお届けしました。 この記事があなたのお役にたてばうれしいです。 あなたにも私にも、しあわせがやってきますように。