2023年のラマダンはいつ?
イギリス南西部デボンの田舎町よりこんにちは。アルノです。
世界中のイスラム教徒達が毎年行う重要な宗教行事が、ラマダンや犠牲祭です。
この記事では、2022年のイスラム教圏の代表的な祝日や祭日、2大イスラム祭り、イスラム教の基本ルールを紹介します。
世界第二位で信徒が多いイスラム教について知っておくことは、いまやグローバル社会で知っておきたい知識です。
記事を書いているのは、在英歴10年のアルノです。中東などイスラム教圏と仕事の取引がある人や、旅行や移住の予定がある人、イスラム教に興味がある人におすすめの記事です。
2023年イスラム教の祭日
代表的的なイスラム教の祭日(2023年)を紹介します。
以下の祭日はイスラム暦からわりだされていますが、国によって1~2日ずれることがあるので注意してください。
祝日 | 内容 | |
2月17日(金) ~ 2月18日(土) | 預言者昇天祭 イスラ・ワル・ミラージュ (Isra and Miraj) | ・預言者ムハンマドが昇天したことを記念する日 |
3月22日(水) ~4月21日(金) | ラマダン (Ramadan) | ・断食月 (約1ヶ月続く) |
4月17日() | コーラン啓示の日 ライラトゥル・カドル Laylatul Qadr | ・コーランの最初の詩が 預言者ムハンマドに明らかにされた夜を祝う (Night of Power) |
4月21日(金) | 断食明け大祭 イド・アル・フィトル (Eid ul Fitr) | ・ラマダンの終わりを祝う日 |
6月28日(水) ~7月02日(日) | 犠牲祭 イード・アル=アドハー (Eid ul Adha) | ・アブラハムがアッラーへの犠牲に 息子のイシュマエルを捧げた事を記念する |
7月19日(水) | イスラムの新年 ムハッラム (First day Muharram) | ・イスラム歴の新年 |
9月05日(火) ~9月06日(水) | アルバイン (Arbaeen) | ・シーア派最大の宗教行事 ・預言者ムハンマドの孫であるフサインの殉教を追悼する日 |
9月26(火) ~9月27日(水) | 預言者誕生祭 マウリド・アン・ナビ(Milad un Nabi ) | ・預言者ムハンマドの誕生祭 |
ラマダンとは?
「ラマダン」は、もともとはイスラム暦の第9月を指す言葉で、この月には「断食」を行います。
イスラム教徒には「五つの義務」が課せられていますが、ラマダンはその重要な修行のひとつです。
イスラム教の五つの義務とは、
①信仰告白
②礼拝
③喜捨
④断食
⑤巡礼
です。
ラマダン月では、日の出から日没までの間、飲食・喫煙・性交を断つことが求められますが、この行為は 信仰心を養い、自制心や奉仕の心を育てることが目的とされています。
イスラム教徒にとっては非常に特別で神聖な月なのです。
2023年のラマダンは→3月22日~4月21日の1ヶ月です。(国によって多少前後する)
ラマダン断食中でも 日没から日の出までの間は食べていいそうです!
▼ラマダンについてはこちらの記事でまるごとわかります↓
イスラム教の2大祭り
イスラム教の大きな祭日といえは「イド・アル・フィトル」と、「イード・アル・アドハー(犠牲祭)」の2つです。
イド・アル・フィトル(Eid ul Fitr)とは?
ラマダン(断食を行う月)が明けたことを祝う祭日です。
1ヶ月も続いたラマダンがようやく終わると、人々は新しい服を着て、モスクへ礼拝にでかけます。
また家族や友人があつまり ごちそうを食べてお祝いします。
国によっては大型連休となり交通の混雑が予想される日でもあります。
犠牲祭│イード・アル=アドハー(Eid ul Adha)とは?
日本で「犠牲祭」と呼ばれるこの祭りは、イスラム教徒の聖地メッカへの大巡礼(ハッジ)の終わりに行われる3~4日も続く祭りです。
もともとは、アブラハムが息子のイシュマエルをアッラーへの犠牲として捧げた事を記念する日です。
祭りの期間はイスラム圏の国々では休日になり、人々は 神(アッラー)への捧げ物として、羊や牛、ヤギなどの家畜を解体し、家族や友人、また貧しい人々へ捧げます。
イスラム教徒のルール
イスラム教には守らなければならない さまざまなルールがあります。
また 「ハラール(イスラム教で許されていること)」と「ハラーム(禁じられていること)」という概念が重要視されています。
イスラム教徒が食べてもいい食材を「ハラール・フード」と呼び、イスラム教徒たちは、専用のハラール専門店や、「ハラール・レストラン」を利用します。
ここでは、イスラム教徒と接する機会の多いイギリス在住のわたしが「イスラム教徒の知人と接して 重要だと感じたいくつかのルール」を紹介します。
豚肉 を食べることは禁じられている
イスラム教徒たちと一緒の食事で 一番気をつけなければならないのが「豚肉」です。
豚肉は明確に禁じられてるため、たんに「豚肉をださなければいい」というわけではありません。
豚肉を使用したソーセージやベーコンなどの加工食品、豚由来成分のラードやゼラチン、ショートニングなどもNGです。
イスラム教の人を食事に招くときは、同じものを食べるときには、本当に気をつけなければなりません。
豚肉に代表される イスラム教で禁じられた食べ物は「ハラーム」と呼ばれます。
アルコールは禁じられている国が多い
アルコールも禁じられている国が多いですが、国によって違いがあります。
以前いろんな人種の人々が集う持ち寄りパーティで、フルーツサラダを持っていきました。
わたしは赤いザクロからつくられた「グレナデン・シロップ」を使ったのですが、モスリムの人たちから食べる前に「お酒じゃないの?」と質問されたことがあります。
お酒ではないのでセーフでしたが、「イスラム教徒ではお酒が禁止されている」ということを実感した出来事でした。
礼拝
イスラム教徒は、基本的に 毎日5回、メッカの方角を向いて礼拝します。
英語レッスンの休み時間に 同級生のモスリムの女性が、おもむろにバックから小さなカーペットのようなものを持ち出し、床に敷いてお祈りをはじめました。
わたしにとっては、「いきなりココでっ!?」とめんくらった出来事でした。
毎週モスクへ礼拝に出向く人もいれば、生活の中でお祈りができる時間をみつけて礼拝をする人もいます。礼拝はとても大事なことだそうです。
女性は肌や髪の露出を控える
イスラム教の女性が肌や髪をみせることができる男性は 基本的に家族だけだそうです。(国によって違いがある)
外出するときは 体のラインや肌を隠す服を着て、髪はヒジャーブ(髪を覆うスカーフ)で覆っているイメージです。
いつもヒジャーブで髪をかくしていた女性が、実はつややかで豊かな長い髪だったことがわかり、めちゃくちゃびっくりしたことがあります。
常日頃ヒジャーブで髪を紫外線から守っているからでしょうか、それまでみたどんな人より美しい髪でした。
イスラム教圏とは?
