セント・パトリックスデ-ってどんなお祭り?
毎年3月17日のセントパトリックス・デー(Saint Patrick’s Day)、いったい何のお祭りでしょう?
日本でも 3月17日は緑色を身に着けたり、アイリッシュパブへでかけたり、パレードに参加したり、、と非常に盛り上がってますよね。
この記事では 聖パトリックデーについて、楽しむための7つの方法や文化、この日に食べたいものなど 基礎知識を紹介します。
あなたもギネスビールやアイリッシュ・ミュージックで、アイルランド旅行の気分を味わってみませんか?
セントパトリックスデー(St Patrick’s Day)とは?
セント・パトリックスデ-の基礎知識を紹介します。この日を語るためのうんちく話に役立ちます。
聖パトリックとは?
3月17日は、アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックという実在した人物の命日です。
聖パトリックのキリスト教における功績を称え、この日をアイルランドの記念日として祝います。聖パトリックは、アイルランドの守護聖人となっています。
聖パトリックの多くの物語は口語で伝えられ、神話、伝説、または民間伝承として知られるようになりました。
この聖パトリックはそもそもアイルランドではなく、イギリス本土のウェールズで生まれ、名をパトリキウスと言いました。
家族全員がキリスト教徒でしたが、16歳のときアイルランドの海賊に誘拐され、アイルランドの奴隷(羊飼い)となります。当時アイルランドはケルト文化一色で、キリスト教は広く伝道されていませんでした。
そんな中、神のお告げをうけたパトリキウスは 神に従って牧場から逃れ、故郷のウェールズへ戻りました。そして7年間神学を学んだといわれます。
432年、ローマ司教から布教の命を受け、キリスト教をひろめるために再びアイルランドへ渡りました。
432年から461年に亡くなるまでアイルランド中を旅しながら、各地に修道院・学校・教会を建てたと言われています。
日本では、聖徳太子が摂政となったのが593年なので、聖徳太子の時代よりずっと以前の人物ですね。
アイルランドでは、非常に尊敬されている聖パトリックスです。
聖パトリックスと蛇
アイルランドには、なんと蛇が生息していません!
聖パトリックは、サタン(悪魔)を象徴する蛇を全て海に追い払ったという言い伝えが残されています。
聖パトリックはアイルランドから悪しきもの(蛇)を一掃し、国全体を変えたということを表すエピソードです。
セント・パトリックス・デーを楽しむための7つの方法
「セント・パトリックスデ-らしく楽しむための 7つのアイデア」を紹介します!
お祝いムードが高まるので、ぜひやってみてほしいです。
1.グリーンを身につける
アイルランドは見渡す限り緑!緑!みどり!
「エメラルドの島(Emerald Isle)」との異名があるほど 自然豊かな風景が広がっています。
アイルランドが一年を通じて緑豊かな理由に、アイルランドの温暖湿潤な気候が関係しています。
北大西洋海流(暖流)と偏西風の影響をうけ温暖で雨が多く、年間を通して雪が積もることはほとんどない穏やかな気候。そのため一年を通じて濃い緑が保たれている、というわけです。
「緑」はアイルランドのシンボルカラーであり、祝日であるセントパトリックス・デーには「緑」のものを身につける習慣があります。
グリーンカラーなら、服、帽子、アクセサリー、靴、バックなどなんでも大丈夫です。
何か緑色のものを身につけて過ごしましょう!
