・イギリスの「クリスマスの過ごし方」が知りたい!
『一年で一番大切な、家族がつどう時期』、それが英語圏におけるクリスマスです。
秋まっさかりのハロウィン(10月30日)が終わると、人々はじわじわとクリスマスの準備期間にはいります。街はライトアップで輝き、クリスマスマーケットに人々のこころが浮き立ちます。
まさに、マジカルシーズン!
また、クリスマスの終わりは1月6日だと知っているでしょうか?
この記事では、「イギリスのクリスマスの過ごし方」を11月の準備期間から、クリスマス当日、1月の正式なクリスマスの終了までくわしく紹介します。
アドベントカレンダーの楽しみ方に、海外の友人へのクリスマスカードの送付、クリスマス料理など、海外のクリスマスのマナーが知りたい人はぜひ参考にしてください。
記事を書いているのは在英歴10年以上のアルノです。魔法にかかったような煌めきクリスマスを体験しましょう!
イギリスのクリスマス行事一覧表
クリスマス準備が本格化する11月から、クリスマス終了1月5日までの「イギリスのクリスマスの過ごし方」を一覧で紹介します↓
時期 | 内容 |
---|---|
11月~ クリスマスまで | ・クリスマスギフト準備 ・クリスマスお菓子を食べる ・クリスマス絵本でもりあげる ・クリスマスマーケットスタート ・チャリティ活動が活発に |
11月末~ クリスマスまで | ・クリスマスカードを贈りあう |
11月末~ 1月まで | ・ウィンターワンダーランド (野外アイスリンク) ・クリスマスイルミネーション |
12月1日~ 24日まで | ・アドベントカレンダーの開封 |
12月~ 1月5日まで | ・クリスマスツリー |
12月前後 | ・クリスマスのエンターテイメント (バレエ「くるみ割り人形」など) |
12月24日 | ・クリスマス・イブ |
12月25日 | ・クリスマス当日! |
12月26日 | ・ボクシング・デー (ウィンターセールの始まり) |
1月5日 | ・十二夜(クリスマスの終わり) |
それでは、クリスマスの準備からたのしい常時まで、たっぷりとくわしく紹介しますね。
イギリス流のクリスマスを過ごしてみたい、伝統的なクリスマス行事を体験したい、という人は参考になります。ぜひ最後まで読んでみてください↓!
1)クリスマスの準備がスタート│11月~
10月30日のハロウィンが終わると、待ちに待ったクリスマスの準備が本格的にはじまります。
イギリス人、、というか欧米のクリスマスプレゼントにかける情熱は想像以上!
クリスマスプレゼント選びは11月ごろから激化しますが、年間をとおして準備している人も多いです
しかし、プレゼントは日本のような高額なモノではなく、カジュアルな品物が多い印象。
例えば、本やチョコやマフラーなど気軽に渡せるものを友人や家族へ用意します。
「ハンパー」といって、カゴの中に食べ物(ジャムやお菓子やワインなど)をいっぱい詰め込んだものもクリスマスの定番です。
フォートナム&メイソンの「クリスマスハンパー」が有名ですね。
息子のシュタイナー学校のクラスではこのハンパーに各家庭からのギフトを詰め込んで、担任の先生とクラスアシスタントの先生に渡していました。
一番だいじなのは、もちろん「こども達」へのクリスマスプレゼント!
今年は何をプレゼントしたら喜んでくれるかな?。。。親や義父母の悩ましくも楽しいクリスマスギフト選びです!
また、10月のブラックフライデーでクリスマスプレゼントをゲットする人も多いです。
イギリスのセール時期については、こちらの記事で紹介しています。セール時期をねらってクリスマスギフトをゲットするのもあり♪
2)クリスマスお菓子(ミンスパイやジンジャーブレッド)│11月~
11月まえにはスーパーにならんでますが、イギリスではクリスマスシーズンに食べる特別なお菓子があります。
それは、「ミンスパイ(mince pie)」と「ジンジャーブレッド (gingerbread)」。
ミンスパイは、スパイシーなドライフルーツ(ミンスミートといいます)がつまったクリスマス時期に食べる小さなタルト菓子。
起源は、イエス・キリストの誕生を祝うために東方の三博士が捧げた没薬だと言われています。
ジンジャーブレッドも、イギリスではクリスマス時期に一般的に食べられるクッキーです。生姜たっぷり!他にもシナモンやナツメグなど香辛料が入り、ちょっとふんわりしたクッキー。この独特の味わいは好き嫌いが別れます。
これを、「ジンジャーブレッドマン」の形に焼き、アイシングでおしゃれしてクリスマスツリーに飾ったり、「ジンジャーブレッドハウス(ヘクセンハウス)」の形に焼いて飾ったりもします。
イギリスの伝統菓子についてはこちらの記事が参考になります。
3)クリスマス絵本の読み聞かせ│11月頃~
12月にはいると、街の書店にはサンタさんや、クリスマスツリー、魔法をテーマにしたカラフルな絵本が並べられます。
子どもたちも絵本を読みながら、親子でクリスマスを待ちわびます。
英国絵本は、こどものハートをあっためる伝統的で素敵な物語の宝庫!
