先日、友人の声掛けでアフタヌーンティー会に参加してきたアルノです。
イギリスに住んでいるからこそできる贅沢な会。
しかし、食べ始めてみてふと思いました。
「はて?正式なアフタヌーンティ-の食べ方ってどうだったけ??」
この機会に、アフタヌーンティーの正式マナーにのっとった食べ方を知っておきたい!
今回はそんなわけで、アフタヌーンティーの正式マナーについての紹介です。
この作法は、英国上流社会、いわば人気テレビドラマシリーズ「ダウントン・アビー」方式とも言える、イギリスで格式高く優雅にアフタヌーンティーを楽しむ方法です。
記事を書いているのは、在英歴10年のアルノです。イギリスに旅行に来る人や、アフタヌーンティーへ出かける人はぜひ参考にしてください
1)アフタヌーンティーの呼び方
イギリス人にとってまず第一に重要なこと、それは、「アフタヌーンティーとハイティーを絶対に混同しないように」ということだそう!
ハイティー(high tea)とは?
ハイティーは、大邸宅の使用人たちの午後6時ごろのティータイムに由来します。
いわば労働者階級のティータイム
メニューには、肉や、ステーキパイ、パン、ケーキなどがあり、食事としての意味合いが強く、食事用の高い(high)テーブルで供されることからその名が来ている。
おお!知らなかった!
ハイティーとは労働者階級のティータイムが発祥だったんですね。
アフタヌーンティ(Afternoon tea)とは?
1840年頃に第7代ベッドフォード公爵フランシス・ラッセルの奥方、アンナ・マリア公爵夫人によって始められたとされる。
当時の食事は、一日2食。
アンナが社交の時間として、夕方頃にティーとお菓子、サンドイッチなど軽食を用意して友人達を招いたことから始まったとされます。
アフタヌーン・ティーは小さなラウンジ・テーブルや客間の低いテーブルで提供されました。
上流社会の女子会ですね
アフタヌーンティーは、上流階級からはじまり、後にホテルで提供されるようになります。
当然、格式高いものとして発展しました。
2)アフタヌーンティーで、提供されるもの
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テーブルに用意されているもの
■ナプキン
■ナイフ、フォーク、スプーン、ストレナー
■ティーポット
■ジャグ(途中でポットにお湯を注ぐためのもの)
■皿
■ティーカップ&ソーサー&ティースプーン
■シュガーとミルク
■ケーキスタンド(三段が正式)
ケーキスタンドにのっているもの(三段)
上段: ミニケーキ
中段: スコーン
下段: フィンガーサイズのサンドイッチ
3)英国式アフタヌーンティ-のために準備するもの
<ケーキスタンド>
やっぱり3段で本格的に!シンプルで品のよいものを。
<クロテッドクリーム>
アフタヌーンティーにクロテッドクリームと焼き立てスコーン、ジャムは必須なんです。
日本に一時帰国したときにいつも利用するのが中沢のクロテッドクリームです。安い!
<英国御用達のストロベリージャム>
スコーンのおとも、ストロベリージャムは最近チップトリーが甘すぎるようになってきました。
最近はまっているダルボ(オーストリア)のジャム、キリッと爽やかな甘みで日本人に非常にあう。
こればっかり食べてます。騙されたと思って一度トライしてみてほしい。
4)ナプキンの使い方
着席したら、まずナプキンをひざにかけます。
ナプキンで口をふくときには、ゴシゴシするのはNG! 口にトントントンと当てるようにしてふきます。
5)ティーの選び方
伝統的なティーは、リーフティー(茶葉)をつかいます。
一般的なイギリス人のティータイムや、カジュアルなカフェで提供されるアフタヌーンティーにはティーバックタイプが使用されています。
アフタヌーンティーで準備するお茶のおすすめ種類は?
・ミルクティーならコクがあるものを
例)アッサム・イングリッシュブレックファースト・ウバ・ケニア・ドアーズ
・ストレートなら香りを楽しめるものを
例)ジャワ・ケニア・ヌワラエリヤ・シッキム・ルフナ
・どっちでもOKなバランスのよいもの
例)ダージリン・キーマン・ディンブラ・ニルギリ
▶お茶選びの参考はこちらの記事が参考になります↓
6)紅茶の飲み方(ミルクが先?ティーが先?)
イギリスでは約98%の人が紅茶にミルクを入れると言われています。
では、そのミルク、紅茶の先に淹れたほうがいいのか?後に淹れたらいいのか?イギリスでもよく議論されている問題です。
ミルク・イン・ファーストが正式という文献もあります。すなわちミルクからいれるというもの。
しかし、歴史的なそれぞれの階級が使っていた茶器から考えてみると…
上流階級が熱いティーが最初に注がれても割れない丈夫なボーンチャイナや磁気で紅茶を飲んでいたのに対し、労働者階級は熱いティーを最初にいれるとヒビ割れる可能性のあるもろい陶器を使っていました。
ティーカップを守るために、まず冷たいミルクをいれてから熱いティーを注ぐということが主流になっていったといいます。
さらに、現代では多くの著名人達が「あらかじめティーの濃さがわからないため、ミルクは後でいれたほうがよい」という考えが主流になっているようです。
紅茶の飲み方の基本
- 茶葉の抽出時間は、約3分ほど
- 紅茶をカップに注ぐ場合は、必ずストレーナーを使う
- お茶をティーをカップに注ぎ、その後にミルク、次に砂糖を。ミルクも砂糖も好みの量で。
- ティーをスプーンでかき混ぜる時は、くるくる円状にかき混ぜないように!
