「パンケーキ・デー」ってどんな日？
パンケーキデーって聞いたことありますか？
ヨーロッパにおける「パンケーキ・デー」は、そもそもキリスト教にまつわる伝統行事ですが、いまでは宗教に関係なく「パンケーキをたのしむ日」というイメージで楽しんでいる人が多くなっています。
イースターのお祝い前のパンケーキデーを日本でも体験してみませんか？
この記事では「パンケーキ・デー」の由来や楽しみ方、イギリス流パンケーキのレシピを紹介します。
パンケーキデー（Pan cake day)とは？
パンケーキデーは、イギリスでは「レント（Lent)」、日本語では「四旬節（しじゅんせつ）」と呼ばれる日の前日にあたる祝日です。
キリスト教信者は、イースター（復活祭）前に罪を悔い改め懺悔し、40日間の断食をおこなっていました。これが、レント（四旬節）と言われる期間です。
イギリスのパンケーキ・デーにはこの断食の前日、 戸棚の中にある卵や牛乳、砂糖などのリッチな食べ物を消費する意味でパンケーキを作り食べていたとされます。
現在では40日間も食事制限をする人は少なく、毎年「シュローブ・チューズデイ（Shrove Tuesday/告解の火曜日）」にパンケーキを食べる伝統が維持されているそう。
そういえば、今年のパンケーキは教会でいただきました。わたしは教会のボランティア英会話レッスンに通っているのです。
教会で知り合った友人は、「わたしはフェイスブックを使いすぎた。悔い改めるためにレントの間はFBを見ないことに決めた」と言っていました。
別の英国人は「レント中は砂糖をとらないようにする」と言っていました。
こんな話を聞くと、レントに自分の行動を見つめ直し、それを悔い、40日間実際に行動を改めることは、非常に有益なことに感じます。
私も見習って、毎年レントの40日間は、カフェインを断つことにしました。コーヒー好きなわたしは、朝と昼に一日３～４杯ものコーヒーを飲んでいたんです。よくないことはわかっているののやめられずにいました。いい機会です！
パンケーキデーは、毎年 日にちがちがう！
英国のパンケーキデーは、イースター（復活祭）に連動するために毎年日にちが異なります。
数え方は「イースター・サンデーの47日前」。
ちなみにこの日にパンケーキを食べるのは、主にイギリスやアイルランド、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの聖公会やそのほか一部プロテスタント、カトリックなどの国々。
アルノお隣の国フランスや、アメリカのパンケーキ・デーは、「マルディグラ（Mardi Gras）」といい、日付も異なります。
パンケーキレースが楽しい！
フライパンに入ったパンケーキを持ってレースをする「パンケーキ・レース」は15世紀から続くイギリスの楽しい風習。
その始まりは、イングランド南東部、バッキンガムシャー州のオルニーという町。断食の前日であるShrove Tuesday には信者たちは懺悔のため、教会を訪れます。
このパンケーキレースの由来のストーリーがこちら。
1445年に、オルニーのとある主婦がケーキ作りで忙しすぎたために教会が礼拝の鐘を鳴らすまで時間を忘れてしまいました。
鐘の音を聞き、慌てた女性はエプロン姿のパンケーキの入ったフライパンを持ったまま 走って教会へ駆け込みました。
この出来事がきっかけとなり、現在のパンケーキレースに至った、と言われているそうです。
めっちゃ慌てたんでしょうね。懺悔で神妙な雰囲気の教会で、エプロン姿で大慌てで駆け込む主婦の姿、、私ならふきだすな。
参加者は性別に関係なく、エプロン姿でフライパンにパンケーキをいれたまま走ってゴールを目指します。ルールとして、途中で２～３回パンケーキをひっくり返さなければ失格。厳しい！
このパンケーキ・レースは、イギリス各地で行われています。
アルノネット検索で「Pancakerace ○○」（○○の部分に場所の名前）を入れて調べると、各地のパンケーキの開催情報が得られます。
ロンドンで一番有名なパンケーキレースとは？
20年間続いているという国会議事堂となりのビクトリアタワーガーデンで行われる「Parliamentary Pancake Race」でしょう。今年も開催されます。
観光客にも人気があり、下院議員、上院議員、プレス関係者たちがグループに分かれて競い合います。スーツの上からエプロン、おおげさなシェフ帽をかぶった人々の姿、真剣そのもの！
イギリスらしくチャリティの一貫として行われます。
「Parliamentary Pancake Race」
場所：Victoria Tower Gardens
最寄駅: Westminster
時間：１０ー11：00
４）イギリス流パンケーキの特徴
パンケーキというと、日本だとフカフカのぶあついホットケーキに、フルーツやクリームで彩られた姿を思い浮かべるかもしれません。
イギリスのパンケーキはもっとシンプルで、形は「薄いクレープ」といった印象です。
伝統的な食べ方は、「焼いたパンケーキに砂糖とレモン汁をふりかけ、巻いたものをナイフとフォークで食べる」というもの。
このシンプルを極めたスタイルは、イギリスらしい！
でも、最近では生クリームやベリー類やバナナなどのフルーツ、チョコレートソースなどを使った華やかなタイプのパンケーキレシピが多数登場しています。
５）英国式パンケーキのレシピ
イギリス流のパンケーキは約５分で完成するかんたんレシピ！
日本ならホットケーキミックスでもできます。
【材料】３～４枚分（フライパンの大きさによります）
・小麦粉 50ｇ
・卵 1個
・ミルク 150ml
・塩 ほんの少々
■焼くときに、バターかオイルを少々
■仕上げに、さとう少々とレモン１個（しぼる）
英国式パンケーキの作り方はこちらです。
- 小麦粉の真ん中にたまごを落とし、分量の半量のミルクをいれ、全体が混ざるようにかき混ぜる。
- もう半量のミルクとひとつまみの塩を加え、全体がさらっとなるくらいまでかき混ぜる。（この時点で、さらりとした液体状）
- 熱したフライパンにバター（オイルでも）をひき、生地をうすくひろげる
- 途中でフライパンをひっくり返す（くるっと宙返りさせるのが重要！）
- 両面が焼けたら、出来上がり。
- 皿に盛ったパンケーキに砂糖をふりかけ、その上からレモンを絞り、フォークでくるくる巻く。
- ナイフで切って召し上がれ♪
伝統的な食べ方は、「砂糖にレモン」です。
最近は、、ジャムやフルーツ、はちみつ、チョコレート、なんでも合わせて楽しんでたべてね！と紹介されています。
まとめ
イースターの47日前のお祭り、イギリスの「パンケーキ・デー」について紹介しました。
私はレントにカフェイン断ちすることにしたので、大好きなコーヒーもノンカフェインの予定です。
あなたも、もし日頃の生活で悔い改めたいことあれば、パンケーキデーからイースターサンデーまでの間の40日間、それらを断ってみませんか？
パンケーキデーの次には春のお祭り、「イースター」がやってきます。
▶イースターの由来や遊びについてはこちらが参考になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。アルノ
