『一年で一番大切な家族のための日』、それが英語圏におけるクリスマスです。
イギリスでは12月25日と26日の2日間が「祝日」となり、特にクリスマスデイ(25日)は、ほとんどのスーパーやショップ、オフィス、バス・電車・地下鉄など公共の交通機関が休業するので要注意。
私達一家は、クリスマスは夫の実家のあるフランスで過ごすのが恒例ですが、イギリス流のクリスマスの過ごし方に興味があります。
わたしがたっぷり時間をかけて勉強した、イギリスのクリスマス流儀を14にまとめて紹介します!
クリスマスの準備期間である11月から~クリスマス終了の1月6日まで”が対象です。
1)11月~クリスマス・プレゼント選びが激化する
クリスマスプレゼント選びは11月ごろから激化しますが、年間を通し準備している人も多く、最初は驚きました。
しかし、プレゼントは日本のような高額なモノではなく、カジュアルな品物が多いです。
例えば、本やチョコやマフラーなど気軽に渡せるものを友人や家族へ。
息子のシュタイナー学校のクラスではこのハンパーに各家庭からのギフトを詰め込んで、担任の先生とクラスアシスタントの先生に渡していました。

今年は何をプレゼントしたら喜んでくれるかな?。。。親や義父母の悩ましくも楽しいクリスマスギフト選びです!
2)クリスマス・マーケット開催:11月~
イギリスでは11月ごろから、ドイツスタイルのクリスマスマーケットがあちこちで開催されます。
「なぜイギリスで、ドイツ式のクリスマスマーケットが定着してるんだろう??」
調べてみると、やはりもともとイギリスにはクリスマスマーケットの習慣はありませんでした。
きっかけは19世紀ビクトリア女王の夫君であるアルバート公でした。
アルバート公の出身国であるドイツからこの伝統を持ち込み、イギリスでもクリスマスマーケットが広まったようです。
なるほど売っているものも「ジャーマンソーセージ」、「グリュー・ワイン」、「ジャーマンビール」などドイツっぽいものが目立つのです。
3)チャリティが盛り上がる:11月~
11月ごろから、イギリス中でチャリティ活動が活発になります。
これは、もともと恵まれないこどもや家族がいない人など、社会的弱者も辛いクリスマスとならないようにこの時期に活発になるとのこと。
例えば、11月の「リメンバランスデー」や、「モーベンバー(Movember)デー」など。
モーベンバーデーとは、「Mo=ひげ」に「November=11月」をかけたおやじギャグ的なチャリティ。11月中に行われる前立腺がんなど男性特有の病気を患う人へのチャリティです。男性がひげを剃らないことがチャリティになるとは!
12月には、ダサダサのクリスマスセーター(=ジャンパー)を着てチャリティを行う「クリスマス・ジャンパーデー(Christmas Jumper Day)」なんていうのもあります。これは子供達のためのクリスマスチャリティ。クリスマス柄のセーターは悪趣味ほどよいそう!
チャリティがなんだかおもしろ楽しく、「自分も何か新しい楽しいチャリティ考えたい!!」ってな具合になってくるから不思議なんです。
>チャリティ発祥の地、そしてチャリティ先進国であるイギリスの姿はこちらの記事が参考になります。