2.三つ葉のシャムロック(shamrock)
セント・パトリックス・デーには、「シャムロック」といわれる、三つ葉のシロツメ草(クローバー)を目にします。
このシャムロック、アイルランドの国花でもあり、アイルランドにとって重要な植物です。
ラグビーのアイルランド代表の旗の1つにもシャムロックが使われています。
当時ケルト文化全盛だったアイルランドで布教していた聖パトリックが、三つ葉のシャムロックを用いて布教したのがきっかけでした。
シャムロックは、もともとケルトで神聖なものとされていた植物。そのシャムロックを用いてキリスト教の教え三位一体(さんみいったい)を説いて布教活動を行ったのです。
【三位一体の教えとは?】
キリスト教において「父」と「子(キリスト)」と「聖霊(聖神)」が「一体(唯一の神)」であるとする教え。
三つ葉のアイテムをみにつけるのがおすすめ♪
3.おじさんの妖精レプリカン(Leprechaun)
大きな緑のハットに、緑の服を着たヒゲのおじさま妖精、それがレプリカンです。
セント・パトリクス・デーの3つ目のシンボルに大きな緑色のハットがあるのは、このレプリカン(Leprechaun)に由来します。パレードには必ずこのレプリカンの仮装をしたおじさんが出没、またセント・パトリックス・デーのシンボルにもなっています。
アイルランドの伝承民話のレプリカンとは?
民話に登場するレプリカンは靴職人であり、壺に入れた沢山の金貨を虹の下に埋めて隠している、もし人間に捕まったら自由と引き換えに人間に3つの願い事を授ける、などの物語があります。
孤独な妖精といわれるレプリカンですが、現代のレプリカンのキャラクターイメージは【陽気なおじさん】ですね。
農村部のアイルランドにのみ生息し、地下の洞穴に住んでいるそうです。いつか見つかるでしょうか。
聖パトリックデーのシンボル、レプリンカンを象徴する【緑の帽子】をかぶって出かけるのも楽し!
4.ギネス (Guinness) は飲んでおきたい
ギネスは、アイルランドを代表するビールです。
1759年、アイルランド(南)の首都ダブリンのセント・ジェームズ・ゲート醸造所で誕生した黒スタウトビール。
このビールの特徴は、琥珀色でクリーミーな泡立ち、苦味、強いホップの香りです。
ギネススタウトは、水、大麦麦芽、ホップ、醸造用イーストから作られていますが、麦芽にする前の大麦を焙煎することが他のビールと異なります。
そして栄養価が高いとされ「コップに入った食事」という評価があるにもかわらず、ギネスは英パイント(=568 ml)当たりわずか198kcalと非常に低カロリー。
イギリス人から聞いた話ですが、昔のアイルランドの貧しい家庭では、赤ちゃんの栄養補給に少量のギネスを与えていた、とのこと。思わず「ほんまかいな!?」と思いましたが、、そのくらい栄養価が高いんですね。
またギネスに鉄分が豊富なことは有名です。
アメリカのウィスコンシン大学の研究において、ギネスは心臓発作や血栓ができるリスクを低下させる効果があると発表され大きな話題になりました。ギネスの中に存在する抗酸化物質の化合物が、動脈壁に有害コレステロールの蓄積する速度を下げるために、健康に有益であることが発見されたとのことです。
■2003年の記事ですが、イギリスBBCの健康ニュースで紹介されています。
自宅でギネス飲み、またはアイルランドパブへ出かけましょう!
5.アイリッシュ・ミュージックで心ふるわせよう
動画の音楽は オーストラリアのアイリッシュ・パンク・バンド「ザ・ラムジャックス」による「An Irish Pub Song」です。この曲が収録されているアルバムは必聴。
これぞケルティック・パンク!かっこいい。(アイリッシュバンドの紹介でなくすみません)なにも言わず、聴いてみてほしいです。聞き惚れちゃうよ。
アイルランド人にとって音楽は非常に重要です。
今日の世界のミュージックシーンは、アイルランドルーツのミュージシャンが多いのを知っていますか?