英国の子どもたちが読んでいるクリスマス絵本はこちらの記事で紹介しています↓
4)各地でクリスマス・マーケットが始まる│11月~
イギリスでは11月ごろから、ドイツスタイルのクリスマスマーケットがあちこちで開催されます。
「なぜイギリスで、ドイツ式のクリスマスマーケットが定着してるんだろう?」
調べてみると、もともとイギリスにはクリスマスマーケットの習慣はなく、導入のきっかけは19世紀、ビクトリア女王の夫君であるアルバート公でした。
アルバート公の出身国であるドイツからこの伝統を持ち込み、イギリスでもクリスマスマーケットが広まったのです。
なるほど売っているものも「ジャーマンソーセージ」、「グリュー・ワイン」、「ジャーマンビール」などドイツっぽいものが目立ちます。
イギリスの有名なクリスマスマーケット
・サウスバンク・センター(ロンドン)
・エジンバラ(スコットランド)
・チェスター
・バース
・ウィンチェスター
クリスマスマーケットは11月からクリスマス前まで開催されます。この時期に英国にいるなら必ず訪れるべきスポット♪日が落ちてからがベスト。
夕暮れ時からがベスト。荘厳で美しい景色がライトアップされています。
5)チャリティが盛り上がる│11月~
11月ごろから、イギリス中でチャリティ活動が活発になります。
誰もが楽しみにするクリスマス。しかし恵まれない人や孤独な人にとっては非常につらい時期になります。
この時期にチャリティが活発化するのは、恵まれないこどもなど、社会的弱者のクリスマスをサポートする目的があるとのこと。
例えば、11月の「リメンバランスデー」や、「モーベンバー(Movember)デー」などがあります。
リメンバランスデーはイギリスの戦没者慰霊の日です。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
モーベンバーデーとは、「Mo=ひげ」に「November=11月」をかけたおやじギャグチャリティ。男性たちは「ひげを剃らない」チャリティに挑戦します。11月中に行われる前立腺がんなど男性特有の病気を患う人へのチャリティです。
12月には、ダサダサのクリスマスセーター(=ジャンパー)を着てチャリティを行う「クリスマス・ジャンパーデー(Christmas Jumper Day)」なんていうのもあります。これは子供達のためのクリスマスチャリティ。クリスマス柄のセーターは悪趣味ほどよいそう!
チャリティがなんだかおもしろ楽しく、「自分も何か新しい楽しいチャリティ考えたい!!」ってな具合になってくるから不思議なんです。
▼イギリスのチャリティについてはこちらの記事が参考になります
6)クリスマスカードを贈りあう│11月頃~
クリスマスが近づくと家族や友人、ご近所さんなどお世話になった人へカードを贈る習慣があります。
日頃の感謝の気持ちを込めたメッセージを書いて渡すのが一般的。
クリスマスはそもそも十二夜の1月5日まで続くため、年始の挨拶も含めたメッセージが多い。日本の「年賀状」みたい!
もらったカードは 1月5日の十二夜まで 室内の壁やテーブル、マントルピースなどにキレイに飾っておくのがルール。美しいカードのデコレーションに心が華やぎます。
海外の知人や恋人にクリスマスカードを贈りたいなら、11月末までに届くように送ることをオススメします。
▼SNSやメールのクリスマスメッセージ例文を探しているなら、こちらの記事が役立ちます。
7)ウィンター・ワンダーランド(野外アイスリンクなど冬の遊園地)│11月~1月
クリスマスシーズンには各地で「ウィンターワンダーランド」という名の「野外アイスリンク」が開設されます。
英国の各地のお城や有名な観光地に突如あらわれるスケートリンク。クリスマスツリーやイルミネーションで飾られ、特に夜にはものすごくロマンチックなんです。
イギリスで有名な野外アイスリンクは、ロンドンの「自然史博物館」、「サマセット・ハウス」、「ロンドン塔」、「ハイド・パーク(ウィンター・ワンダーランド)」。
この時期に観光するなら、ウィンターワンダーランドは絶対にはずせない場所です。
8)クリスマス・イルミネーション│11月末~
イギリスの冬は寒くて、曇りがちな暗~い季節。
なにしろ12月ごろのイギリスといえば日照時間がたったの8時間という短さ(日本は約10時間)。うつになる人も多くなる、暗くわびしい季節なのです。
そんな英国のどんよりムードをふっとばしてくれるのが、街を彩る美しいクリスマスイルミネーションです!