- スプーンは前後に動かし、お茶がカップからとびださないように!
- お茶は、1杯ではなく、2杯のお茶を楽しむのが普通と言われます。(3杯は過剰なんですって!)
7)ティーカップの持ち方
ティーカップの持ち方として正しいのは、「Holding the teacup」と言われます。
すなわち、親指と人差指をハンドルの中に通さず、沿わせるように持つ。
これ、、、アルノはけっこう難しい!
小指は絶対に立てたらアカンとのこと。
8)食べる順番
ケーキスタンドの下の段から[jin_icon_arrow color=”#e9546b” size=”16px”]上の段へと食べ勧めます。
友人たち、家族との楽しく、充実した会話もお忘れなく。
1、まず、下段のサンドイッチを。
じゃあ、食べてみましょう!
最初に一番下のサンドイッチを味わいます。
アフタヌーンティーのサンドイッチといえば、伝統的にキュウリサンドイッチ。
サンドイッチはカラトリーを使わずに手で食べ、だいたい2~3口ほどで食べられるように作ってあります。
2、次にスコーン
サンドイッチの後は、アフタヌーンティーの評価を決めると言っても過言ではないスコーンを!
スコーンの食べ方はティーの次に重要です。
バターとミルクの中間のようなクロテッドクリームと、ベリー系のジャムをのせて食べます。
良いスコーンは、まだほんのり温かく、中央から2つに簡単に壊れます。
スコーンは手で上下2つに割ります。
そして、それぞれの半分は別々に食べなければなりません。
ぜったいにサンドイッチ状にして一緒に食べないように!アルノは今までサンドして食べてました…
スコーンの食べ方(ジャム・クリームを乗せる順番)は「デボン式」と「コーンウォール式」の2つがあります。これはお好みで!
デボン式(画像の食べ方がデボン式です)
①わったスコーンの上にまずクロテッドクリームをこんもり
②次にジャムをのせて食べる
温かいスコーンで、クリームが少し溶けた状態を楽しむ食べ方です。
コーンウォール式
①割ったスコーんの上に最初にジャム
②次にクリームをのせて食べる
ジャムを最初に置くことで、クリームが固いままの状態を楽しむ食べ方です。
デボン在住のわたしは、デボン式で楽しんでいます。クリームがとろりと溶けてジャムとよく絡みます。
スコーンは手でたべますが、クリームやジャムをスコーンの上に広げるために、はじめてナイフが登場!
ジャムは伝統的にストロベリーですが、ブルーベリーやラズベリーなど他のベリー系ジャムもよく一緒に食べられています。
ジャムとクリームを手で食べると、当然手や口まわりがネトネトになります。
ここで膝においていたナプキンを使いましょう。(口をふくときは、トントントンをお忘れなく)
3、最後にケーキ!
ケーキスタンドの最上階は、小さな美しいケーキ達!
手で、または小さなフォークで食べます。
イギリスでよく目にするカップケーキですが、伝統的なアフタヌーンティーでは提供されません。
9)アフタヌーンティーのしめくくりは?
正しいナプキンマナーでフィニッシュしましょう!
楽しい午後の時間でしたか?
ナプキンは、折りたたんだり 椅子に置いたりせずに、広げたまテーブルに置いてくださいね。
10)動画で確認!ウィリアム・ハンソンのマナー
ウィリアム・ハンソン(William Hanson)は、英国を中心に世界中で活躍する英国式エチケット・マナーのエキスパート。
わたしは王室関係のニュースでよくハンソンのコメントを目にします。
最後に彼のアフタヌーンティーの食べ方をレクチャーする動画で最終確認しましょう。⬇
英語がわからなくても、この動画をざっと眺めるだけで、アフタヌーンティーでの正式マナーを想像できます。(アフタヌーンティーが始まるのは動画の2:30ごろです)
RP英語も聞けて、英語の勉強にもなります。
アフタヌーンティーは思い思いに楽しむべき
イギリス旅行に訪れる多くの日本人が高級ホテルのアフタヌーンティーを楽しみます。
▼ロンドンの憧れアフタヌーンティーは、こちらの記事で紹介しています。イギリス人もいつかこのティールームに行きたいと憧れる人も多いのです。
マナーハウスや上流階級でのアフタヌーンティーパーティに招待される方もいるでしょう。
そこで、「あ、この人マナーを知っているな、マナーを知った上で楽しんでいるな」と周りから思われる優雅な格式高い作法です。
ろいろと堅苦しいと感じる方法でもありますが、アフタヌーンティーの最大の魅力は、「お茶や菓子をいただきながらの楽しい会話」にある、と個人的には思っています。
気のあう友人たちと リラックスして質の高い時間をともに過ごす、これがアフタヌーンティーの醍醐味!
一般のイギリス人は、ティーバッグで気軽にティーを飲み、思い思いのスタイルでティータイムを楽しんでいます。
小難しいマナーを守る必要性はありませんが、正式マナー・エチケットを知っていれば、どんな場にいても堂々とリラクスしてその場を楽しむことができる、と思うのです。
次回の友人たちとのアフタヌーンティーでは、正式マナーにのっとったアフタヌーンティーパーティをしてみたいなぁ、、と思っているアルノなのでした。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ(@ecerydayuk)