4)クリスマスカードを贈りあう:11月末~
クリスマスが近づくと家族や友人、ご近所さんなどお世話になった人へカードを贈る習慣があります。
日頃の感謝の気持ちを込めたメッセージを書いて渡すのが一般的。
クリスマスはそもそも十二夜の1月5日まで続くため、年始の挨拶も含めたメッセージが多い。日本の「年賀状」みたいな!
もらったカードは、やはり十二夜までは室内の壁やテーブル、マントルピースなどにキレイに飾っておきます。
5)野外アイスリンク:11月ごろ~1月
クリスマスシーズンには各地で「野外アイスリンク」が開設されます。
英国の各地のお城や有名な観光地に突如あらわれるスケートリンク。クリスマスツリーやイルミネーションで飾られ、特に夜にはものすごくロマンチックなんです。
イギリスで有名な野外アイスリンクは、ロンドンの「自然史博物館」、「サマセット・ハウス」、「ロンドン塔」、「ハイド・パーク(ウィンター・ワンダーランド)」。
この時期に観光するなら、はずせない場所です。
6)クリスマス・イルミネーション:11月末~
イギリスの冬は寒くて、曇りがちな暗~い季節。
なにしろ12月ごろのイギリスといえば日照時間がたったの8時間という短さ(日本は約10時間)。うつになる人も多くなる暗くわびしい季節なのです。
そんな英国のどんよりムードをふっとばしてくれるのが、街を彩る美しいクリスマスイルミネーションです!
ロンドンではオックスフォードストリート、リージェントストリート、カーナビストリートのクリスマスデコレーションが特に美しく、感動さえ覚えるほどの見事さ!
さらに、家全体をライトアップする家も多く、英国の暗い夜が一気に華やかに!
イルミネーション点灯式も盛り上がります!機会があればぜひ行ってみましょう。
7)アドベントカレンダー:12月1~24日まで
今年は息子のアドベントカレンダー用意するのを忘れてもうた。
12月に入ると、毎日ひとつずつ窓やポケットから中のお菓子などもらえる。すべての窓を開け終わるとクリスマス!というワクワク感満載のカレンダー。
英国でポピュラーなのはスーパーで手に入るチョコ。しかしハンドメイドがおススメ! pic.twitter.com/KH2HDZDHF1
— 毎日イギリス生活 (@ecerydayuk) 2018年12月10日
12月1日までに親はこどもへ「アドベントカレンダー(Advent calendar)」なるものを用意します。
これは、12月1日から12月24日までのクリスマスまでの間、毎日ひとつずつお菓子やおもちゃをもらえるワクワク感いっぱいのクリスマス・カレンダー。
スーパーの紙製のチョコが入りが一般的。その他ボックスや、袋などいろんな趣向のアドベントカレンダーが出現します。手作りも楽しい!
アドベントカレンダーの起源は、19世紀初頭にドイツでクリスマス前の24日間を数えるために始まったとされ、伝統的なアドベントカレンダーにはイエス・キリスト誕生にまつわる宗教的な絵画が描かれています。
年配のイギリス人知人に昔もアドベントカレンダーがあったのか聞いてみました。すると、子供のころからあったが、ポケットに入っていたのは「小さな写真」だったとのこと。それでもやっぱりすごく楽しみだったそうです。
8)クリマスツリー(生木):12月~1月5日
12月にはいると、街の露天やガーデンショップ、スーパーまでにも生木のもみの木が売り出されます。
サイズは低いものから2mほどもある大きなもの、価格も5ポンドくらいから様々!この季節になると車の荷台に大きな樅の木を載せた車をよく見かけるようになるのです。
家に持ち帰ったツリーは、一番てっぺんに星(ベツレヘムの星)を飾り付け、オーナメントで飾り付けをします。
24日のイブにはこのクリスマスツリーの下にプレゼントを置いておく重要な役割。
ちなみに、イギリスにおけるクリスマスツリーの起源は、クリスマスマーケット同様 ドイツ出身のアルバート公によって広まったそう!
ロンドンで最も有名なクリスマスツリーといえば、トファルガー広場の巨大ツリー。これは、第二次大戦時にイギリス軍がノルウェーを援護したお礼として、毎年ノルウェーから送られてきます。
9)クリスマスのエンターテイメント:12月~
イギリスには、クリスマスの時期に恒例とされるお芝居が開演します。
おなじみ演目は、ディケンズの「クリスマスキャロル」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」バレエ、大衆的な笑劇である「クリスマス・パントマイム」など。
どれもこれもおすすめ!
特にバレエ「くるみ割り人形(The Nutcracker)」は、英国ロイヤル・バレエ団やイングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)が年末年始の恒例として素晴らしい演技を見せてくれます。
10)ミンスパイにジンジャーブレッド(クッキー)!
英国でクリスマス時期に食べるお菓子、それは「ミンスパイ(mince pie)」と「ジンジャーブレッド (gingerbread)」です。
ミンスパイは、スパイシーなドライフルーツ(ミンスミートといいます)がつまったクリスマス時期に食べる小さなタルト菓子。
起源は、イエス・キリストの誕生を祝うために東方の三博士が捧げた没薬だと言われています。
ジンジャーブレッドも、イギリスではクリスマス時期に一般的に食べられるクッキーです。生姜たっぷり!他にもシナモンやナツメグなど香辛料が入り、ちょっとふんわりしたクッキー。この独特の味わいは好き嫌いが別れます。
これを、「ジンジャーブレッドマン」の形に焼き、アイシングでおしゃれしてクリスマスツリーに飾ったり、「ジンジャーブレッドハウス(ヘクセンハウス)」の形に焼いて飾ったりもします。
イギリスの伝統菓子についてはこちらの記事が参考になります。