ロンドンではオックスフォードストリート、リージェントストリート、カーナビストリートのクリスマスデコレーションが特に美しく、感動さえ覚えるほどの見事さ!
さらに、家全体をライトアップする家も多く、英国の暗い夜が一気に華やかに!
イルミネーション点灯式も盛り上がります!機会があればぜひ行ってみましょう。
9)アドベントカレンダー│12月1~24日
今年は息子のアドベントカレンダー用意するのを忘れてもうた。
12月に入ると、毎日ひとつずつ窓やポケットから中のお菓子などもらえる。すべての窓を開け終わるとクリスマス!というワクワク感満載のカレンダー。
英国でポピュラーなのはスーパーで手に入るチョコ。しかしハンドメイドがおススメ! pic.twitter.com/KH2HDZDHF1
— 毎日イギリス生活 (@ecerydayuk) 2018年12月10日
12月1日までに親はこどもへ「アドベントカレンダー(Advent calendar)」なるものを用意します。
これは、12月1日から12月24日までのクリスマスまでの間、毎日ひとつずつお菓子やおもちゃをもらえるワクワク感いっぱいのクリスマス・カレンダー。
スーパーの紙製のチョコが入りが一般的。その他ボックスや、袋などいろんな趣向のアドベントカレンダーが出現します。手作りも楽しい!
アドベントカレンダーの起源は、19世紀初頭にドイツでクリスマス前の24日間を数えるために始まったとされ、伝統的なアドベントカレンダーにはイエス・キリスト誕生にまつわる宗教的な絵画が描かれています。
年配のイギリス人知人に昔もアドベントカレンダーがあったのか聞いてみました。すると、子供のころからあったが、ポケットに入っていたのは「小さな写真」だったとのこと。それでもやっぱりすごく楽しみだったそうです。
アドベントカレンダーは、お菓子だけではなく、コスメや絵本、ジュエリー入りなど、いろんなタイプがあります
▼安定の美味いチョコ、リンツのアドベントカレンダー
▼英国発海外コスメが気軽に買える【lookfantastic】のコスメアドベントはイギリスでも人気♪
10)クリマスツリーを飾る│12月~1月5日
12月にはいると、街の露天やガーデンショップ、スーパーまでにも生木のもみの木が売り出されます。
サイズは低いものから2mほどもある大きなもの、価格も5ポンドくらいから様々!この季節になると車の荷台に大きな樅の木を載せた車をよく見かけるようになるのです。
家に持ち帰ったツリーは、一番てっぺんに星(ベツレヘムの星)を飾り付け、オーナメントで飾り付けをします。
24日のイブにはこのクリスマスツリーの下にプレゼントを置いておく重要な役割。
ちなみに、イギリスにおけるクリスマスツリーの起源は、クリスマスマーケット同様 ドイツ出身のアルバート公によって広まったそう。
ロンドンで最も有名なクリスマスツリーといえばトファルガー広場の巨大ツリー。第二次大戦時にイギリス軍がノルウェーを援護したお礼として、毎年ノルウェーから送られてきます。
11)クリスマスのエンターテイメント│12月
イギリスには、クリスマスの時期に恒例とされるお芝居が開演します。
おなじみ演目は、ディケンズの「クリスマスキャロル」、チャイコフスキーのバレエ舞台「くるみ割り人形(The Nutcracker)」、大衆的な笑劇「クリスマス・パントマイム」など。
どれもこれもおすすめ!
英国ロイヤル・バレエ団やイングリッシュ・ナショナル・バレエの「くるみ割り人形」は素晴らしいですが、街の小さな劇団の「クリスマス・キャロル」やパントマイムも家族でめっちゃ楽しめます
12)クリスマス・イブ│12月24日
日本のクリスマスといえば、なんといっても12月24日のイブ(前夜)ですよね。
カップルでラブラブな時を過ごすか、はたまた家族でケンタッキーチキンとデコレーションケーキでお祝いするか、、、ってな感じしょうか。
イギリスでのクリスマスイブはそれほど特別な日ではありません。
クリスマスイブの夜に教会に行く家庭もあります(多くはキリスト教徒)が、クリスマスイブの夜には、家族で集まって夕食をともにし、こども達は「ストッキング」と呼ばれる赤い靴下をベッドの近くや暖炉の上などに吊っておきます。
もちろん、ファーザー・クリスマス(サンタさん)からクリスマスプレゼントをもらうためにね!