アイルランド人がイメージする「アイリッシュミュージック」とは、「リール」や「ジグ」などのダンス曲。またアイルランドの伝統的な「シャンノース」の歌です。
映画「タイタニック」で演奏される気落ちが高ぶるような音楽、あれは「ジグ」です。
また、楽器にも特徴があります。
古くから演奏されているフィドル(バイオリン)やイリアンパイプス(アイルランドのバグパイプ)、アイルランドの国章にもなっているハープ、太鼓のバウロンも独特。そういえば、クラッシックバイオリニストの友人が、アイリッシュバイオリンは弾き方がまったく違うと言っていました。
わたしにとってアイリッシュミュージックは、心が掻き立てられるというか感情を大きく揺さぶられます。
また世界的なロックバンドの「U2」もアイルランド出身のバンドです。聞いてみてね!UKロックバンドのランキング記事もご参考ください。
セントパトリックスデーに、アイリッシュ音楽を聴いて、心ふるわせましょう!
6.アイリッシュ・ダンスを踊ってみる
これは、、踊れないですね(汗)
動画は ダブリンを拠点として活躍する「Slide Step(スライド・ステップ)」というモダン・アイリッシュ・ダンスのグループ。超クールです。
アイリッシュ・ダンスがワクワクするので見てみてほしい。
7.アイリッシュ映画を見よう!
アイリッシュ系の映画はたくさんありますが、結構内容がダークで暗い内容の映画も多いです。
わたしのおすすめは「シング・ストリート」。ハッピーエンドかどうかは自分で確かめていただきたい。80年代のダブリンを舞台にした青春劇です。80年代のヒット曲が素晴らしい!
▼シング・ストリート│未来への歌
これは食べておきたい!アイルランド名物料理4選
1)ソーダブレッド(Soda Bread)
Recipe of the Day: @inagarten‘s Irish Soda Bread https://t.co/i95xLFwIzA. pic.twitter.com/ApfbHC1i1G
— Food Network (@FoodNetwork) 2018年3月15日
イーストでは無く重曹でふくらませた無発酵パンが、ソーダブレッド。アイルランドの主食になっています。
通常のパン作りよりも簡単で時間がかからず、味わいは素朴で、カットしたブレッドにアイリッシュバターをたっぷりぬって食べました。
2)ギネス・ビーフシチュー(Guinnes Beefstew)
Do St. Patrick’s Day right with beef & Guinness stew and creamy potatoes https://t.co/Z0ig9kTtbR via @todayshow
— Gina Lawriw (@GinaLawriw) 2018年3月17日
牛肉と、炒めた玉ねぎ、人参などの野菜にギネスビールを加えて、じっくり煮込むシチューです。ギネスのコクがシチューによく合います。
マッシュポテトやベイクドポテトを添えるのがアイルランド流。
3)ボクスティ Boxty
Don’t be jealous!!
Learn how to make perfect Irish potato pancakes (boxty!) here:https://t.co/PtDbc9kFgD #truecooks #recipe pic.twitter.com/ZES5ylFqTu— FoodOfHistory.com (@foodofhistory) 2018年3月16日
アイルランド北部の代表的な料理で、ポテトのパンケーキです。
基本の味付けは、塩コショウだけ。すりおろしたじゃがいもと茹でて潰したじゃがいも合わせて、フライパンでパンケーキのように焼きます。
最近よく見かけるのは、中に肉やチーズなどいれロール状にしたもの。
4)コルカノン(Colcannon)
コルカノンはクリーミーなマッシュポテトとキャベツ(ケールも)が入ったアイリッシュ料理です。
ベーコンやハムを混ぜたりもしますが、基本の味付けはやっぱり塩・こしょうのシンプル料理。
まとめ
以上「聖パトリックスデーを楽しむためのアイデア」を紹介しました。
日本でも話題になっている毎年3月17日のセントパトリックスデー。【緑のアイテム】、【クローバー】、【緑の帽子】のシンボルをみにつけて過ごすと、アイルランド気分が盛り上がります。
3月17日、わたしはギネスビールで乾杯します。
Happy St. Patrick’s Day!
イギリスとアイルランドの関係、そして北アイルランド問題について興味があれば、こちらの記事が参考になります。
セントパトリックスデーが終わると、次は春のお祭り「イースター♪」が待っています!イースターを楽しむための準備もしましょう!
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この記事があなたのお役にたてばうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