11)クリスマス・イヴの日:12月24日
日本のクリスマスといえば、なんといっても12月24日のイブ(前夜)ですよね。
カップルでラブラブな時を過ごすか、はたまた家族でケンタッキーチキンとデコレーションケーキでお祝いするか、、、ってな感じしょうか。
イギリスでのクリスマスイブはそれほど特別な日ではありません。
クリスマスイブの夜に教会に行く家庭もあります(多くはキリスト教徒)が、クリスマスイブの夜には、家族で集まって夕食をともにし、こども達は「ストッキング」と呼ばれる赤い靴下をベッドの近くや暖炉の上などに吊っておきます。
もちろん、ファーザー・クリスマス(サンタさん)からクリスマスプレゼントをもらうためにね!
そして、イギリスらしいなぁ、と感じるのが「ファザークリスマスにお礼をする」ことと、「トナカイにもお礼をする」という習慣。
ファーザー・クリスマスのお礼には手紙やミンスパイ、ミルクやワインなど
トナカイたちには、人参や「Reindeer food(レインディアフード)」と呼ばれるオーツ麦メインでつくったトナカイ用のフードを用意し、クリスマスツリーの近くに置いておきます。
ファザークリスマスとトナカイの働きを労い、感謝するんですね。こころあったまる習慣です。
12)クリスマス当日:12月25日
12月25日は、いよいよクリスマス「Christmas Day」の祝日です!
イギリスでは、クリスマスは家族でお祝いするものという習慣により、クリスマスディナーよりクリスマスランチが盛大に行われます。
朝:クリスマスプレゼント開封!
これがこどもにとってもメイン行事!包装紙をビリビリやぶるのも快感なんです。
昼:クリスマス・ランチで家族でお祝い
食べる前にクリスマス・クラッカーで楽しい雰囲気に。
メインディッシュは、だいたいローストターキー(七面鳥)。付け合せの定番は、くたくたにゆでた芽キャベツ・人参・グリーンピースにマッシュポテトで、クランベリーソースでいただきます。
デザートには、アイシングたっぷりのクリスマスケーキ、またはクリスマスプティングと言われるケーキを食べます。お椀をさかさにしたような型で、ドライフルーツにたっぷりに、ブランデーや黒砂糖が入っています。わたしはコレは非常に苦手。薬のような味しかしません。
15時:エリザベス女王のスピーチをTVで聞く
これこれ!これはイギリス人にとっては重要なんですって。家族そろって女王のスピーチを聴くのが恒例なんだそうです。
25日には地下鉄、バス、列車など全ての公共交通機関の運行がストップするので注意しましょう!
例年、24日の深夜から25日は完全にストップしています。
13)ボクシングデー:12月26日
イギリスでは、クリスマスの翌日12月26日はボクシングデー(Boxing Day)と呼ばれる日です。
一年で最大のウィンターセールが始まる日であり祝日になります。
イギリス、およびイギリス連邦国で続いている習慣であり、フランスなど他のヨーロッパではセールの日ではありません。
起源は、「教会が貧しい人々へ用意したプレゼントの箱をあける日だった」や「使用人たちが主人から贈り物やボーナスをもらい帰省する日だった」、、などの説がありますが、はっきりとはしないようです。
ボクシングデーにイギリスにいるなら、ほしかったモノを手に入れるチャンス!
14)十二夜でクリスマス終了:1月5日
十二夜(じゅうにや)とは、1月6日の公現祭の夜(12月25日から12日目)のことです。
実は、欧米のクリスマス期間とは、12月25日から1月5日の公現祭の前までの12日間ずっと続いているのです。
クリスマスツリーやクリスマスのイルミネーションなどの飾り付けは、十二夜を過ぎると縁起がわるいという伝統があり、この日までにクリスマスツリーなどを撤去します。(逆にいうと、この日までは飾って置くものなのです)

まとめ
以上、イギリスでクリスマスを過ごすために「”11月からのクリスマスの準備”から”クリスマス終了の1月5日まで”のイギリスのクリスマスの過ごし方」を14にまとめて紹介しました。
調べてみると、やはりクリスマスの過ごし方は、国によってかなり違うことがわかりました。
イギリスのクリスマスの過ごし方は、夫の実家のフランス流のクリスマスともかなり違います。
伝統的なイギリスでのクリスマスの過ごし方を知ることで、イギリスの流儀、文化に乗っ取り穏やかに過ごすことができそうです。
英国の子供たちが読んでいる、珠玉の英語クリスマス絵本も紹介しています。

以上、イギリスでクリスマスを過ごすために「”11月からのクリスマスの準備”から”クリスマス終了の1月5日まで”のイギリスのクリスマスの過ごし方」を14にまとめて紹介しました。
調べてみると、やはりクリスマスの過ごし方は、国によってかなり違うことがわかりました。
イギリスのクリスマスの過ごし方は、夫の実家のフランス流のクリスマスともかなり違います。
伝統的なイギリスでのクリスマスの過ごし方を知ることで、イギリスの流儀、文化に乗っ取り穏やかに過ごすことができそうです。
▼クリスマス絵本選びなら、こちらの記事が参考になります。英国絵本は、こどものハートをあっためる素敵な物語の宝庫!

あなたにも素敵なクリスマスが訪れますように。愛をこめて。
~Happy Merry Christmas!~
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Byアルノ