そして、イギリスらしいなぁ、と感じるのが「ファザークリスマスにお礼をする」ことと、「トナカイにもお礼をする」という習慣。
ファーザー・クリスマスのお礼には手紙やミンスパイ、ミルクやワインなど
トナカイたちには、人参や「Reindeer food(レインディアフード)」と呼ばれるオーツ麦メインでつくったトナカイ用のフードを用意し、クリスマスツリーの近くに置いておきます。
ファザークリスマスとトナカイの働きを労い、感謝するんですね。こころあったまる習慣です。
13)クリスマス当日│12月25日
12月25日は、いよいよクリスマス「Christmas Day」の祝日です。
イギリスでは、クリスマスは家族でお祝いするものという習慣により、クリスマスディナーよりクリスマスランチが盛大に行われます。
イギリスのクリスマスの一日の様子を4ステップで紹介します↓
前夜にツリーの下に置いておいた、サンタさんからのプレゼントを見に行きます。
そして、クリスマスプレゼント開封の儀!
これが子どもだけでなく大人にとってもメイン行事!包装紙をビリビリやぶるのも快感なんです。
イギリスのクリスマスはランチがメインです。「
メインディッシュは、だいたいローストターキー(七面鳥)。付け合せの定番は、くたくたにゆでた芽キャベツ・人参・グリーンピースにマッシュポテトで、クランベリーソースでいただきます。
デザートには、アイシングたっぷりのクリスマスケーキ、またはクリスマスプティングと言われるケーキを食べます。お椀をさかさにしたような型で、ドライフルーツにたっぷりに、ブランデーや黒砂糖が入っています。
わたしはコレは非常に苦手。薬のような味しかしません。
食べる前には、イギリス流のクリスマス・クラッカーで楽しい雰囲気に。おとなも紙製の王冠をあたまにかぶったままお料理をいただきます。
イギリス人にとって重要な「国王のクリスマススピーチ」。家族そろって王のスピーチを聴くのが恒例です。
ランチをお腹いっぱい食べるので、ディナーは食べられない人続出。残り物をいただいたりもします。
25日には地下鉄、バス、列車など全ての公共交通機関の運行がストップするので注意しましょう!
例年、24日の深夜から25日は完全にストップしています。
14)ボクシングデー(祝日)│12月26日
イギリスでは、クリスマスの翌日12月26日はボクシングデー(Boxing Day)と呼ばれる日です。
一年で最大のウィンターセールが始まる日であり祝日になります。
イギリス、およびイギリス連邦国で続いている習慣であり、フランスなど他のヨーロッパではセールの日ではありません。
起源は、「教会が貧しい人々へ用意したプレゼントの箱をあける日だった」や「使用人たちが主人から贈り物やボーナスをもらい帰省する日だった」、、などの説がありますが、はっきりとはしないようです。
ボクシングデーにイギリスにいるなら、ほしかったモノを手に入れるチャンス!
15)十二夜(クリスマス終了)│1月5日
十二夜(じゅうにや)とは、1月6日の公現祭の夜(12月25日から12日目)のことです。
実は、欧米のクリスマス期間とは、12月25日から1月5日の公現祭の前までの12日間ずっと続いているのです。
クリスマスツリーやクリスマスのイルミネーションなどの飾り付けは、十二夜を過ぎると縁起がわるいという伝統があり、この日までにクリスマスツリーなどを撤去します。(逆にいうと、この日までは飾って置くものなのです)
公現祭に食べる「王様のお菓子」についてはこちらの記事で紹介しています。
まとめ
以上、「イギリスのクリスマスの過ごし方(11~1月)」を紹介しました。
伝統的なイギリスでのクリスマスの過ごし方を知ることで、イギリスの流儀、文化に乗っ取り穏やかに過ごすことができそうです。
伝統的なイギリスでのクリスマスの過ごし方を知ることで、イギリスの流儀、文化に乗っ取り穏やかに過ごすことができそうです。
あなたにも素敵なクリスマスが訪れますように。愛をこめて。
~Happy Merry Christmas!~
クリスマスの次は「新年」のイベントが待ち構えています。
イギリスの2023年1月~3月までの年間イベント・祝日を知りたい人はこちらの記事を参考にしてくださいね。
この記事があなたのお役にたてばうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