イスラム教国とは、「イスラム教を国教としている国」、または「人口の大半がイスラム教徒の国」などさまざまな定義がります。
世界人口の中で、イスラム教徒の人口が多い国のトップ10を紹介します。
- インドネシア(約2億3千万人:国の人口の84%)
- パキスタン(約2億人:国の人口の92%)
- インド(約1億9千万人:人口の14%)
- バングラデシュ(約1億5千万人:人口の93%)
- ナイジェリア(約1億9千万人:人口の53%)
- エジプト(約9千万人:人口の90%)
- イラン(約8千万人:人口の99%)
- トルコ(約8千万人:人口の97%)
- アルジェリア(約4千万人:人口の99%)
- スーダン(約4千万人:人口の97%)
世界人口ランキング第11位の日本(約1億2600万人)と比べても、イスラム教徒人口の圧倒的な数がわかりますね!
その他にも、イスラム教を国教としている国は26カ国あります。↓
アフガニスタン、アルジェリア、バングラデシュ、バーレーン、ブルネイ、コモロ連合、ジブチ共和国、エジプト、イラン、イラク、ヨルダン、クウェート、リビア、モルディブ、マレーシア、モーリタニア・イスラム共和国、モロッコ、オマーン、パキスタン、パレスチナ、カタール、サウジアラビア、サラウィ共和国、ソマリア、チュニジア、アラブ首長国連邦、イエメン
他にもイスラム教徒の多い国はこちらのサイトがわかりやすいです。(英語)
»参考:Isramic world
西洋諸国でイスラム教徒の多い国のトップは フランス、続いてドイツ、英国になっています。
まとめ
以上、「【2023年】イスラム教の祭日・年間行事まとめ」について紹介しました。
日本ではあまりなじみがないイスラム教の祭日ですが、「ラマダン」や「犠牲祭」、シーア派の「アルバイーン」などの祭日は、ニュースで目にする機会があります。
イスラム教圏の祝祭日は、公共機関が休みになり、人々は礼拝に行ったり家族で祝います。旅に出るなら、各国の祭日情報を事前にチェックすることをおすすめします。
イギリスでわたしがイスラム教徒の知人と接して印象的だった祭日といえば、 「ラマダン」とラマダン開けのお祭り「イド・アル・フィトル」、そしてイスラムの新年である「ムハッラム」です。
ラマダン中の彼らはちょっと元気がなくて、「お腹がすいた~」と言ってたりします。そんな彼らの前でわたしは おおっぴらに飲食しないように気をつけています。
1ヶ月続いた断食が終わる「イド・アル・フィトル」の日には 多くのイスラム教徒たちは学校を休み、家族とお祝いをして過ごしていました。前日にうきうきしているのが見ていて微笑ましかった!
そしてイスラムの新年「ムハッラム」では、手料理の新年のごちそうをいただきました。どれも独特のスパイスをつかった手の込んだ料理で とても美味しかったし、習慣の違いも興味深かったです。
あなたもまわりにいるイスラム教徒の世界に興味をもってみませんか?
イスラム教徒の人口 は2021年時点で 世界に約 19億人 以上いるといわれます。主にはスンニ派(15億人)とシーア派(約3億人)に分かれており、急速にその人口を増やしている宗教です。
わたしが接したイスラム教徒の(主に女性)たちは、まじめでマナーがよく、家族を思いやる優しい人達が多いです。イギリス人よりイスラム教国の人たちとのほうが話があうのです♪
▶2023年度の他の宗教に関する祝日については、こちらの記事が参考になります。
»キリスト教の祝日一覧&3大祭り
»ヒンズー教の祝日&3大祭り
イスラム教が本当によくわからない!という人におすすめの一冊を紹介します。
▼元外交官の著者が「海外でビジネスをする祭に最低限必要な宗教知識」として5大宗教を解説しています。必読。
▼アメリカ留学したサトコのルームメイトはサウジアラビアの女性ナダだった!ほんわかした4コマ漫画の中で、アメリカ社会におかれたイスラム社会を感じることができる。
世界時事に興味があるなら、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教がすっきり理解できる記事や、イランとイラクの違いがわかる記事も参考になります。
この記事があなたのお役にたてばうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